東京を目指したのは大好きな小説『少女七竈と七人の可愛そうな大人』の影響。「性質が異質で共同体には向かない生まれのものは、ぜんぶ、ぜんぶ、都会にまぎれてしまえばいい」という一節を読んで雷に打たれたように、ただただ東京を夢見た。私はまぎれたかった。普通になりたかった。その上で、自分らしく振舞いたかった。紆余曲折を経てたどり着いたここはまさにストレンジャーの街。人が多いし物価も高いし海は汚いし空気も悪い。大嫌いな部分を挙げたらきりがないけれど、それでもここでの暮らしを手放せないほどには大好きで、まさに題名通り『東京最低最悪最高!』ってわけ。 
週刊文春デジタル