今週(11月10~14日)の東京株式市場は、日経平均株価で610円、率にして3.6%の上昇となりました。
 4週連続の上昇であり、この間の上昇幅は2958円、率にして20.4%の上昇です。14日の終値は、1万7490円となり、07年7月26日以来、約7年4カ月ぶりの高値水準を回復しました。

 安倍内閣による「衆院解散、消費増税先送り」観測が徐々に確度を増して語られるなか、先物主導の上昇が継続しました。業種別の上昇率上位は、
1)不動産業
2)非鉄金属
3)小売業
4)空運業
5)精密機器
の順です。不動産業、小売業など消費税の影響を受け易い業種が並び、小売業のなかでも、百貨店株が軒並み年初来高値を更新しています。

 先週も述べましたが、世界経済の減速が懸念されるなかでの米国FRBの量的緩和終了は世界の金融資本市場のムードを重苦しくしていましたが、日銀の追加緩和がそうした雰囲気を一掃し、安心感をもたらしました。
 続いて、安倍内閣が消費再増税を先延ばしし、当面景気浮揚、デフレ脱却に専念するのは、この局面ではむしろ望ましいものと考えます。来15年9月に自民 党総裁としての任期を迎える安倍首相も、「政治とカネ」問題で防戦を強いられつつ、集団的自衛権、原発再稼働など難題に取り組む一方で、国内景気の伸び悩 みを懸念しつつ、消費再増税に備えるといった苦境に陥る前に「勝負」に出ることはむしろ本懐といえましょう。
 前回の衆院選のような大勝利は望めないにしても、勝利の確度は相当に高いと考えられます。自民党が議席を減らすにしても、どの野党が議席を占めるのかといえば思い当たらないのが現状です。

 先週まで、「個別銘柄の選別が進む展開を予想する」としてきましたが、「衆院解散、消費増税先送り」が実現すれば、日経平均株価など指数の上昇余地も広がるものとみます。足元はやや過熱感がありますので、短期的な調整は
あるものと考えますが、例年通り、11月が投資のチャンスとなり、新年に向けて株高が進むと予想します。


(水島寒月)

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