神田では行列らしい「味仙」が出店していたのでチャレンジしてきました。
行政書士の露木幸彦と申します。
油そば風かと思いきや、並々のお汁。堰を切ったのように
あふれ出る体温と汗、そして止まらない咳。
お腹を壊してトイレに監禁状態、でも良い経験になりました。
さて、ここから本題です。
開業医の夫(五十嵐博正氏)と結婚し、何不自由ない生活を送っていた五十嵐裕子さん。
1人娘の綾香ちゃんをお受験(名門の私立小学校)させ、
順風満帆な結婚生活のように思えたのですが・・・
夫の不倫を問い詰めたことで事態は一変。
裕子さんは夫のクリニックから追い出され、役員報酬を止められたことに腹を立て
家を飛び出したのですが、夫は生活費を送って来ず、綾香ちゃんの学費を納めるのに
窮するほど追いつめられていたのです。
そして綾香ちゃんの同級生の小谷旬君の父親である
小谷翔太さんが見るに見かねて私のところに相談しに来たのですが、
今回はその続きです。
<登場人物(仮名)年齢は相談当時>
小谷翔太さん(42歳。会社員)⇒相談者
小谷楓さん(40歳。会社員)
小谷旬君(14歳。中学生。綾香ちゃんと同級生)
五十嵐裕子さん(39歳。医療事務)
五十嵐博正さん(46歳。開業医)
五十嵐綾香ちゃん(14歳。中学生。旬君と同級生)
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http://ameblo.jp/yukihiko55/
しかし、わずか1ヶ月分の生活費を手に入れただけで
満足するわけにはいきません。過去の言動を振り返れば、
夫はまた気分次第で生活費を止めてくる可能性が高く、
夫は金にものを言わせて、わがまま放題に振り舞うでしょう。
そして裕子さんが振込の停止を恐れて夫に対して言いたいことを
言えず、まるで奴隷のようにビクビクと怯えるようでは困ります。
夫の機嫌をうかがうことなく確実に生活費を回収できるように
したいのですが、どうすれば良いでしょうか?
今回の場合、「夫が妻に対して婚姻費用として毎月30万円を
再度同居する月もしくは離婚する月まで支払う」という約束を、
家庭裁判所(婚姻費用分担の調停)を通して書面化しておいたのが
功を奏しました。
裁判所が発行した書面(調書)があれば、約束した生活費が
期日までに支払われない場合、夫の財産を差し押さえて
未払い分を回収することが認められています。(民事執行法22条)
さらに12年前に判例の変更があり(平成17年12月6日、最高裁判決)
債務が婚姻費用の場合でも、「診療報酬」が差押の対象に
加えられることになりました。(クリニックが法人成りしていない場合)
クリニックは患者に診察や治療等を行うと、患者が国民健康保険の場合は
国民健康保険団体連合会、社会保険の場合は社会保険診療報酬支払基金に
対してレセプトを提出します。
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そうすると連合会や基金がクリニックに対して、レセプトに
記入した額の診療報酬を支払います。そこで裁判所は連合会や基金に対して
クリニックに診療報酬を支払う前に、妻(裕子さん)の口座に
未払い分を振り込むよう命じてくれます。(=債権差押命令)
いわゆる天引き状態を実現することが可能で、しかも1度、
差押の手続を踏めば、最終回(再度同居する月もしくは離婚する月)まで
自動的に天引きされてくるので非常に便利です。(民事執行法152条2)
あくまで裁判所と連合会や基金とのやり取りで、いわゆる天引きを
行うので、債務者(夫)は邪魔のしようがありません。
今回の場合、夫は翌月の生活費として30万円を振り込んだだけで、
過去6ヶ月の生活費は手つかずのままだったので、そのことを理由に、
すぐに差押の手続に踏み切ることが可能でした。
裕子さんは早速、債権差押命令の申立書を記入し、
必要書類を一緒に地方裁判所へ提出したところ、
裁判所はすぐにクリニックに対して差押命令の通知書を
送付してくれたのです。
役員報酬の差押を例に挙げると、医療法人は代表取締役で
ある夫に対して役員報酬を支払っていますが、
裁判所はクリニックに対して、夫に役員報酬を支払う前に、
妻(裕子さん)の口座に未払い分を振り込むよう命じてくれます。(=債権差押命令)
いわゆる天引き状態を実現することが可能で、しかも1度、
差押の手続を踏めば、最終回(再度同居する月もしくは離婚する月)まで
自動的に天引きされてくるので非常に便利です。(民事執行法152条2)
差押の手続が無事に済めば、裕子さんも一安心です。今回の場合、
夫は翌月の生活費として30万円を振り込んだだけで、
過去6ヶ月の生活費は手つかずのままだったので、
そのことを理由に、すぐに差押の手続に踏み切ることが可能でした。
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裕子さんは早速、債権差押命令の申立書を記入し、必要書類を
一緒に地方裁判所へ提出したところ、裁判所はすぐに
夫および医療法人に対して差押命令の通知書を送付して
くれたのですが…
医療法人が裁判所に対して回答書を返送してきたのです。
回答書のなかには「昨年度の代表取締役の役員報酬は年120万円」と
書かれていたのです。
裕子さんは「月120万円」の間違いかと思ってのですが、
確かに「年120万円」と書かれており、毎月10万円しか
債務者(妻)の口座に振り込めないことを示唆していたのです。
つまり、夫は昨年のうちに役員報酬を意図的に減らし、
先回りして差押の対策を講じていたのは明らかでした。
「給料は少なくとも3,000万円はもらっていたはず?!」
裕子さんがクリニックの会計を担当していた当時、
決算書を目にする機会もあり、まだ数字を覚えていたそう。
急に患者が減ったり、売上が下がったりした様子もないのに、
おかしな話です。
もちろん、結婚から別居までの間、毎年3,000万円近い給料を
受け取っており、すべて使い果たしたとは考えにくいので、
今でも相当な金額を貯めこんでおり、「どこかに」こっそりと
隠しているのでしょうが、いかんせん、夫は用意周到な性格です。
同居時、裕子さんが把握していた夫名義の口座は、
すでに解約され、別の口座に残高を移し終わっている可能性が
極めて高いでしょう。口座の残高も差押不可では、
もはや打つ手なしで一見、絶望的のように思えますが、
結局、夫に屈するしかないのでしょうか?
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(次回に続く)
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