年明けて、株式市場、原油を中心とした商品市場は容赦ない下落圧力にさらされ、為替市場もリスクオフの動きを余儀なくされましたが、3月に入り、限定的ではありますが、徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。
一時、1バーレル30ドルを割ったWTI原油相場も先週後半には39ドルの高値に反発する場面あり、日経平均株価も17000円台に反発。
一方、足元のドル円相場は、110円~115円の範囲、更には、もう少し狭い範囲112.5円~114.50円のボックスにすっぽりと入っています。
ドル円相場の、このエネルギー不足ぶりは、株の反発にも限界があるのでは?と感じさせます。楽観的な部分を探せば、上値トライの115円台は重いものの、下値はやや切り上げつつ動いていることでしょうか。
何があれば、ドル円の115円をブレ―クしていくのか?
先週行われた欧州中銀金融政策決定会合では、市場予想以上の思い切った金融緩和策が出されたものの、ドラギ総裁会見の内容が、今後の緩和に関して「打ち 止め」と解釈され、直後はネガテイブ反応となりました。その後、内容を評価見直す動きも出ていますが、今のところ限定的です。
また、15日の日銀政策決定会合は、ご存知の通り、変更なし追加緩和なし。そのうえ、経済、物価見通しは下方修正されたこともあり、市場は失望売りとな りました。黒田日銀総裁は、今後のマイナス金利幅の拡大、何かあれば追加緩和すると言及はしているものの、金融緩和自体への反応がそもそも薄れてきていま すし、金融政策への期待、中央銀行への信頼が低下してきている感があります。
そんな中で、3月の先進国の中央銀行政策決定会合アンカー米国のFOMCの結果が、日本時間17日午前3時に発表されます。
直近の事前予想は、変更なし。ブルーンバーグ社調査によると、事前調査に回答したエコノミストの198人予想のうち2人は0.75への利上げ予想をして いるものの、残りの大半が0.5%の現状維持予想。今のところ、利上げは6月に行われ、年内もう一度利上げが行われるかどうか、辺りが多く聞かれます。ま た、今後の利上げペースを占う上で参考になるのが、FOMC終了後に発表されるFF金利(政策金利)見通しで、今回最も注目されるポイントとなると思いま す。
金融政策では、ドル円相場でいえば115円の上値をブレークするようなリスクオンへの大きな動きは期待できなさそうな相場ですが、ここへ来て来年の日本の消費税10%への増税が再度延期されるのではないかという話が出てきました。
今朝、初会合が行われた日本政府による国際金融経済分析会議で、米国の大学教授も延期と財政刺激策を提言したと伝わりました。また、日銀岩田副総裁も前 回の8%の増税の影響を過小評価していたとの発言もあり、消費増税延期、財政支出への関心が高まってきたようにも見られます。
安倍首相は、「リーマンショックや東日本大震災のような事態が起きない限り、増税を行う」という趣旨の発言はしていますが、10%という具体的数字はあ げていなかったと思います。今年は、選挙の年でもありますので、消費増税延期の是非を切り札に衆参選挙にうってでる可能性もありそうです。
2014年は10月黒田第二弾、11月増税延期でした。米国経済状況等の要因も含めて、その後、ドル円相場は120円台へと上昇していきましたが、今回、もし延期というカードが切られたら、どう反応するでしょうか。
円安、株高への直後の反応は予想されますが、前回に比較すると限られたものになる可能性が高いように思います。日本の状況だけでなく、世界的な状況にも よりますが、特にドル円上昇相場の相場自体が若くなくなってしまった(エネルギー不足や相場の周期)こともあると思います。また、他方で、日本の財政問題 や日銀の国債買いの増加による中央銀行の負担過剰も取りざたされるのではないかと想像します。
今年の第1四半期末、日本の期末も控えていることもあり、当面のドル円相場は、狭いレンジ内での動きが続く可能性が高いと見ています。
さて、月初来の主要通貨の対ドル相場で目につくのは、ブラジルレアルの反発です。対米ドルでも6.6%、年初来でも5%以上の上昇を見せました。株価も戻しています。
昨年から引き続き、大きく売られたレアルがここへ来て反発した背景には、世界的にリスクオフが沈静化してきて、商品市場も戻してきていることに加えて、ブラジルの政権交代への期待が高まってきていることもあるでしょう。
ただ、この政権交代の動きもスムースに行くかどうか、国内では反発した勢力による動きもあるようです。本格的に相場が反発するのかどうか、慎重に見ていく必要がありそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
寒暖の差、そして、スギ花粉の飛散拡大。投資にも健康にもご自愛のほど。
*3月16日13時執筆
本号の情報は、主に3月16日の東京市場前場終値水準のレートを参考引用しています。なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
一時、1バーレル30ドルを割ったWTI原油相場も先週後半には39ドルの高値に反発する場面あり、日経平均株価も17000円台に反発。
一方、足元のドル円相場は、110円~115円の範囲、更には、もう少し狭い範囲112.5円~114.50円のボックスにすっぽりと入っています。
ドル円相場の、このエネルギー不足ぶりは、株の反発にも限界があるのでは?と感じさせます。楽観的な部分を探せば、上値トライの115円台は重いものの、下値はやや切り上げつつ動いていることでしょうか。
何があれば、ドル円の115円をブレ―クしていくのか?
