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春日太一の木曜邦画劇場 第572回「2時間超えが標準の当世だからこそ凝縮された短時間の娯楽作を希望!」『拳銃0号』

2024/02/22 05:00 投稿

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  • コラム
  • 春日太一
 近年、国の内外を問わず、映画の上映時間が長くなりがちな傾向にある。二時間オーバーが当たり前になっている現状は、少し考えものだ。
 特に娯楽映画に関しては、よほどの超大作でない限りは最低でも二時間以内、百分前後が最も適しているというのが、筆者の持論だ。
 そこで嬉しいのが旧作邦画、特に一九七五年前後より以前に作られた作品だ。当時は二本立て上映がメインだったため、巨匠の撮るような大作を除いては、たいてい九十分前後の上映時間。そのため、無駄なくテンポよく終わることが多かった。さらに、二本立てのメインでない添え物的な「二本目」の作品はさらに短く、一時間前後もざらだった。
 それで内容的に物足りないかというと、そのようなことはない。むしろ凝縮され、引き締まった構成になっていることも少なくなかった。
 今回取り上げる『拳銃0号』も、そんな一本だ。上映時間はわずか五十三分。 

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