「私の彼氏全然カッコよくないんですよ~。」


『そうなん?芸能人でいうと誰に似てるん?』


「う~ん、芸能人っていうか大津さんに似てます。」


『・・・え!?』


 

他人の「やっちまった!」って顔を久しぶりに間近で見ました。


どうも大津尚之です。


 

気がつけば、もう3月。


どこを見渡してもお正月ムードはないし、大学生は春休みで楽しそう。


平尾さん(解説者)の息子さんも、競輪学校を卒業する。


光陰矢の如し。


 

僕はというと・・・


年頭に立てた目標が達成の方向に向かっているのやら向かっていないのやら。


 

夜、部屋の窓を開けていると


小気味良い音が聞こえてくる。


 

ベランダに出て、その音の方に目をやると・・・


 

いた。


 

野球少年だ。


見たところ、小学校の低学年くらいだろうか。


ガレージに明かりを灯し、父親にボールを投げてもらい


バッティングの練習をしている。


何球も、何十球も。


 

親子の間に笑顔はない。


聞こえてくるのは父親の厳しい怒鳴り声だけ。


しかし、子供は腐らない。


ナニクソという表情で必死にバットを振る。


 

長時間続いたバッティングが終わると


次は守備練習。


 

家の周りは大したスペースがない。


だから必然的にノックも近距離になる。


ただ、かと言って父親は緩いボールは打たない。


実践さながらの打球を容赦なく打つ。


 

腰を低くしろ、体で止めろ、グローブの土手で捕れ。


 

ここまでくれば子供も父親も汗だくだ。


 

そして最後はピッチング練習。


車庫にブロックを置き、そこにペンキでストライクゾーンを書いた父親お手製の的。


 

力を抜け、もっと振りかぶれ、軸足がぶれている。


きちんとタメを作れ、指先に力が入りすぎている、フォロースルーをしっかりしろ。


 

これもみっちり、ワインドアップとセットポジションの両方行う。


 

後はストレッチを行い、ようやく親子の練習は終了となる。


 

飽きもせず、これを毎日行っている。


偉いもので、父親がいない時は妹と練習をしている。


 

最近は、バットのスイングの音がブーン、ブーンから


ビュッ、ビュッに変わってきた。


 

私は彼の名前を知らない。


彼が所属しているであろう野球チームで、


彼はレギュラーなのか、補欠なのか。


中学生になっても高校生になっても野球を続けるのか。


続けた結果、ドラフト会議で名前が呼ばれプロ野球選手になれるのか。


プロに入ったとして球界を代表する選手になり、ゆくゆくは指導者になっていくのか。


はたまた何かのきっかけで競輪選手の道を目指すのか。


 

私は知らない。


 

でも、


私は彼が努力をしていることを知っている。


野球が好きだということを知っている。


 

頑張れ、なんて言う立場ではないが、


私は彼を応援している。


 

凄いな、と思える人に年齢なんて関係ない。


年上だろうが年下だろうが凄い人は凄いのだ。


 

だから自分も凄い人にならないといけないのだ。


 

3連複5BOXで一人も車券に絡まなかったり、


釣りロケに行って思いもよらぬ大物に腰が引けてしまっていてはいけないのだ。

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日々、勉強。


この世の中はいつでも面白い。