週刊 石のスープ
増刊号[2012年1月17日号/通巻No.21]

今号の執筆担当:寺家将太

※この記事は、2012年1月に「まぐまぐ」で配信されたものを、「ニコニコ・チャンネル」用に再配信したものです。



 こんにちは。「週刊 石のスープ」編集担当の渡部真です。
 新しい年を迎えました。希望者の方には、年末ギリギリにお送りしたカレンダーは届いていますでしょうか? お陰さまでご好評いただき、「石のスープ」一同、作った甲斐があったと喜んでいます。今年もよろしくお願いします。

 さて、今回は新春早々の増刊号ですが、現役学生の寺家将太さんが記事を提供してくれましたのでお届けします。

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■釜石の漁師たちの笑顔と決意

 2011年3月下旬、雑誌でモデルとして活躍するLie(ライ)さん(26歳)は釜石にいた。東北地方太平洋沖地震の発災からおよそ2週間後、津波の爪痕が生々しいころだ。

「着いた瞬間、あ然というか、言葉になりませんでした」

  みんなでホタテの出荷作業をした作業場も、地元の方がいつもあたたかく迎えてくれた事務所もみんな流されていた。水産業界を若い世代から盛り上げようと、 Lieさんが発起人となって立ち上げた「ウギャル・プロジェクト」がようやく軌道に乗りかけたころだった。Lieさんは、震災後の心境をこう語る。

「釜石は自分のふるさとのような場所。震災後はずっとそわそわして落ち着きませんでした。数日して連絡はとれたけど、やっぱり顔を見て話したいと思っていました」