この前、「週刊文春」の連載を担当してくれている編集者のSさんが、
「欽ちゃん、こんなものが見つかったんですよ」
と、ぼくのところにやって来た。
そう言ってSさんが鞄から出したのは、一台の古い小さなカメラ。何でも会社の仲間に昔のカメラの修理を趣味にしている人がいて、「これをぜひ、萩本さんに渡して欲しい」と託されたそうなんだ。
そのカメラを見たとき、
「あ!」
と、ぼくは思わず声を上げてしまったよ。
というのも、それがぼくの父親である萩本団治の作ったモノだったからだ。
親父はぼくが子供の頃、「萩本商会」という名前のカメラ屋さんをやっていてね。一時期は銀座や上野などにいくつも店を構えていたんだ。

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