定期号[2013年3月12日号/通巻No.77]
今号の執筆担当:渡部真
こんにちは。渡部真です。
3月後半から4月にかけて、抱えている仕事が忙しく東北への取材もできずに過ごしていました。「石のスープ」も、毎度ながらギリギリの発行で申し訳ありませんです。
【2014年3月8日追記】
2014年3月5日、下記映画に出演した南三陸の地元民から、事実と反する演出を促され従った事や、ドキュメンタリー作品に不適切な撮影方法が行われていた点について告発があり、制作者もそれを認めました。
本記事は1年前に書かれた者ですが、本映画についてはこれ以上、宣伝に繋がる記事を放置する事は適切ではないので、追記という形でこの事を記しておきます。また、本記事を完全に消去するのではなく、取り消し線を入れる事で記事を残しておくこととします。
まだ直接関係者から話を聞けてはいませんが、この作品がドキュメンタリー映画として、極めて不適切な手法だった事は明らかなようです。推薦した者として、読者の皆さまにはご迷惑をおかけしました。
(「石のスープ」編集部 渡部真)
さて、そんな取材ができていない状況なので取材報告はできないのですが、ちょうどゴールデンウィークなので、今号と次号を使って、連休中におススメの映画を紹介したいと思います。
今回紹介するのは、劇場公開中のドキュメンタリー映画『ガレキとラジオ』です。
【ストーリー】
東日本大震災により、全世帯の60%の世帯が被害を受け、8000人以上が避難生活を送ることになった宮城県南三陸町。市の中心である志津川地区も大きな被害にあい、町庁舎や公立病院、防災庁舎など町の中核施設の多くが津波で甚大な被害を受けた。まさに壊滅的な被害だった。
情報すら行き届かない南三陸町だったが、震災から2か月経った5月17日、災害FM局として「FMみなさん」が立ち上がる。避難所となっていた町立総合体育館の一角をブースにして放送がスタートした。しかし、スタッフとして集まってきたのは、リーダーとなる元サラリーマンの男性を始め、元トラック運転手、元劇団員、元塾講師、元自動車整備工、元水産加工業、高校を卒業したばかり若者など素人ばかり。辛うじて元地元新聞記者の男性がいるが、そんな彼らが、ディレクター、記者、アナウンサー、ミキサーなどの仕事を分担し、失敗を繰り返し四苦八苦しながらも、地元の人達に情報発信を続けていく。
彼らの奮闘は、クリスマスイベントや、震災で挙式をあげることができなかったカップルの結婚式などを通じて、徐々に南三陸の人達に受け入れられていく……
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