■日本代表が敗れた朝

2018FIFAワールドカップ ロシアもベスト4を残すのみとなりました。

私は大会前、日本代表はベスト8に進出できると予想していたのですが、結果は決勝トーナメント1回戦で敗退。仕事中だったため、ライブ中継の観戦はできなかったのですが、実力通りの結果だったと思います。ベルギー代表が目覚める前に、日本代表が不意打ちを食らわせれば……と思っていたのですが、ベルギー代表のロベルト マルチネス監督の采配が素晴らしかったという印象です。

朝9時に仕事が終了。このまま寝てしまうと昼夜逆転となり、生活のリズムが崩れてつらくなるため、夜まで起きていようと決めていました。そこでオフィス兼自分の部屋から居間に行くと、すでに両親が起きていました。母は私に「日本、負けてしまったね」と掛けました。すると父が、こんな言葉をつぶやきました。

「ああ、俺にとってこれが最後のW杯になるのだな」

先日、がんだと診断された父は、その後、転移も見つかり、このままだと余命半年、抗がん剤で治療をしても1~2年というのは希望的観測だと、医者から告げられていました。父は、抗がん剤による治療を受けるか、迷っていました。父の姉は、抗がん剤治療で苦しい思いをしたため、自分も同じ目に遭うのは嫌なようです。

「東京五輪までは頑張りましょう」と言ってみたものの、これからは、こういうことが続くのでしょう。しかし、それと同時に、なんの疑いもなく「4年後」と口にできることは、とても幸せなことなのだ。そう気付けたことは、ポジティブに捉えたいと思ったのでした。

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※4年前の自撮りですが、髪の毛伸びましたね~。1人の人間にとって4年間は長いということです。

■素人なりにW杯を振り返る

日本代表戦は結局一度もライブ観戦できなかったのですが、それ以外の試合は結構TV観戦したので、印象的な試合を振り返りたいと思います。ちなみに私は、W杯開催前に、次のように予想をしていました。

https://twitter.com/sammy_sammy/status/1007132529197846528

「ロシアW杯が開幕するので予想をすると・・・。優勝はフランス、得点王はレヴァンドフスキ(ポーランド)、日本代表はベスト8。日本代表の監督解任劇は納得していないですが、短期的な視線で見れば、適切なプロセスと結果は別物。亜空間殺法が、日本代表に大いなる運を呼び寄せると期待しております」

ロシア代表 5-0 サウジアラビア代表

サウジはアジアの強豪ですが、ヨーロッパの中堅国であるロシアに、ボコボコにされてしまいました。ウラジーミル プーチン大統領が、サルマン王子とにこやかに握手をしているシーンが印象的でした。また、この試合を見て、アジア枠の重要性を感じました。“やられ役”がいるからこそ、スターが輝けるのです。

エジプト代表 0-1 ウルグアイ代表

ロシアとサウジの一戦は、開幕戦としては素晴らしい結果だったのですが、正直、レベルはいまいちだったなと感じていました。そうした中で行われたエジプトとウルグアイの一戦は、手に汗握る展開となりました。ロシアW杯で見たいと思っていたエジプト代表FWモハメド サラー選手が欠場したことは残念でしたが、ウルグアイ代表の両センターバック、ホセ マリア ヒメネス選手とディエゴ ゴディン選手が素晴らしかった。世界最高レベルのセンターバックは、こういうプレーをするのだなと、圧倒されました。

モロッコ代表 0-1 イラン代表

同組のポルトガル代表やスペイン代表と対戦する時は、両国とも守備的な布陣で臨むのだろうと思っていたのですが、イラン代表はモロッコ代表相手にも守備的な布陣で臨みました。グループリーグ突破を考えたら、どう考えても勝利が必要なはずなのに……。「水を張った洗面器の中に顔を付け、先に顔を上げたら負け」という勝負を見ているようでした。イラン代表は、溺死寸前でしたからね。

アルゼンチン代表 1-1 アイスランド代表

この試合で、スターが輝くためには“やられ役”が必要という考えを強めました。やはり、W杯にはもっとアジア枠が必要だと感じました。次回W杯から出場枠を48に増やすことを検討しているようですが、この試合を見れば、一目瞭然です。ヨーロッパの中堅国が本気で守備に徹すれば、バロンドールさえも輝くことはできないのです。

ドイツ代表 0-1 メキシコ代表
韓国代表 2-0 ドイツ代表

なんだかんだ言っても、最後に勝つのはドイツ代表だと思っていたのですが……。ドイツ代表は世界のお手本みたいなチームだと思っていたのですが、こういうこともあるのですね。長期的なビジョンで考えれば、ドイツ代表は着実に成長できていると思うのですが、長期的な成功と、W杯のような短期間の大会における成功は、必ずしもリンクしないということですね。日本代表とは真逆の状況と言えるでしょう。韓国代表は、ロシアW杯に出場したアジア勢の中で、最もインパクトを残したと思います。

ポーランド代表 1-2 セネガル代表

ポーランド代表FWロベルト レヴァンドフスキ選手は、ゴールを量産できると思っていたのですが、さっぱりでしたね。アルゼンチン代表のリネオル メッシ選手でさえ、あれだけ苦しんでいたのですから、当然といえば当然なのですが……。それはそうと、セネガル代表のアリウ シセ監督は、カッコイイですね。

フランス代表 4-3 アルゼンチン代表

私がフランス代表を優勝候補に挙げた理由は、セントラルMFの2人、ポール ポグバ選手とエンゴロ カンテ選手がいるからです。この両MFがいる限り、守備が崩れることはないと思っていたのですが……。アルゼンチン代表はアンヘル ディ マリア選手のゴールで前半のうちに追い付くと、後半早々にメッシ選手のアシストでガブリエル メルカド選手が逆転弾を挙げます。

ついにメッシ選手が復活かと思ったところで、フランス代表は両サイドバックが上がり、バンジャマン パバール選手がゴール。これは今大会のベストゴールではないでしょうか。さらに、19歳のキリアン エムバペ選手が躍動。フランス代表は、本当に優勝しそうですね。

スペイン代表 1-1(PK戦3-4)ロシア代表

他人が作ったチームを大会直前に引き継いだわけですから、スペイン代表のフェルナンド イエロ監督は不幸としか言いようがないですが、最後まで、どういう風に動かせばいいのか、分かっていない印象でした。結局、イラン代表に勝っただけ。そのイラン戦も、先制した後は押されっぱなしでしたから。それでも同じ条件であれば、スペイン代表が勝利を収められたと思いますが、日程を含め、コンディション面で明らかにロシア代表の方が有利でした。開催国は有利ですな。

スウェーデン代表 0-2 イングランド代表

イングランド代表はトッテナムの選手が中心となっていますが、これが功を奏しているように思います。イングランド代表の国際的なポジションは、マンチェスター・シティやチェルシーではなく、トッテナムですからね。トッテナムらしい戦い方やメンタリティーが、イングランドにピッタリ合ったという気がします。ガレス サウスゲート監督のチョッキは、おしゃれですね。