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荻上チキ責任編集
“α-Synodos”
vol.155 (2014/09/01)
特集: 声とコミュニケーション
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★今号のトピック
○はじめに
1.山岸順一
「ボイスバンクプロジェクト」とはなにか――自分の声を取り戻せ(前編)
2.山岸順一
合成音声技術はどこにいくのか――自分の声を取り戻せ(後編)
3.田中ゆかり
方言とコミュニケーション――「ヴァーチャル方言」とその効能
4.前田拓也
「いまなんて言ったの」の社会学 ── 障害者の声と「笑い」
5.片岡剛士
経済ニュースの基礎知識TOP5
○編集後記
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○はじめに
編集部の山本です。金子さんから「はじめに」を引き継ぐことになりました全国の熱烈な金子ファンのみなさん、申し訳ありません。妖怪のせいです。諦めていただければとおもいます。
さて、夏休みも明け、久しぶりのαシノドスです。今号のテーマは「声とコミュニケーション」で、お送りします。今号は、聴覚障害をテーマにした「声の形」号(6月15日)のスピンオフ企画です。「声の形」とタイトルをつけましたが、声そのものには、あまり迫れていないのではないか、タイトル詐欺をしてしまったのではないか。という反省から、声とコミュニケーションを真正面から扱ってみました。
まずは、前後編のインタビューが続きます。「『ボイスバンクプロジェクト』とはなにか――自分の声を取り戻せ(前編)」「合成音声技術はどこにいくのか――自分の声を取り戻せ(後編)」です。最先端の音声合成技術をつかい、病気で声が出無くなってしまった方の声を取り戻す「ボイスバンクプロジェクト」の代表者である山岸順一さんにじっくりお話を聞いてきました。
開発中のアプリも紹介していただけるなど、まさに「最先端」の音声合成技術のお話が目白押しです。なんと、音声合成の技術で本人の方言まで再現できるとのこと。私は取材中、「ひぃ!そんなことができるんですか!」と20回くらい言いました。
3本目は、田中ゆかりさんの「方言とコミュニケーション――『ヴァーチャル方言』とその効能」です。関西人でもないのに「なんでやねん!」とノリノリで言ったことが絶対あると思います。あと、土佐人でもないのに「いくぜよ!」と夜明けの空に向かって指さしたことがあると思います。なぜ、私たちはほかの地方の方言を使ってしまうのでしょうか。本稿ではそれを「ヴァーチャル方言」を用いた「方言コスプレ」として、方言とコミュニケーションの関係について分析していきます。
4本目は、前田拓也さんの「『いまなんて言ったの』の社会学 ── 障害者の声と『笑い』」です。言語障害をもつ障害者が「冗談」を言ったとき、聞き取れなった介助者は聞き返すべきなのでしょうか。「いまなんて言ったの」と聞き返すと気まずくなってしまうかもしれません。でも、もしかしたら、冗談の中で介助内容を指示している可能性もあります。介助現場のリアルな日常から、障害者の声と「笑い」を考察します。
5本目は、お馴染みの大人気連載! 片岡剛士さんの「経済ニュースの基礎知識TOP5」です。今回は、2015年度概算要求、ユーロ圏の経済動向、中国の経済動向、難航するTPP交渉、そして2014年4-6月期GDP一次速報値について解説しています。先月のニュースでも取り上げられた「想定外」の悪化を告げる4月~6月期の統計の動き。あれ!? 景気良かったんじゃないの! どうなっているんだよ! というあなたにおススメです。
というわけで、今号もてんこ盛りのαシノドスでお送りします。どうぞ、お楽しみください。(山本)
追伸:最近、読者の方からこんな意見が寄せられました。「αシノドス購読しているんだけど、なんかメルマガって読み切れなくてたまっちゃうんだよね。しかも、分量多いじゃん。そして、たまっていくとさ、なんか自分がダメ人間なような気がしてさ、嫌になっちゃう。」と。『αシノドス』を楽しく読んでいただいていると思ったら、なんと自己嫌悪のきっかけとなっているなんて。と衝撃を受けました。
『αシノドス』は毎号特集が変わりますので、前の号を読まなかったからと言って、内容が分からなくなってしまうこともありません。ですので、読み切れなくて嫌になっている方は、ぜひ好きな号の興味あるところだけ、つまみ食いをするように読んでください。複数の幕の内弁当から好きな部分だけを食べていると思っていただければ。なんかちょっと得した気分になれるのではないでしょうか。
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