最近、窃盗や詐取で被害額が驚くほどの巨額になっている。犯人はそうなるまでに途中でやめようとは思わなかったのだろうか。

 また、取りつくシマがないほどのゴミ屋敷を見るたびに不思議に思うが、そうなる前に何とかしようと思わなかったのだろうか、体重300キロの人は家の中から外に出られないほど太る前に何とかしようと思わなかったのか。いくらでも手を打つチャンスはあったはずだ。

 わたしの考えはこうだ。極端な結果になるのは、本人がタカをくくっていたからだ。僭越ながらわたしもタカをくくるタイプである。 
週刊文春デジタル