二月後半といえば、二・二六事件だ。一九三六年二月二十六日に陸軍皇道派の青年将校たちが決起し、時の総理大臣・岡田啓介らを襲撃。高橋是清大蔵大臣や斎藤実内大臣といった重臣たちが命を落とした、クーデターである。

 この事件を最初に映画化したのが、今回取り上げる『叛乱』だ。新東宝の製作、佐分利信と阿部豊が監督している。 
週刊文春デジタル