株式市場は再び大きな調整局面に入ってきました。
これまでギリシャ問題から始まり上海株式市場の急落などから日本株も影響を受けてきましたが、つい先日は高値に調整しようかという動きも見られましたので、この株価急落は油断したすきに起きた出来事になってしまった感があります。
お盆休み明けの方向感定まらないタイミングで市場は調整の方向性を示したことになります。
中国経済への先行き不透明感と米国金利引き上げ観測、更には緊迫の度を増す北朝鮮と韓国の軍事衝突が飛び出し、NYダウが大きく下落に動いたことが投資家の心理を冷やし日経平均もまた大幅に下落。既にシカゴなどでは19000円割れを演じる始末。
週明けの相場も恐らくは大きく下げてくるものと見られますが、7月9日の安値19115円を割れてどこまで下落するのかに注目が集まっています。
本メルマガは月曜日の夜に出ますので、結果は分かりませんが、大きく下落した後に、戻って終わるパターンと引けにかけても下落が続くパターンというのが 考えられますが、その段階の株価水準をどこに置くかによって対応は異なりますが、基本的にはここは無理をしないで下値形成の動きを慎重に見守ることになり ます。
キャッシュポジションが潤沢な投資家はそこで打診買いを始めることになるかと思いますが、過去の調整場面と違うのはこの下げ相場が止まる水準が日経平均 19000円ではなく18000円割れという意見も出ていて、こうなるとかなり投資家の資産が目減りし、それ自体がアベノミクスの終焉を意味する可能性が あるのでとても重要な局面になってくるということになります。
政府は補正予算を組んで景気対策をしないとならない局面を迎えますのでそうしたアクションが株価にプラスとなって初めて反転の動きになると想定されます。また当然のごとく海外市場の落ち着きも必要です。
基調としてのアベノミクスの転換がないとなれば、再び日経平均は高値抜けに向けて動き出すと考えられますが、今の日本株には個別に見て割安感のある銘柄が乏しくなりつつあることも事実。
原油安の恩恵を受ける海運、電力、化学などのセクターぐらいが関心の的となるぐらいで、これまでの物色の柱となってきた食品、薬品などに見られるPER40倍から50倍銘柄の調整とPERの水準が平均以下のセクター銘柄が物色されることが期待されます。
景気対策が必要になれば建設などの公共投資関連銘柄が再び関心を集めるものと期待されます。
需給による下げが先週の急落につながっていますが、今週も信用買い建てしている個人がパニック売りを出すのではないかと不安は募ります。
問題は市場がある程度落ち着きを取り戻した後のことです。いづれにせよ、ここは冷静にいきたいところです。
過去も何度となくこうした局面はありましたので、ご自身のポートフォリオをどう組み替えていくかなどを冷静に検討して対応していく局面であろうかと思われます。
まず、ここでの調整が憂慮される点は中国経済の崩壊の懸念が出てきたことでアジア圏や新興国などでの経済の混乱を生じる可能性が出ている点です。
これに米国の利上げが引き金となって新興国経済に悪影響を及ぼす可能性が生じていますので短期的な要素に留まらず長期的な要素も含まれた調整になりつつある点です。
市場はポジティブとネガティブの戦いになりますが、ポジティブな見方は日本株にはなおも根強いので、ここで下げ止まりを見せてくれるとの期待もありま す。短期投資家の売り一巡後の長期投資家の買い出動が望まれる局面ですが、そのよりどころは日本企業の業績の良さに尽きます。
第1四半期決算の内容を吟味して割安感が強まっている銘柄もありますので、その内容を吟味しておきたいところですが、下期以降の業績不透感がそうしたポジティブな評価をかき消す可能性もあります。
市場のムードが劣悪となった場合、投げが投げを呼ぶ動きになりがちですが、ここはいつものように冷静な対応が求められます。
投資家は値が更に崩れることを懸念して売りを値段に構わず出したりしますが、過去の株価変動が示すようにそうした局面こそ投資チャンスありと見ますが、そうした行動にはかなり勇気が必要です。
機械的な対応だと結局中途半端なことになる可能性もありますが、下落リスクに耐えられる余裕資金があれば2回、3回に分けての投資が短期的には効果を発揮することになるでしょう。
投資家のスタンスによってここでの対応は異なりますが、こうした調整がどの程度継続するかがポイントではありますが、アベノミクスの景気刺激策を促進する可能性もありますので、余り悲観的な考えだけで臨む必要はないと思われます。
つい先日まであった強気のコメントは影をひそめ、株価下落によって弱気の意見に傾きつつあるようですが、そうした運用者の心情は十分に理解されます。
株価の暴落は忘れた頃にやってくる・・。
既に株価の下落が起きてしまった後の対応は、これから長期の下落トレンドに入っていくのか、それともまだ長期トレンドの上昇に復活する一過性の調整なのかによって対応が異なります。
株価は下げの期間が短く、上げの期間は長いという特徴があり、今回も男性的な下げ後に大きなリバウンドに向かうのか注目されます。
少なくとも言えるのは割高銘柄の調整局面入りとこれまで調整局面に入っていたボトム圏銘柄の入れ替えが生じる可能性があります。
奈落の底状態のマザーズ指数が反転上昇する可能性にも注目したいと思います。そうした反転相場をリードする個別銘柄の動向を探りながら長期的な視点で反転の時期を皆様とともに待つことにしたいと思います。
郵政3社の上場が接近する日本の株式相場の大幅下落は国としては避けたいところです。市場が冷え込まないためにも新たな経済政策を打ち出す必要がありそうです。
【参考:各国別株価指数の高値からの下落率】
1)NYダウ 高値18351.36(5月19日)
→時価16459.75(▲10.3%)
2)NASDAQ 高値5231.94(7月20日)
→時価4706.03(▲10.05%)
3)日経平均 高値20952.71円(6月24日)
→先週末19435.81(▲7.2%)
→下値メド18857円?(▲10.0%)
下値メド18000円(▲14.1%)
4)TOPIX 高値1702.83(8月11日)
→先週末1573.01(▲7.6%)
5)マザーズ 高値1035.27(6月24日)
→時価 844.92(▲18.4%)
6)上海総合 高値5178.19(6月12日)
→7月9日安値3373.54(▲34.9%)
→時価 3509.98(▲32.2%)
7)香港 高値28588.52(4月27日)
→時価22409.62(▲21.6%)
8)DAX 高値12390.75(4月10日)
→時価10124.52(▲18.3%)
NY株は直近2回の調整がありましたが、おおよそ10%の調整で下げ止まっています。今回は既に10%の下落となっていますが果たして今後どうなりますか。
同様にNASDAQも高値から10%の調整となっています。
日経平均をこれに当てはめると下値目途は18857円となります。
日経平均18000円割れ説が出ていますが、20000円以上での投資ではなく18000円台での投資チャンスが生まれていることになります。
予想外の出来事も想定した上で自然体で相場の落ち着きを待って投資したいところです。
(炎)
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