今回は『ある殺し屋の鍵』を取り上げる。
 市川雷蔵が凄腕の殺し屋を演じたシリーズの二作目だが、前作の主人公が表で小料理屋を営む塩沢で、本作は日本舞踊の師匠の新田だったりと、両作に直接の繋がりはない。
 今度の新田の標的は、脱税を繰り返す悪徳金融業者の朝倉(内田朝雄)だ。新田はなんなく役目を果たすが、自身もまた口封じのために命を狙われる。窮地を脱した新田は、単身で巨悪に挑んでいく――。 
週刊文春デジタル