散歩の途中に一休みしようと、緑道脇の手摺りに腰を下ろしていました。
通りかかった男の子が楽しそうに川を見つめて一声。
「ザリガニがいるよー」
思わず屈んで、一緒に覗いてみました。
ここは世田谷区にある北沢川緑道で、環状7号線付近の風景です。なくなった小川を復興する事業として整備され、目黒川へと合流します。
幅30cm程の小川で、私にはあまり目に留まっていなかった場所。でも、目線を変えてみると、豊かな水辺の風景がありました。
ザリガニが紅い鋏を持ち上げ、泳いでいるメダカに振りかざし、その上でタニシのような貝はのんびり岩にくっついています。
水中では所々についた苔の鮮やかなグリーンが、石の茶やグレーと合わさり迷彩色ができています。
その上を水の流れが漂いながら動線を描き、刻一刻と移り変わる瞬間の美しい情景は、まさに光の画家と呼ばれたモネが描いた水辺の色合いと重なりました。
こんな身近にも同じ風景があったんだ。
緑道には桜やツツジなどが植えられ、四季を感じながら遊歩道を散歩すると気持ちいいです。
小川を覗く時は、腰を下ろして目線を下げ見つめてみて下さい。心地よい水音と涼しい風、そして紅いハサミが見えませんか?
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