古物商たちは客だけでなく、古物商たちのみで集まって持っている品を販売し合うセリを身内同士で行います

 。親族がその商売だったんで一度、セリを見に行くことがありました。

 その場にいてみるとプロ同志なのでかなり緊迫感のあるセリでした。

 そんな中である香炉みたな品が出てきたときに、「すっ」とトンカチを出して胴元がそれを壊しました。

 それが一番、インパクトあったんですが、出した人を含め、一同「ああ、あれか」みたいな感じ。

 親族のおじさんに聞いてみると「ある地方の名主みたいな人が持ってたもので呪われてる」と真面目に答えてました。見つけ次第、壊すのがならわしで、持ち主にはそのセリの仲間内からお金が出る、と言っていました。

 どういったものなのか全く見当つかないんですが、古物で呪いだから、やはりそういうものもあるのか、と思いました。

 それにしても平然と叩き割っている様子がなんとも、当たり前にある呪い、みたいな感じで怖かったです。