先週行われた欧州中銀金融政策決定会合では、市場予想以上の思い切った金融緩和策が出されたものの、ドラギ総裁会見の内容が、今後の緩和に関して「打ち 止め」と解釈され、直後はネガテイブ反応となりました。その後、内容を評価見直す動きも出ていますが、今のところ限定的です。
また、15日の日銀政策決定会合は、ご存知の通り、変更なし追加緩和なし。そのうえ、経済、物価見通しは下方修正されたこともあり、市場は失望売りとな りました。黒田日銀総裁は、今後のマイナス金利幅の拡大、何かあれば追加緩和すると言及はしているものの、金融緩和自体への反応がそもそも薄れてきていま すし、金融政策への期待、中央銀行への信頼が低下してきている感があります。
そんな中で、3月の先進国の中央銀行政策決定会合アンカー米国のFOMCの結果が、日本時間17日午前3時に発表されます。
直近の事前予想は、変更なし。ブルーンバーグ社調査によると、事前調査に回答したエコノミストの198人予想のうち2人は0.75への利上げ予想をして いるものの、残りの大半が0.5%の現状維持予想。今のところ、利上げは6月に行われ、年内もう一度利上げが行われるかどうか、辺りが多く聞かれます。ま た、今後の利上げペースを占う上で参考になるのが、FOMC終了後に発表されるFF金利(政策金利)見通しで、今回最も注目されるポイントとなると思いま す。
金融政策では、ドル円相場でいえば115円の上値をブレークするようなリスクオンへの大きな動きは期待できなさそうな相場ですが、ここへ来て来年の日本の消費税10%への増税が再度延期されるのではないかという話が出てきました。
今朝、初会合が行われた日本政府による国際金融経済分析会議で、米国の大学教授も延期と財政刺激策を提言したと伝わりました。また、日銀岩田副総裁も前 回の8%の増税の影響を過小評価していたとの発言もあり、消費増税延期、財政支出への関心が高まってきたようにも見られます。
安倍首相は、「リーマンショックや東日本大震災のような事態が起きない限り、増税を行う」という趣旨の発言はしていますが、10%という具体的数字はあ げていなかったと思います。今年は、選挙の年でもありますので、消費増税延期の是非を切り札に衆参選挙にうってでる可能性もありそうです。
2014年は10月黒田第二弾、11月増税延期でした。米国経済状況等の要因も含めて、その後、ドル円相場は120円台へと上昇していきましたが、今回、もし延期というカードが切られたら、どう反応するでしょうか。
円安、株高への直後の反応は予想されますが、前回に比較すると限られたものになる可能性が高いように思います。日本の状況だけでなく、世界的な状況にも よりますが、特にドル円上昇相場の相場自体が若くなくなってしまった(エネルギー不足や相場の周期)こともあると思います。また、他方で、日本の財政問題 や日銀の国債買いの増加による中央銀行の負担過剰も取りざたされるのではないかと想像します。
今年の第1四半期末、日本の期末も控えていることもあり、当面のドル円相場は、狭いレンジ内での動きが続く可能性が高いと見ています。
さて、月初来の主要通貨の対ドル相場で目につくのは、ブラジルレアルの反発です。対米ドルでも6.6%、年初来でも5%以上の上昇を見せました。株価も戻しています。
昨年から引き続き、大きく売られたレアルがここへ来て反発した背景には、世界的にリスクオフが沈静化してきて、商品市場も戻してきていることに加えて、ブラジルの政権交代への期待が高まってきていることもあるでしょう。
ただ、この政権交代の動きもスムースに行くかどうか、国内では反発した勢力による動きもあるようです。本格的に相場が反発するのかどうか、慎重に見ていく必要がありそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
寒暖の差、そして、スギ花粉の飛散拡大。投資にも健康にもご自愛のほど。
*3月16日13時執筆
本号の情報は、主に3月16日の東京市場前場終値水準のレートを参考引用しています。なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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