まだ5月なのに初夏のような陽気ですね。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。
寒いのか暑いのか、ハッキリして欲しいですし
いつになったら春服を着れるなんだろうと
天気予報と1日中にらめっこですね。
さて、ここから本題です。
開業医の夫(五十嵐博正氏)と結婚し、何不自由ない生活を送っていた五十嵐裕子さん。
1人娘の綾香ちゃんをお受験(名門の私立小学校)させ、
順風満帆な結婚生活のように思えたのですが・・・
夫の不倫を問い詰めたことで事態は一変。
裕子さんは夫のクリニックから追い出され、役員報酬を止められたことに腹を立て
家を飛び出したのですが、夫は生活費を送って来ず、綾香ちゃんの学費を納めるのに
窮するほど追いつめられていたのです。
そして綾香ちゃんの同級生の小谷旬君の父親である
小谷翔太さんが見るに見かねて私のところに相談しに来たのですが、
今回はその続きです。
<登場人物(仮名)年齢は相談当時>
小谷翔太さん(42歳。会社員)⇒相談者
小谷楓さん(40歳。会社員)
小谷旬君(14歳。中学生。綾香ちゃんと同級生)
五十嵐裕子さん(39歳。医療事務)
五十嵐博正さん(46歳。開業医)
五十嵐綾香ちゃん(14歳。中学生。旬君と同級生)
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裕子さんはやむを得ず、家庭裁判所に駆け込み、
婚姻費用(=別居中の生活費)分担の調停を申し立て、
裁判所で「夫が妻に対して婚姻費用として毎月30万円を
再度同居する月もしくは離婚する月まで支払うこと」と
決めてもらったのです。
裕子さんは「裁判所で決まったのだから、これで安心」と
思っており、最初の7ヶ月間、夫は毎月30万円を振り込んで
きたのですが、8ヶ月目に振込が止まってしまったのです。
これは授業参観か遡ること、6ヶ月前のことでした。
裕子さんは別の病院で医療事務の仕事をしているのですが、
毎月の手取は21万円。家賃や生活費を除くと、
ほとんど余裕はなく、夫からの生活費なしに
中学の授業料を支払うことは難しい状況です。
このままでは学費滞納で中途退学せざるを得ません。
前述の通り、裕子さん夫婦は娘さんに大学付属の私立幼稚園を
受験させたのですが、正直なところ、当時から夫は
必ずしも乗り気ではなかったそう。
「公立でいいだろう。俺もそうだったんだから」と。
それでも裕子さんが「娘のため」と言い、
少し強引に押し通したという経緯があるそうで、
夫はそのことを踏まえた上で「だから言ったじゃないか!」と
逆上したのです。
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まるで娘さんがどうなろうと知らぬ存ぜぬという感じで、
生活費の支払を再開する素振りもないまま、
支払停止から6ヶ月が経過しようとしていたのです。
翔太さん夫婦が裕子さんの代わりに
私のところへ相談しに来たのは、そんな矢先でした。
裕子さんは憔悴しきっていて第三者と話すことが
できるような精神状態ではなく、また翔太さんも
裕子さんにどんな言葉をかけて良いか分からず、
私に助けを求めてきたのです。
もし、せっかく幼稚園を受験し、合格したのに親の都合
(学費未払い)で公立の学校への転校を余儀なくされたら、
娘さんはどうなるでしょうか?
娘さんは「いくら頑張っても見えない力が働いて努力が無駄になる」と
思えば、今後の人格形成に悪影響を与えるでしょう。
しかも、今まで通い慣れた学校、仲良くなった先生や友達、
顔見知りになった通学路の人たちを失うのだから当然のことです。
さらに転校先の学校で偏見の目で見られ、差別の対象になり、
いじめに遭うことが予想されるので、裕子さんは夫に対して
「子供のため」という点を前面に出して生活費の支払を
求めたのですが、残念ながら前述の通り、裏目に出たのです。
そこで私は「子供のため」ではなく「自分(夫)のため」と
いう点を強調した方が良いのではないかと知恵を授けました。
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医者の大半はプライドが高いのですが、
「反対を押し切って受験させたこと」を今でも
根に持っていることから、裕子さんの夫も同じくです。
だからこそ、話をまとめるときも『プライドの高さ』に
焦点を当てるのが大事です。
「〇〇ちゃんは学費を払えなくて学校を辞めたらしいよ」
そんなふうに学校や近所、親戚中で噂を立てられたら、
夫のプライドはどうなるでしょうか?
「開業医で十二分にお金を持っているのに娘の学費を滞納し、
中途退学に追い込んだ最低最悪な父親」と醜聞されるのは
夫にとって耐え難い屈辱でしょう。
今回の件を言いふらされたくなければ月30万円を
支払って欲しいという具合に生活費の再開は
「子どものため」だけでなく「自分(夫)のため」と
いう切り口で説得した方が得策だろうと言い添えました。
そして私の話は翔太さんから裕子さんへ伝えてもらったのです。
そして裕子さんが私の助言を行動に移したところ、
6ヶ月ぶりにようやく30万円が裕子さんの口座に振り込まれてきたのです。
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