北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
ら〜めん盛運亭@白金高輪「ラーメン」
■新連載:侃々諤々!
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「広島汁無し担担麺が三度目の東京進出」山本剛志
「ら~マニア共和国 レビュー増刊19号」で、広島汁無し担担麺をレビューしたが、その中の「キング軒」が5月下旬、東京の芝公園に出店することが、同店の公式facebookで発表されていた。同店にとっては初の東京進出だが、広島汁無し担担麺は過去に二度、東京に進出している。
2010年4月に吉祥寺で開店した「麻辣商人」は、広島でブーム以前から汁無し担担麺を提供してきた店。しかし、繁華街にあったこの店は8ヶ月でつけ麺専門店にリニューアルされてしまった。2013年3月、やはり「麻辣商人」に勤めていた方が、西早稲田の早稲田通り沿いに「廣島どらごん」を開店させたが、こちらも1年足らずで閉店してしまった。2015年は、元日に開店した「湯島ひよこ堂」とあわせ、広島汁無し担担麺が東京に登場した三度目の年になる。
中華料理店と異なる、専門店としての「広島汁無し担担麺」は東京に定着するかどうか。私には懸念と期待の両方が入り混じる。懸念は、汁無しで辛いという特徴が、昨年大ブレイクした「台湾まぜそば」と重なる部分が多い事。比較すれば見た目も地味であり、インスパイア店があちこちにできたり、大手チェーンが手がけてくる事は予想しづらい。
その一方で期待したい点もある。広島汁無し担担麺は、主に広島市の中心部、オフィス街で急激に増えている。ボリューム控えめでも食べごたえのある辛い麺は、眠気覚ましにもなるので、午後からも仕事するビジネスマンにマッチした食べ物なのかもしれない。かつて東京進出した際の吉祥寺は繁華街、西早稲田は学生街と言える場所だが、芝公園はオフィス街の要素が強い。ここで定着すれば、他の店の東京進出や、インスパイアされた店ももう少し増えるのではないかと、期待を込めて予想したいと思う。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は2月27日にオープンした、らーめん颯人の「しょうゆらーめん」を山路と山本が食べて、語ります。
「しょうゆらーめん」720円(+比内地鶏の味玉 150円)