もうすぐ12月ですね。師走ですよ。しわす。

先生も走るですよ。

今回は現代SF映画の先生、もとい教科書的な映画…と、つかみが強引ですね。


ブレードランナー

監督:リドリー・スコット 原作:フィリップ・K・ディック

出演:ハリソン・フォード ルドガー・ハウワー ショーン・ヤング

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2019年の地球。地球人は宇宙へ進出し、先天的な疾患などが原因で残された人々は高層ビルの林立する都市に住んでいた。休みなく雨が降っているロサンゼルスでは東洋系を始めとして、さまざまな人々がうごめいていた。屋台のウドンなんか食べて暮らすデッカード(ハリソン・フォード)は、ブレードランナーをリタイアしていたが、ガフと名乗る男に警察の本署へ連れてこられる。そこで彼は元上司のブライアントに、ネクサス6型のレプリカント5名が火星のシャトルを強奪して地球に侵入したので、彼らを見つけ出し、処刑するようにと命じられる…… 

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ロサンゼルスに「強力わかもと」の電光看板

レプリカントとは、遺伝子工学の新技術によって生産された人造人間で、宇宙探索や植民地惑星での危険な労働に従事し、あらかじめ4年という死期もセットされている。ブレードランナーはレプカリントの犯罪や叛逆にそなえ、彼らを識別し抹殺する刑事のことで、デッカードはなかでも一流だったんですが人間とそっくりなレプリカントを「殺す」ことに疑問を持ってしまいやめちゃうんですね。


 で、自炊もせんと屋台のスシとかうどんなんか食ってると。

ヒマなんでお腹空くんでしょうか?

「4つくれ」

「4つ」と魚がのったライスボウルを4つ食おうとして

「2つでじゅうぶんですよ」「わかってくださいよ」


屋台のおっさんに「2つでじゅうぶんですよ」とたしなめられます。
どんぶりに魚が丸ごと乗ったの4つも食えん。
メシ食ってると屋台に警察の先輩からの呼び出しが

「もう一回やらんか。やらんのか」

 

しぶしぶ、ブレードランナーに復帰した彼はレプカリント製造の最大手タイレル社に行き、そこでタイレル博士と謎の美女レイチェル(ショーン・ヤング)に出合う。彼はレイチェルをテストし、彼女がレプカリントであることを知る。彼女自身も、それを薄々悟りつつあった。次第に感情をもち始めたレイチェルは、自身がレプリカントであることに葛藤を抱き……

デカードとレイチェルは
人間とレプリカントなのにデキちゃうんですね〜

レプリカントといっても慰安用のサクセロイドもあるくらいですから
ホントに人間と変わらないので「人間」とは何なのか…と。
デカードはオレも実はレプリカントなんじゃね?と思ったりして…。


火星から逃亡したレプリカントをなんとか倒し、
あと1体、リーチ。と、追い詰めたつもりが逆に追い込まれるデカード。
人間凶器のようなレプリカント・バッティと対峙しますが…

 



ボコボコにされます。アシモフの「ロボット三原則」なんてカンケ―ねえ。

しかし、そのあと、

SF映画史上屈指の
泣ける結末が。。。

あとは本編を見てのお楽しみということで…


この映画、まずに圧倒されるのがこのヴィジュアルです。
1982年制作のこの映画、基本CGはあまり使われていないんです。
セットやミニュチュアと画像合成によってつくられた特撮映画の金字塔とも言えますね。


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未来の高層ビル群に猥雑な東洋的な街が混在するイメージは
監督のリドリーさんが日本の新宿・歌舞伎町や川崎の工業地帯の工場を訪れて
インスパイヤされたとか。
本来明るくて夢にあふれているべきである未来の世界を
レトロチックで退廃的に描いた初めての映画といえるでしょう。
(好景気でバブルな時代の中での反動でしょうか)


そして人間とアンドロイドの境界に迫る哲学的なテーマ

「我々はどこから来てどこへ行くのか」

をSF風味にあつかっているところが当時新しかったんですね。
そう。今見るとどっかで見たことが…と既視感なのですが
それは最近20年くらいのアニメ、映画、ゲームにパクられまくったということなんです。
80年代はおろか90年から現代にいたるまで30年以上様々なクリエイターを魅了し、
影響を与え続けているわけですね。
80年代当時、SF系のコンテンツにおいてその影響をうけなかったものは皆無といえます。
90年代のスチームパンクの元祖ともいえます。

ホントにこの映画いろんな作品の元ネタ、オマージュ先になってまして。
押井守さんの「攻殻機動隊」とかターミネータやマトリックス、言っちゃうとサイコパスとか…もうね、「ブレードランナー」の世界観をベースに作られてるんじゃないかと。

実際の東京の街や都市なんかも映画の世界に寄せて作ったんじゃね?
と思う時がしばしばあるんですよね。




そんな時はデッカード気取りでウドンを食う。

「2つでじゅうぶんですよ」

ぜひ一度鑑賞されることをおススメです!

原作はフィリップ・K・ディックのSF小説
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』なのですが
かなりアレンジされてます。

小説では主人公のデカードは人造の羊を飼っていて
いつかは本物の羊を飼いたいと仕事に精を出す
さえない中年に描かれています。

映画と小説の違うところ探しをしても面白いですね。

以上、更新締切ぶっちぎってしまったネクサス6型へんしうちょが
お送りしました「おすすめの何か」でした。

次回は年明け東京から離れるらしい「む」がお届けします。

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 これは「む」ではありません。


【へんしゅうちょ】

PHP研究所 PHP-COMIXの編集長。社風にそぐわぬ異色の企画をプロデュースし続ける45歳。尊敬する漫画家は、藤子F不二雄。好きな映画はゾンビもの。8月で2歳になった娘の身体能力の高さにレプリカントではないかと思う今日この頃。うどんよりソバ派。



◎バックナンバー

【第0回】 ごあいさつ
【第1回】『鳥海浩輔・安元洋貴の禁断生ラジオ本』
【第2回】 九井諒子さんの作品集×3作品
【第3回】『ヨルムンガンド』『乙嫁語り』『小南正太郎、家から出るをはじめました。』
【第4回】 へんしゅうちょの机
【第5回】『風の谷のナウシカ』
【第6回】『ここはグリーン・ウッド』
【第7回】『ワカコ酒』
【第8回】『ピンポン』
【第9回】『銭ゲバ』
【第10回】『ペルソナ3・4』
【第11回】『11人いる!』
【第12回】『All You Need Is Kill』
【第13回】『虹の娘』
【第14回】『ペルソナ3・4 その2』
【第15回】『夏と花火と私の死体』
【第16回】『3D彼女‐リアルガール‐』『ノーゲーム・ノーライフ』『君と僕。』
【第17回】『Play Dead』『CARGO』
【第18回】『スペース☆ダンディ』
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【第20回】『白アリッッ!』『Alicemare』『Alice in musicland』
【第21回】『思い出のマーニー』
【第22回】『きのう、何食べた?』
【第23回】『先生と僕~夏目漱石を囲む人々~』
【第24回】『人類は衰退しました』
【第25回】『さよならソルシエ』
第26回】『GANGSTA.

【第27回】『だがしかし』
【第28回】『天使な小生意気』