産業新潮12月号連載記事の冒頭部分です。
http://homepage2.nifty.com/sancho/
■投資にも役立つポーター賞
ウォーレン・バフェットの名声は、特にリーマン・ショック以降日本でも高まっています。改めて説明するまでもなく、新聞配達で貯めた100万円を元手に 時価総額数十兆円のバークシャー帝国を築き上げ、個人資産でも長年ビル・ゲイツと「世界一の大富豪」の座を争ってきました。
それに対して、マイケル・ポーターの名前はまだまだ日本では(特に投資家の間では)広まっていないような気がします。ハーバード大学教授で、30代で著 した「競争の戦略」(ダイヤモンド社)は、大著にも関わらず大ベストセラーとなり、米国の大企業のエグゼクティブの本棚には必ず置かれているといわれるほ どでした。その後も版を重ね「競争戦略」論の古典として読み継がれています。
また、日本では同氏と一ツ橋大学が創設したポーター賞(http://www.porterprize.org/)が2001年からスタートしています。
ポーター賞については、拙著「『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)」の第7章「トレードオフ」などでも触れていますが、投資企業選択の上で大変役に立ちます。あくまで応募した企業の中からのチョイスですが、受賞企業には魅力的な投資先が数多く存在するからです。
■トレードオフ(何をしないか)が大事
特に重要なのが「トレードオフ」という概念です。馴染みの無い言葉かもしれませんが、要するに「何をしないか」がとても大事だということです。
普通、ビジネスや企業を語るときには「何をしているか」が語られるのですが、そうでは無く「何をしていないか」を研究するべきなのです。
バフェット流に言えば、「偉大な企業は常に一つの事業に専念して成功してきた」ということです。自社が強みを持つ事業に専念すべきであり、儲かりそうだからといって勝ち目の少ない事業に進出するのは避けなければなりません。
ポーターは、自社の「競争優位」がある事業に専念して「参入障壁」を維持し、高い利益を上げなさいと教えます。バフェット流に言えば「一本しかない無い橋」=「堀」を築くということです。
<続く>
★続きは産業新潮12月号をご参照ください。
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(大原浩)
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★『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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