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荻上チキ責任編集
“α-Synodos”
vol.153+154(2014/08/05)
特集: 中東イメージ革命
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★今号のトピック
○はじめに
1.保坂修司
中東のマンガ・アニメ事情
2.中町信孝
愛国装置としてのエジポップ――大アラブ主義とエジプト一国主義
3.後藤絵美
ヴェールのファッション化と宗教言説の変容――「ヘガーブ・アラ・モーダ」の誕生
4.堀拔功二
ドバイ観光とスポーツ――経済戦略と激しさを増す周辺諸国との競争
5.森晋太郎
シリアの現代文学とナショナリズム、体制批判
6.福田義昭
現代エジプト小説とアメリカ
7.片岡剛士
経済ニュースの基礎知識TOP5
○編集後記
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○はじめに
こんにちは、毎日毎日毎日毎日暑いですね。スタッフの金子です。今号は、vol.153+154の合併号。特集テーマは「中東イメージ改革」。7本の論考を収録した盛りだくさんの号となっています。一気に読み切るのでなく、興味のもったものからお読みになるのをオススメします。
最初の論考は保坂修司氏による「中東のマンガ・アニメ事情」。ポケモン、ジョジョ、キャプテン翼(キャプテン・マージド)、ドラゴンボールにワンピース、はたまた#ヘンタイまで……。中東では、日本のマンガ・アニメはどのように親しまれ、吸収され、新たな文化として創出されつつあるのでしょうか。
続く、中町信孝氏「愛国装置としてのエジポップ――大アラブ主義とエジプト一国主義」では、エジプトのポップス「エジポップ」が、エジプトで担ってきた役割について論じられています。国家によるプロパガンダとして、あるいは反体制ポップスとして、変化してきたエジポップから時代の潮流を窺い知ることができます。
3本目の論考は、2000年代にエジプトのムスリム女性の間で流行したヴェールについて、後藤絵美氏にお書きいただきました。タイトルは「ヴェールのファッション化と宗教言説の変容――「ヘガーブ・アラ・モーダ」の誕生」。ファッション化するヴェールをめぐる、社会情勢と宗教言説の変容を辿ります。
お次は堀拔功二氏の「ドバイ観光とスポーツ――経済戦略と激しさを増す周辺諸国との競争」。この数年、常に話題に事欠かないことを経済戦略としてきたドバイ。石油に依存しない経済づくりのために、観光地として発展させてきたドバイのスポーツという隠れた魅力に迫ります。
5本目は、「シリアの現代文学とナショナリズム、体制批判」筆者は森晋太郎氏です。馴染みある方が多いとは言えないシリア現代文学。その主要なテーマのひとつに、祖国愛や民族主義があるそうです。物語に反映されてきた、シリアに生きる人びとの思い。それは「アラブの春」を理解する手がかりのひとつになるのかもしれません。
そして6本目。福田義昭氏による「現代エジプト小説とアメリカ」。近代アラブ文学には、「西洋との出会い」が重要なテーマとなっており、とくに20世紀後半からヨーロッパだけでなく、アメリカを舞台とした作品も増えているそう。本稿ではその中から、2000年代になってエジプトで刊行された『アムリーカーンリー』『シカゴ』『ノアの方舟』の三本をご紹介いただきました。
本号を締めくくるのはお馴染み片岡剛士氏による「経済ニュースの基礎知識TOP5」。不安な指標もでつつある日本経済。この先の見通しはどうなっていくのか。「日豪EPA、両首脳が署名」「最低賃金引き上げ」「軽減税率」「政府月例経済報告と経済見通し」「「想定外」の悪化を告げる経済指標」。五つのニュースを解説いただきました。
というわけで、ミラクル盛り沢山な本号ですが、面白い論考ばかりですので、ぜひゆっくりとお読みください!(金子)
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