222440c77d20226e4c8b50822bfb7e50998668a7
北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#136

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2017年7月10日発行(月3回)7月第1号(通刊 第137号)

【目次】

■巻頭コラム
 『油そばはラーメンなのか』(北島秀一)

□クロスレビュー「必食の一杯」
  中華蕎麦 時雨@伊勢佐木長者町「中華蕎麦」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  支那そばや 新横浜ラーメン博物館店@新横浜「醤油らぁ麺」

【山路力也】
  とり処 茶介@三軒茶屋「濃厚鶏骨醤油そば(豆腐麺)」
  Oriental Kitchen ごまだら@小川町「ごまだら汁なし麺」
  炭火七輪 煖 大塚店@新大塚「とんこつラーメン」
  香噴噴 東京木場@木場「成都担担麺」
  ぬんぽこ@天神橋筋六丁目「ちゃんぽん」
  祗園 膳ぜん@祗園四条「祗園ブラックラーメン」
  IPPUDO RAMEN EXPRESS マリノアシティ福岡@姪浜「博多流とんこつラーメン」

【山本剛志】
  麺屋武蔵芝浦店@田町「玉露冷やし麺」
  THANK@大門「冷やしグリーンカレー麺」
  いそべ@矢口渡「白旨特製ワンタン麺+切り落としチャーシュー」
  いろはや@阿佐ヶ谷「らーめん」
  たけちゃんにぼしらーめん@調布「らーめん(手揉み麺)」
  天国屋@成瀬「鶏白醤油麺」
  来来亭@溝の口「ラーメン」

□拉麺人インタビュー 
 於保貴久 <モヒカンらーめん 店主>①
 『オートバイで生きていきたかった』(聞き手:山路力也)

■連載コラム(第38回)
 『ラーメンの憂鬱』〜プロとしての段取り(山路力也)
 『教養としてのラーメン』〜食べ手が感じる美味しさとは何か~(山本剛志)

□告知/スケジュール

■編集後記


■巻頭コラム
『油そばはラーメンなのか』北島秀一

 「油そばはラーメンか」と言う問いに対する私の回答は単純明快、「もちろんラーメン(のバリエーション)である」だ。自分の中では同様につけ麺もまた疑う事なくラーメンの一種である。

 理由は、我が国が誇るべき先行する麺文化の「蕎麦・うどん」がそうだから、である。蕎麦・うどんとラーメンを比較するなら、「かけ」及びその種物が「ラーメン」にあたり、「ざる・もり」と種物が「つけ麺」となる。そして「ぶっかけ、釜揚げ、おろしそば、醤油うどん」などが「まぜそば・油そば」ジャンルに対応する。これらは一般的にすべて蕎麦うどんと認識されている以上、ラーメン……と言うか中華麺に限ってわざわざ細かく敷居を立てる必要はないだろうと思う。

 この考え方の基本は二つだ。一つは、当然ながら蕎麦・うどん・中華麺など同じ麺を使っているからこそ同ジャンルだと言う事。そして、もう一つは、味付けの基本となるスープ、つゆ、タレなどが共通している(あるいはアレンジの範囲内に収まっている)と言う事だ。なので、同じ中華麺を使っていても、味付けがソースになる「焼きそば」は個人的にはラーメンの範疇ではないと思っている(ラーメンにも「せたが屋 雲」や船橋ソースラーメンがあるではないかと言う話はややこしくなるのでここでは置いておく)。

 もともと山岸マスターの特製もりそばにせよ、珍珍亭の油そばにせよ、おおもとがラーメンのアレンジから発祥している事は論を待たない。それも含めて私の中では完全に「油そば(及びつけ麺)はラーメンである」のである。

 個人的にはむしろラーメンそのものの定義の方が曖昧模糊として未だに結論が出ていない。だいぶ前なら「麺にかん水が入っていればラーメン」「ダシに動物系があればラーメン」とも言えたが、最近はそれも断言しにくくなっている。また「沖縄そば、長崎ちゃんぽんはラーメンか」の命題も議論が分かれる事であろう。(ラーマガ007号より転載)


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は今年4月にオープンした新店「中華蕎麦 時雨」の「中華蕎麦」を山路と山本が食べて、語ります。

a376521c6bf1519f8f9ba7dc2a2f8a46e912daf6
中華蕎麦 時雨@伊勢佐木長者町
「中華蕎麦」780円