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配当性向を考える

2014/08/12 14:58 投稿

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得られた利益のうちどの程度を配当金として株主に還元すれば良いのかが経営者の関心の的となっています。配当が株価に与えるインパクトとしてはそれまで無配が続いてきたのに復配をする場合ですが、これに続いて大幅な増配を発表した場合も株価への反応があります。
 また、一定の配当性向を配当政策の基本として打ち出した場合も業績の伸びが期待される場合において好感されることになります。

 とりわけ、最近は配当性向を重視しようという傾向が上場企業の間で高まっているように感じられます。一般的には利益が伸びると株価が上昇することになり ますが、利益が伸びても株価の低迷が見られる場合、配当金が一定だと株主は満足しません。利益のうちどの程度を株主に還元するかが経営スタンスとして注目 されがちです。

 理論上は利益成長が続くのであれば無配にして再投資の資金に充当するのが効率的だと考えられますが、利益が出ていて無配というのは余程のことがない限り 市場では受け入れられません。そこで多くの日本企業はEPS(1株当たり利益)に対して20%から30%の配当性向をベースに配当を実施します。EPSが 100円であれば年間20円から30円が配当金に回されることになります。

 それに対してPERが6倍にしか過ぎない場合は株価は600円で30円配当が得られるのであれば配当利回りが5%となり、PER、配当利回り面で相当に割安感が出て、株価は瞬時に上昇したりします。

 配当性向は企業が継続的に成長するための内部留保をどの程度確保するかということと密接な関係にあります。

 一方で投資家は投資資金の回収手段としてまずは配当を得ようとしますが株式を長期的に保有するには一定の配当利回りを求めます。少なくとも銀行預金の利子を株式の配当利回りが上回ることが株式値下がりリスクのある株式の保有動機となります。


 配当性向は高ければ株主に配慮していることの証となりますが、それだけ成長性を求めていないことにもなり、投資家にとって必ずしも高ければ良いというものでもありません。適度な配当性向を維持しながら成長を目指すのが一般的には投資家に受け入れられやすいと見られます。

 配当を楽しみに長期投資されている投資家にとって企業の利益成長と株価の値上がりは二の次なのかも知れませんが、本来の株式投資は利益成長とそれに伴う 株価の上昇こそ狙い目になります。目標となる配当性向を掲げ利益の達成に邁進する銘柄にこそリスクマネーを投じていきたいと思います。


【高配当利回り銘柄】

みずほFG(8411)
 時価193.7円 今期配当金年7.0円
 配当利回り 3.61% 配当性向30.8%

 みずほ銀行に定期預金しないで同行の株式に投資した方が良いのではと思われる投資家も多いのかも知れませんが、現実にはこうなっています。銀行の先行き不安でもあるのでしょうか?


KG情報(2408)
 時価535円 今期配当金20.8円
 配当利回り3.89% 配当性向25%+上場10周年記念配

 配当性向25%を表明 今期は特別配当を実施


【配当性向の引き上げを目指す企業】

アサンテ(6073)
 時価1256円 今期配当金32.0円
 配当利回り2.55% 配当性向23.8%

 配当性向30%を目指す


【日本一配当性向の低い企業】

まんだらけ(2652)
 時価3430円 今期配当金5.0円
 配当利回り0.15% 配当性向0.8%

 万引き犯訴求広告で話題となっています。配当性向も極端に低い中野拠点のオタク銘柄。PER5.5倍、PBRも0.81倍で配当利回り以外の指標面では割安感あり。


【長期配当性向100%以上企業】

ティムコ(7501)
 時価546円 今期配当金12円
 配当利回り2.2% 配当性向120.8%

 1996年の上場以来、業績が低迷するもキャッシュ潤沢で高配当を継続。今期業績はようやく黒字に浮上の兆し。

(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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