【奥田隆一郎の重賞の見解：弥生賞ディープインパクト記念編】

編集者（以下、編）　今週は土曜にオーシャンSとチューリップ賞、日曜にディープ記念が行われます。このコラムは日曜の重賞を対象とするため、ディープ記念の見解を聞かせてください。ディープ記念が行われる中山芝2000ｍのコース解説からお願いします。

奥田隆一郎（以下、奥）　了解です。中山芝2000ｍは最後の直線上にスタートがあり、内回りを使用するコーナー４回のコース。内回りで直線が短い小回りだけど、コースの高低差は大きい。芝2000ｍはスタート後に直線の急坂を上り、ゴール直前に同じ急坂をもう一度、上ることになるためタフなコースといえるね。

編　皐月賞も同じコースで行われますが、ディープ記念と傾向は変わりますか？

奥　連続開催の最終日に行われる皐月賞と、開催２週目のディープ記念は少し傾向が変わるよ。簡単にいうとディープ記念は開催が始まったばかりの馬場で出走頭数も少なくなるため先行馬が有利。また、キャリアの浅い馬が集まるため、中山芝コースの経験がある方が良く、中山芝2000ｍを勝ち上がった馬が優位に立てる。

編　なるほど。その他の競馬場からは、どのコースが直結しますか？

奥　直結コースの東京芝1800ｍの好走実績がディープ記念につながりやすい。近２年を確認すると、昨年は１着が東京芝1800ｍの新馬１着馬、２着が中山芝2000ｍのホープフルＳ２着馬。一昨年は１着が中山芝2000ｍの１勝クラス勝ち馬、２着が東京芝1800ｍのアイビーＳ勝ち馬。このようにディープ記念の連対馬すべてが好走条件に該当している。

編　本当ですね！それでは、傾向を踏まえて現時点の注目馬を教えて下さい。

奥　シュバルツクーゲルを推奨する。

編　シュバルツクーゲルは、中山芝2000ｍで新馬を勝ち上がりました。

奥　さらに直結コースの東京芝1800ｍで東スポ杯２歳Sを８人気２着に激走した。直結＋同コースの激走馬でコース適性が高く、最も直結する東京芝1800ｍで重賞を連対したことを高く評価する。

編　さきほどの好走条件に該当していますね。

奥　そうだね。また、東スポ杯２歳Sを２番手の先行策から好走しており、中山内回りコースで先行から抜け出しを警戒するよ。

編　わかりました。次に２頭目の推奨馬を教えてください。

奥　ダノンエアズロックを推奨する。

編　ダノンエアズロックは、東京芝1800ｍで新馬を勝利しました。

奥　最も直結する東京芝1800ｍを得意にしており、２戦目にリステッドレースのアイビーSを勝利した。ディープ記念に直結するコースを連勝した実績を評価する。

編　この馬も先行馬になります。

奥　どちらのレースも３角２番手から快勝しており、少頭数の重賞で好位を取って末脚を伸ばすことを期待する。コース適性の高さと有利な脚質で好勝負できるよ。