以前よりiPhoneには『オフィス・モバイル(Microsoft Office Mobile)』というマイクロソフト・オフィス(Word、Excel、PowerPoint)文書を編集できるアプリが存在していましたが、iPad向けにリリースされていたオフィス各アプリがiPad/iPhone両対応に刷新され、iPhoneでもiPad版と同じアプリを利用できるようになりました。
Get Office for iPad and iPhone(YouTube)
そこでこれから数回にわけて、iPhoneでのオフィスアプリの使用感をレビューしていきたいと思います。まずはワープロソフトの定番『Microsoft Word』です。ざっと使ってみた感想をまとめると以下の3点。
・Word文書ビューアーとしては安心感がある
・使い勝手はPC版とまったく異なる
・編集・レイアウトの自由度は高いかも
ビューアーとしてのiPhone向けWord
このアプリでWord文書を編集するためには、Microsoftアカウント(無料)が必要になりますが、文書の閲覧だけならログイン不要です。出先で急に文書チェックしなくてはならなくなった際には、ひとまずWordアプリさえインストールしてしまえば読むことは可能。
オフィス文書のビューアーアプリは他にもいくつかありますが、マイクロソフト純正という安心感はビジネスシーンにおいて心強いですね。また、画面のピンチ操作に対応し、最大200%までのズーム表示が可能です。
PC版とは操作方法が大きく異なる
PCでは画面上部にずらりと並んだメニューから編集操作を行いますが、iPhoneでは通常時にコマンドは隠されており、必要になったら画面右上『A』のアイコンをタップしてコマンドを呼び出します。
コマンドのメニューは画面下半分に表示され、「ホーム」「挿入」「レイアウト」「校閲」「表示」を切り替えながら使っていきます。見た目こそPCのWordとはかなり異なりますが、できることは遜色ないといったところ。慣れれば意外と使えるようにも思えます。
編集・レイアウトの幅はかなり広い
文字の修飾、揃えからカラーの変更、字送り行送りといった設定はPC版にあるものが基本的にそのまま使えます。「モバイル環境で文章の手直しをしたらファイルの見た目が崩れてしまった」というトラブルもなくなりそう。
また、テキストボックスや画像、表組みの挿入も可能で、選択したオブジェクトはハンドルを使っての回転や拡大縮小など、編集の自由度も高いです。ただし、さすがにiPhoneの小さな画面で繊細な操作を行うのはかなり至難の技だと感じました(筆者の環境はiPhone5)。
「スマホの小さな画面でオフィスアプリなんて使わないよ」という人は多いと思いますが、こんなことができると知っておくだけでもイザという時の選択肢が広がるかもしれません。また、Word以外にもスマホで使えるワープロアプリやオフィス系アプリは多数ありますので、いろいろ試してみるのも良さそうです。