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渡部真【勝手気ままに】Vol.15「今度の選挙で、僕らの生活に関与させる権力を、誰に与えるか」

2012/12/04 23:40 投稿

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  • 渡部真
  • 選挙
  • 衆院選
  • 民主主義

石のスープ
定期号[2012年11月30日号/通巻No.60]

今号の執筆担当:渡部真



■ワクワクしない選挙戦

 本日12月4日、第46回衆院選が公示され、いよいよ選挙が始まった。
 さっそく、自宅のそばを選挙宣伝カーが「○○△夫、○○△夫、皆様のために立ち上がりました。よろしくお願いしま〜す」などと走り回っている。すぐ目の前にスーパーがあるので、これから2週間は昼寝もおちおち出来ないほど、ひっきりなしに選挙演説を聞かされる事になるだろう。

 昔は政治関係の仕事もしていたので、選挙になるとかり出された。仕事柄いろんな政党と付き合ってきたけど、どこの政党も、どの政治家も、選挙が始まると力がみなぎってくるのが端から見ていても分かる。運動員としてかり出させる立場でも、取材者としても関わる時でも、やはり自分自身もワクワクしながら、選挙期間を過ごしていた。
 きっと、今頃は、僕の回りにいる人も、かつての仲間たちも、きっと気持ちが盛り上がっている事だろう。

 ところが僕は、どうも盛り上がらない。シラケてる。これほどシラケて選挙期間に突入するのは初めてだ。学生の時ですら、もう少しワクワクしたもんだ。
 理由はハッキリしない。
 一つは、いま言われているような大きな政党のどこが政権をとっても、僕の望むような社会は実現しないだろうという諦め感からかもしれない。ただ、それだけが理由ではないはずだ。なぜなら、かつては常に自民党が勝っていて、自民党が負けるなんて想像もつかない時代だったのに、それでもワクワクしたのだから……。

 「原発政策」「消費増税の是非」「経済政策」「TPP」「東北の復興」……争点が今ひとつハッキリしないのも、盛り上がりに欠ける理由かもしれない。

 
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[キャプション]仮設住宅で暮らす人たちは、
今回の選挙をどう感じているんだろう……。
余談ながら、この写真は今年9月1日〜3日に
島田健弘さん(写真左端)、渋井哲也さん、
畠山理仁さん、村上和巳さんなどと一緒に、
宮城県の仮設住宅を合同取材した時に写真。
その取材報告を、6日の「Fプロジェクト・チャンネル」で
生放送でお送りします。(詳細は後述)


■政治家が守るべきは「法律」ではなく、作業員の「命」

 昨日、こんなニュースが流れた。

【NHKニュース】 福島第一原発の作業員「偽装請負疑い」が半数に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121203/k10013930051000.html

 「廃炉に向けた作業が続く福島第一原子力発電所の下請け作業員に東京電力がアンケートした結果、雇い主以外から指示を受けていると回答し、偽装請負が疑われるケースがおよそ半数に上ることが分かりました。雇用する際に賃金などの条件が文書で示されなかった人も4割近くに上り、違法な雇用が広がっている可能性が出ています」

 昨年の3月以降、情報隠蔽体質を散々露見してきた東京電力だ。当事者である東電が行なった実態調査アンケートで48%って、潜在的にどれだけ違法性のある労働実態なのか、想像するだけでも酷いものだ。

 昨年秋、原発作業員の中で「過労」などの理由で死亡者が出ていたにも関わらず、東電は作業員の労働実態の管理が不十分だった。それを受けて、僕は、統合会見に行って、園田政務官や、その場にいない細野大臣に間接的に伝えてもらうように頼み、
「けっして見逃すべき数字とは思えないが、国策の失敗のツケを払わされている作業員の労働管理について、政府で情報管理などをする事が出来ないか?する考えはないか?」
と、何度か質問した。しかし、
「民間の行なっている事に政府が口を出せない」
「法的根拠がない」
と官僚的な回答を繰り返された。

 その結果、事故から1年9か月、多くの作業員が不当労働を受け続けていた実態が、当事者のアンケートで部分的に表面化した。

 東電の原発作業員が不当な労働行為を受け続けているのは、何も偽装請負だけじゃない。労働時間、労働環境、賃金、危険作業に対する生活保障等、そのほかもろもろ、けっして「正常」とはいえない状態が続いてる。
 それに対して、政府が「民間の行なっている事に口を出せない」というのは、ストーカー、詐欺、恐喝事件などで警察が「民事不介入」と被害者を突っぱねて、事件が大きくなるケースと一緒。本質的に何が重要か……。
 守るべきは、東電や中間搾取している企業ではなく、作業員の命と安全だ。もちろん、関係企業では、苦労して経営している中小企業も少なくない。そんな下請け会社を責めろと言っているのではない。
 
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[キャプション]日本が「蘇生」できるか、
この選挙は、そんな選挙かもしれない。
(2012年11月、福島県新地町にて)


  

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