結婚12年目で初めての子供なので、家族親戚みんなで喜んでいます。
さて、出産の前から「妊娠」「育児」の雑誌などを見ていると、子供の教育の話とセットで必ず掲載されていたのが
「学資保険」
の広告でした。
多くの母親は、この妊娠期間と育児期間を通じて、このような広告で「学資保険」の必要性を刷り込まれてしまいます。
しかし、本当に「学資保険」は必要なのでしょうか?
もちろん、回答は「必要ない」という結論になります。
現在の「学資保険」の多くは、15~20年程度の時間をかけて、積立をした金額に対して多くて110%程度の満期保険金が用意できる商品が人気です。
この時の積立金に対する利回りは、年利1%前後となります。
ここで「銀行に預金しているよりも有利ですよ」と囁かれるのがセールストークの定番です。
しかし、金利はいつまでも低いわけではありません。
少なくとも政府の見通し(中長期の経済財政に関する試算)では、現在0.4%の長期金利がここ10年で2.7%~4.6%になっていくことが示されています。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h27chuuchouki2.pdf
政府の試算を鵜呑みにするわけには、もちろん行きませんが、少なくとも国家としては金利上昇のシナリオを描いているということは認識しておかなければいけません。
このシナリオが実現する場合には、このような1%の金利で固定化している「学資保険」は全く非効率な商品になってしまいます。
また、常々私が提言している「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」に4均等で配分していた場合には、過去20年間で年利4.6%のパフォーマンスを上げています。
このような可能性がある中で、あえて「学資保険」を運用手段として選ぶ必要は全く無いと考えています。
最後に、もう一つ大事な話。
「教育資金」の事を考えるということは、子供の10年~20年後の将来を考えるのと同様に、自分の10~20年後の将来を考えることでもあります。
特に20代~30代の世代は、子供の将来よりも自分の将来のことを優先して考えてほしいものです。
つまり、10年~20年後の子供の将来に備えることよりも、自分の10年~20年後の将来の為に「投資」をしてほしいと思います。
自分が40代、50代になった時に、
どんな会社で
どんな仕事をして
どれくらいの給与をもらっているのか
をイメージして、20代、30代にはそれに必要な知識やスキルを「投資」して身につけることがとても重要です。
そして、自分たちが40代、50代でしっかりと仕事ができて稼げる家庭を作ることが大事です。
この優先順位を間違えて、親たちのスキルアップよりも子供たちの幼児教育などにお金をかけてしまうと、ライフプラン上の将来は厳しいものになります。
「子供は親の背中を見て」育ちます。
親として子供にできる教育は、しっかりと親が努力して、スキルアップをして、子供に誇れる仕事姿を見せてあげ、説明してあげることです。
「教育資金」はもちろん大事ですが、「お金」にだけ焦点を当てすぎても「教育」は上手く行きませんのでご注意を。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
http://www.mlplanning.co.jp/
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