謹賀新年
明けまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新年のおとそ気分、虚を突かれた形で荒々しい相場で初商いが始まりました。
三日目の本日は、人民元安に加えて、北朝鮮の水爆実験実施の報道もあり、リスクオフの流れが続いています。
今年早々のリスクオフの背景は、中東と中国という二つの「中」ではありますが、昨年後半からの世界的な市場の閉そく感もあるように思います。
中東に関しては、サウジアラビアとイランの対立は、いわゆる地政学的リスクと呼ばれるものですが、原油との絡みでも注目されますし、また米国とこれら二 つの国との関係も注目されるところです(米国政権は任期満了間近でもあり、政治力の低下を見せつけるだけかもしれませんが)。
中東リスク以上に、市場に大きな影響を与えたのは中国ショックです。
まさか新年初日に来るとは!びっくり度は、昨年8月の夏休み、お盆シーズンの中国人民元切り下げショックと似ています。改めて、どんな時も油断大敵を学び直します。
人民元相場は、昨年初は対ドル6.2220水準から始まってから6.20台を続け、8月に切下げで6.3台から6.4台、そして昨年末には6.49台と下げ続け、本日、人民銀行による更なる人民元安誘導とも思われる6.53台で中心レートが決定されました。
また、オフショアの人民元取引は、更に売り込まれオンショア取引とのレートの差は過去最大に拡大しているという人民元先安観が金融市場に警戒感を生み出しています。
昨年は、米国の利上げが大きなイベントでした。
中国は、米利上げ→米ドル高→人民元連れ高→中国経済への悪いインパクトを避けるべく、人民銀行は元安容認を更に進めました。SDR採用も含め国際化を 進めた人民元は、おりしも本年からロンドン市場でのオフショア夜間取引も始まり、取引時間延長もあり取引される量も以前に比較して増大しつつあります。投 機的動きに中国当局がどのように対応していくのかが注目されます。
中国人民元切り下げと関連が大きい米ドル高、その背景になる米国の利上げが今年も予想されています。昨年の対米ドルの主要通貨パフォーマンスは全てドル高で終わりました。
最も下げたのはブラジルレアルの33%でした。日本円は、年初が120円でしたので、終値とほぼ変わらずで年間の値幅は10円以内に収まった小動きの年となりました。
さて今更ですが、昨年一年を通して最大の関心事が米国の利上げでした。
事前に何度も地ならしが行われ、年末についに行われた利上げは、大きな波乱がなかったと言われますが、対人民元も含めて影響はこれから出てくるのかもしれませんし、その余波が新興国通貨に波及していく可能性があります。
米国は、今年も更なる利上げが予想されています。
直近の市場では、今年3月に利上げすると予想しているのは約47.8%、年末予想で最多なのは、誘導目標0.75~1%(ブルームバーグ社情報)です。2回利上げがあるだろうとする人が今のところ多いと言うことになります。
また、昨年の利上げでフリーハンドを得たこともあり、マーケット状況によっては利下げにも動けることになります。今年も、米国の金融政策の動向に最も注目していくことになるでしょう。
昨年末、120円のサポートラインをギリギリ堪えたドル円相場は、年初にリスクオフのあおりもあり118円台まで下落してきました。昨年の安値が1月中旬の115円86銭で、とりあえず、ここが大きなサポートになります。
円安を支える背景として、引き続き、企業、個人による海外投資の増加という需給、日米金利差(金融政策の今後を見る上で重要な2年債利回り格差は直近 1%を上回っています)、また、(効果は疑問視されるものの)更なる金融緩和の可能性、があると思っていますが、中国景気への懸念に見るような世界的な景 気への不安がくすぶっている中では、リスク回避の円買い圧力は続く可能性があります。
個人的には、長いスパンで円は安くなると思っていますが、目先を見れば1月前半から中盤に120円後半を上回る動きがないと一段安に傾きやすいので注意していきたいと考えます。
今週は、8日(金)に12月の米国雇用統計が発表されることでも重要なイベント週です。テクニカル的にも重要ポイントになります。
羊辛抱と言われた昨年は動いたようで大きな動きではなかった反動は、折しも「騒ぐ」申年である今年、ドーンと出るかもしれません。
油断怠らず、チャンスを見極められるよう、猿年ながら、「見る、聴く、言う」を大事にしていきたいと思います。
末筆ながら、謹んで読者の皆様のご幸運とご活躍を祈念申し上げます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*1月6日12時執筆
本号の情報は、主に1月5日のニューヨーク市場終値のレートを引用しています。なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
明けまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新年のおとそ気分、虚を突かれた形で荒々しい相場で初商いが始まりました。
三日目の本日は、人民元安に加えて、北朝鮮の水爆実験実施の報道もあり、リスクオフの流れが続いています。
今年早々のリスクオフの背景は、中東と中国という二つの「中」ではありますが、昨年後半からの世界的な市場の閉そく感もあるように思います。
中東に関しては、サウジアラビアとイランの対立は、いわゆる地政学的リスクと呼ばれるものですが、原油との絡みでも注目されますし、また米国とこれら二 つの国との関係も注目されるところです(米国政権は任期満了間近でもあり、政治力の低下を見せつけるだけかもしれませんが)。
中東リスク以上に、市場に大きな影響を与えたのは中国ショックです。
まさか新年初日に来るとは!びっくり度は、昨年8月の夏休み、お盆シーズンの中国人民元切り下げショックと似ています。改めて、どんな時も油断大敵を学び直します。
人民元相場は、昨年初は対ドル6.2220水準から始まってから6.20台を続け、8月に切下げで6.3台から6.4台、そして昨年末には6.49台と下げ続け、本日、人民銀行による更なる人民元安誘導とも思われる6.53台で中心レートが決定されました。
また、オフショアの人民元取引は、更に売り込まれオンショア取引とのレートの差は過去最大に拡大しているという人民元先安観が金融市場に警戒感を生み出しています。
昨年は、米国の利上げが大きなイベントでした。
中国は、米利上げ→米ドル高→人民元連れ高→中国経済への悪いインパクトを避けるべく、人民銀行は元安容認を更に進めました。SDR採用も含め国際化を 進めた人民元は、おりしも本年からロンドン市場でのオフショア夜間取引も始まり、取引時間延長もあり取引される量も以前に比較して増大しつつあります。投 機的動きに中国当局がどのように対応していくのかが注目されます。
中国人民元切り下げと関連が大きい米ドル高、その背景になる米国の利上げが今年も予想されています。昨年の対米ドルの主要通貨パフォーマンスは全てドル高で終わりました。
最も下げたのはブラジルレアルの33%でした。日本円は、年初が120円でしたので、終値とほぼ変わらずで年間の値幅は10円以内に収まった小動きの年となりました。
さて今更ですが、昨年一年を通して最大の関心事が米国の利上げでした。
事前に何度も地ならしが行われ、年末についに行われた利上げは、大きな波乱がなかったと言われますが、対人民元も含めて影響はこれから出てくるのかもしれませんし、その余波が新興国通貨に波及していく可能性があります。
米国は、今年も更なる利上げが予想されています。
直近の市場では、今年3月に利上げすると予想しているのは約47.8%、年末予想で最多なのは、誘導目標0.75~1%(ブルームバーグ社情報)です。2回利上げがあるだろうとする人が今のところ多いと言うことになります。
また、昨年の利上げでフリーハンドを得たこともあり、マーケット状況によっては利下げにも動けることになります。今年も、米国の金融政策の動向に最も注目していくことになるでしょう。
昨年末、120円のサポートラインをギリギリ堪えたドル円相場は、年初にリスクオフのあおりもあり118円台まで下落してきました。昨年の安値が1月中旬の115円86銭で、とりあえず、ここが大きなサポートになります。
円安を支える背景として、引き続き、企業、個人による海外投資の増加という需給、日米金利差(金融政策の今後を見る上で重要な2年債利回り格差は直近 1%を上回っています)、また、(効果は疑問視されるものの)更なる金融緩和の可能性、があると思っていますが、中国景気への懸念に見るような世界的な景 気への不安がくすぶっている中では、リスク回避の円買い圧力は続く可能性があります。
個人的には、長いスパンで円は安くなると思っていますが、目先を見れば1月前半から中盤に120円後半を上回る動きがないと一段安に傾きやすいので注意していきたいと考えます。
今週は、8日(金)に12月の米国雇用統計が発表されることでも重要なイベント週です。テクニカル的にも重要ポイントになります。
羊辛抱と言われた昨年は動いたようで大きな動きではなかった反動は、折しも「騒ぐ」申年である今年、ドーンと出るかもしれません。
油断怠らず、チャンスを見極められるよう、猿年ながら、「見る、聴く、言う」を大事にしていきたいと思います。
末筆ながら、謹んで読者の皆様のご幸運とご活躍を祈念申し上げます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*1月6日12時執筆
本号の情報は、主に1月5日のニューヨーク市場終値のレートを引用しています。なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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