NY株の下落に1ドル=119円台への円高進展、中国の経済指標PMIの予想以上の悪化、中国の南沙諸島でのきな臭いムードなどなど波乱相場の要因が豊富な2016年の大発会。
 通常国会が例年よりも早く開かれた中での株価の大幅安が印象的な2016年の株式相場。

 申年にありがちな波乱の幕開けではありますが、これが2016年を象徴するとは思えません。


 未来志向で外交問題を解決してきた安倍首相が目指す参院選挙圧勝が現実のものとなるかはともかく、日本も米国も選挙の年であり、経済を盛り上げていこうとする動きが見られる点は想像に難くありません。

 株高を支えてきた為替が円高歩調に転換するとみなせば株は売られることになりますが、当然、株価の大幅な下落があれば政策的に手が打たれると想定され、趨勢的な株安に向かう可能性は現段階では低いと見られます。


 次の米国の利上げがこの春以降あったとしても、それは米国の景気回復を反映したものだから、日本株には中立要因。米利上げで本来の円安ではなく円高に向かうとの観測がありますが、まるでヘッジファンドのための都合の良い理屈に聞こえます。

 それでも変化あるところに利益はもたらされます。相場の下落に伴い、いくら割安な銘柄でも致し方ない自虐的な売りが出がちです。

 日本株は原油安のメリットを受け、多少円が高くても業績堅調な銘柄が多いので、投資家が間違って売る場合は買いのチャンスと見られます。連れ安で売る最 悪のパターンに陥ることはできれば避けたいのですが、株価を見ずに企業価値を見るようにすることがそうした過ちを防ぐことにつながります。


 波乱相場でスタートした2016年の株式相場ですが、振り返ってみればあの時が投資チャンスだったということになればと、ここでの相場下落の動きを冷静に眺めたいと思います。


(炎)


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