果物や野菜など、旬のおいしい時期に買い込んでおいたはいいものの、ちょっと時間が経ちすぎて食べられなくなったことはありませんか。特に秋に旬を迎える食べものは多いので、消費しきれずに食べごろを過ぎてしまった食材に心あたりがあるのでは。
そんなケースが多いのが、柿です。よくあるのが、皮をむくのが面倒だと後回しにしていたら、いつの間にか熟れすぎていたというパターン。
そんな柿をただ捨ててしまうのはもったいないということで、おいしく食べられるメニューをご紹介します。
柿キムチ
作り方は簡単。柔らかくなった柿をキムチと混ぜるだけ。皮も手で自然にむけるぐらいドロドロになったものだと使いやすいです。
見た目は普通のキムチとほぼ変わらず、ちょっと汁気が多く見えるぐらい。食べるとフルーティーで、ほんのり甘みが加わってまろやか。強いて言うなら、スイートチリソースのような仕上がりです。
辛みが欲しい場合は一味唐辛子を加えたり、しょっぱくしたい場合はナンプラーなどを加えたりするといいかもしれません。ごま油を加えると、さらにごはんの進むおかずになります。
お好みで刻んだネギをのせてお召し上がりください。
柿すき焼き
柿をすき焼きに入れるというよりは、下味に使って風味を加えます。
すき焼きは割り下を作るときに大量の砂糖を使いますが、あまり健康に良くないので柿の甘さで代用。砂糖の減量に役立ちます。
作り方は、鍋に皮をむいた柿を入れ、酒と醤油で煮るだけ。ドロドロに溶けたら、あとは肉や野菜や豆腐などの具材を入れて完成です。
フルーツとごはんというと、あまり相性が良いとは思えないかもしれませんが、このメニューは思わずごはんが食べたくなります。自然な甘みが体に優しく、芯から温まるメニューなので、これからの寒い時期にもピッタリです。
柿は、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、栄養が豊富。風邪をひきやすいこれからの時期に、まさに相応しい食べものと言えます。
どちらのメニューも柿をたっぷり使うことで、より健康効果も得やすくなります。なかには熟れてジュクジュクになった柿が好きという方もいますが、苦手という方はこういったアレンジを加えて有効に使ってください。
レシピ・文/オガワチエコ料理研究家。ル・コルドン・ブルー、東京會舘クッキングスクールで料理と製菓を学ぶ。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)、『おにぎらずの本』(泰文堂)など。道具も調味料もない彼の家で、いかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。2015年9月11日には新刊『スティックオープンサンドの本』を出版。
Imge: 大崎えりや
(オガワチエコ)