高校生がミャンマーの特殊詐欺の拠点で保護されたというニュースがあまりに衝撃的で、19歳の娘を持つ親としては色々と思うところがある。そもそも彼はどの程度お金に困ってて、どの程度本気で大金を手にできると信じていたのか。

「海外でやれる仕事がある」と、オンラインゲームで知り合った男に誘われたそうです。たとえ田舎の高校生でも特殊詐欺や闇バイトの危険性を知らないわけがない。だけど抗えなかった。そこには、断わったらヘンな空気になってしまうんじゃないか? という、稚拙だけど切実な不安があったのではないだろうか。あくまで憶測ですが。

 若者は円滑な人間関係を望むあまり“ヘンな空気”を極端に嫌う。そこにつけ込んで、勧誘する側は断わりづらい空気を作ってるんじゃないでしょうか。 
週刊文春デジタル