もう秋ですね。
前回のKからの流れですが
みなさん、秋を満喫してますか~?
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、アンジェラ・アキ。
いろいろありますが、今回は「芸術の秋」に
ふさわしい1冊をおすすめしたいと思います!
さよならソルシエ 全2巻
著:穂積 小学館
19世紀末、パリ。のちに天才画家と評されることになる画家ゴッホを兄に持つ、天才画商テオドルスの、知られざる奇跡の軌跡。生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では『炎の画家』として世界的に有名になったのか…。その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった!兄弟の絆、確執、そしてそこにやどった宿命をも描く!
この作品、主人公は画家のゴッホとその弟です。
まずもってこの弟・テオドルス・ファン・ゴッホがめちゃめちゃクールでかっこいい。
パリの名門画郎グーピル商会の支店長である彼は上役が来る予定なのに
画廊をほっぽって散歩をかましたりして自由奔放な感じ。
リベルゥテゥワ~。
けど、しっかり仕事はこなし絵の売上は上げてる。デキる奴!
形式と権威でガチガチな美術の世界を破壊し新たな芸術を芽吹かせようとする
このチョイ悪出来杉のもとには当時の才能ある作家が集まるんですね。
パリの娼婦を描き続けたロートレックとか出て来ます。
エッチなのび太? ロートレックさん
そして、兄であるフィンセントをパリに呼びます。
画家のほうの兄ゴッホは天衣無縫な天然なキャラですが、
描いた絵は見たものに言いようのない未知の感動を与えるのです。
弟はまだ誰も気づいていない兄の才能見抜きそれを世に広めようと画策します。
天才画商と天才画家がタッグを組み無敵じゃんよ!と思いきや
弟テオドルスの心に眠っていた深い闇が顔を覗かせます。
自分だけが知ってる才能に嫉妬にちかい思いをもってしまうのです。
本当は、
画家になりたかった
うわーーーーーーん
テオ(ドルス)切なひ。。。
仕事ができても女にモテてても「絵を描く才能」がほしかったんですね。
そしてそれを兄が目いっぱい持っていると。
それをいつもかばっていたと。
人は皆、自分に 無いものに限ってそれを欲しがり、
手に入らないところに苦しみが生まれるんですね~
そして、2巻ではいよいよフィンセント兄ちゃんの個展が開かれる運びとなり
さあ、オレたちの朝が開けるぜとドヤドヤなところから
思わぬ展開で一気にラストまで畳み掛けます。
タイトルの「ソルシエ」は「魔法使い」という意味なのですが
「いいもん読ませてもろたゎ」
と思うことうけあいでございます。
2013年「このマンガがすごい!」オンナ編で2位
2014年、この作品で1位に輝きました。
実在の人物たちとはかけ離れておりまして、
しかし史実に忠実かどうかとかは野暮な話ですね。
BLの同人などでよく見かける、多くの人に知られてる人物を大胆にアレンジして
再構成する手法をこのように昇華させた先生の才能に驚きと称賛を送りたいと思います!
ブラヴォ!
フォズ!
おすすめの作品です。
以上、
「本当は漫画家になりたかった。」へんしゅうちょが
お送りしました。
次回は最近、プライベートで衝撃的な発表をかまして
編集部内を真っ白にさせた「む」が
おすすめな「何か」をご紹介します!
【へんしゅうちょ】
PHP研究所 PHP-COMIXの編集長。社風にそぐわぬ異色の企画をプロデュースし続ける45歳。尊敬する漫画家は、藤子F不二雄。好きな映画はゾンビもの。8月で2歳になった娘をマーニーな一児のパパ。来月に親知らずの抜歯を控え、現代の歯科医療技術を信じたい今日この頃。
◎バックナンバー
【第0回】 ごあいさつ
【第1回】『鳥海浩輔・安元洋貴の禁断生ラジオ本』
【第2回】 九井諒子さんの作品集×3作品
【第3回】『ヨルムンガンド』『乙嫁語り』『小南正太郎、家から出るをはじめました。』
【第4回】 へんしゅうちょの机
【第5回】『風の谷のナウシカ』
【第6回】『ここはグリーン・ウッド』
【第7回】『ワカコ酒』
【第8回】『ピンポン』
【第9回】『銭ゲバ』
【第10回】『ペルソナ3・4』
【第11回】『11人いる!』
【第12回】『All You Need Is Kill』
【第13回】『虹の娘』
【第14回】『ペルソナ3・4 その2』
【第15回】『夏と花火と私の死体』
【第16回】『3D彼女‐リアルガール‐』『ノーゲーム・ノーライフ』『君と僕。』
【第17回】『Play Dead』『CARGO』
【第18回】『スペース☆ダンディ』
【第19回】『幽★遊★白書』
【第20回】『白アリッッ!』『Alicemare』『Alice in musicland』
【第21回】『思い出のマーニー』
【第22回】『きのう、何食べた?』
【第23回】『先生と僕~夏目漱石を囲む人々~』
【第24回】『人類は衰退しました』
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