=バフェット流の本質(2)仕入れ力=
産業新潮7月号連載記事の冒頭部分です。
http://homepage2.nifty.com/sancho/
■仕入れ力
前回のブランド力以外のもう一つの重要な競争力が、【仕入れ力】です。
注意していただきたいのは決して「営業力」や「販売力」ではなく、「仕入れ力」であるということです。
企業の競争力を語るときには、華やかな営業や販売に目がいきがちですが、地味で目立たない仕入れ力こそ企業の競争力を左右する重要なポイントです。
すでに述べたブランド力を持っていれば、営業力や販売力は大して重要ではありません。それどころか、顧客が「このブランド以外は絶対嫌だ!」というよう な強力な商品であれば営業や販売は必要ありません。消費者自らが商品を探し、在庫のあるところまで足を運んでくれるでしょう。言い換えれば、強力なブラン ドを維持することこそが最高の営業・販売戦略なのです。逆に、少々厳しい言い方をすれば、商品力(ブランド力)が弱いから、営業や販売で消費者に売り込ま なければならないのです。
しかし、収益力の高い優良な会社になるためには、ブランド力で安定した売上を維持するだけでは駄目です。前回の最後で、「いつでも安いこと」もブランド の一つだというお話をしましたが、それを実現するのが「仕入れ力」です。この言葉は「コスト・コントロール力」と言い換えることができるかもしれません。 この「仕入れ力」=「コスト・コントロール力」は常に大事なのですが、特に重要視されるのは、不況など経済環境が悪い時です。
■損益分岐点
例えば、好況時に売上高が100億円で損益分岐点が50億円のA社と、売上高が同じく100億円だが損益分岐点が80億円のB社があるとします。景気が 良い時にはA社もB社もそれぞれ問題なく経営を続けることができます。しかし、リーマン・ショック級の不況で、それぞれの売上げが70億円まで急減したと します。
A社の損益分岐点は50億円(経費はすべて固定費と仮定し、売上の増減に関わらず損益分岐点は同じ)ですから、減益にはなるものの、20億円というまずまずの利益で営業を続けることができます。
ところがB社の損益分岐点は80億円ですから、売上高が70億円であれば10億円の赤字になります。赤字ほど企業を疲弊させるものはありません。単純な 経費の削減だけでは、売り上げの1割もの赤字を埋めるのは簡単ではありません。従業員のリストラを行ったり、戦略的な投資を延期せざるを得なくなります。
さらに、最悪の場合にはB社が消えて無くなることもあるでしょうし、生き残った場合でもA社とB社の間には簡単に超えることができない差=「堀」ができます。
バフェットは、「いつどのよう危機がやってくるかを予想することはできないが、いつかやってくるであろう危機(不況)に備えることはできる」といいます。
★続きは産業新潮7月号をご参照ください。
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(大原浩)
【大原浩のバフェットの本】
★日本株で成功する バフェット流投資術 (日本実業出版社)
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★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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■仕入れ力
前回のブランド力以外のもう一つの重要な競争力が、【仕入れ力】です。
注意していただきたいのは決して「営業力」や「販売力」ではなく、「仕入れ力」であるということです。
企業の競争力を語るときには、華やかな営業や販売に目がいきがちですが、地味で目立たない仕入れ力こそ企業の競争力を左右する重要なポイントです。
すでに述べたブランド力を持っていれば、営業力や販売力は大して重要ではありません。それどころか、顧客が「このブランド以外は絶対嫌だ!」というよう な強力な商品であれば営業や販売は必要ありません。消費者自らが商品を探し、在庫のあるところまで足を運んでくれるでしょう。言い換えれば、強力なブラン ドを維持することこそが最高の営業・販売戦略なのです。逆に、少々厳しい言い方をすれば、商品力(ブランド力)が弱いから、営業や販売で消費者に売り込ま なければならないのです。
しかし、収益力の高い優良な会社になるためには、ブランド力で安定した売上を維持するだけでは駄目です。前回の最後で、「いつでも安いこと」もブランド の一つだというお話をしましたが、それを実現するのが「仕入れ力」です。この言葉は「コスト・コントロール力」と言い換えることができるかもしれません。 この「仕入れ力」=「コスト・コントロール力」は常に大事なのですが、特に重要視されるのは、不況など経済環境が悪い時です。
■損益分岐点
例えば、好況時に売上高が100億円で損益分岐点が50億円のA社と、売上高が同じく100億円だが損益分岐点が80億円のB社があるとします。景気が 良い時にはA社もB社もそれぞれ問題なく経営を続けることができます。しかし、リーマン・ショック級の不況で、それぞれの売上げが70億円まで急減したと します。
A社の損益分岐点は50億円(経費はすべて固定費と仮定し、売上の増減に関わらず損益分岐点は同じ)ですから、減益にはなるものの、20億円というまずまずの利益で営業を続けることができます。
ところがB社の損益分岐点は80億円ですから、売上高が70億円であれば10億円の赤字になります。赤字ほど企業を疲弊させるものはありません。単純な 経費の削減だけでは、売り上げの1割もの赤字を埋めるのは簡単ではありません。従業員のリストラを行ったり、戦略的な投資を延期せざるを得なくなります。
さらに、最悪の場合にはB社が消えて無くなることもあるでしょうし、生き残った場合でもA社とB社の間には簡単に超えることができない差=「堀」ができます。
バフェットは、「いつどのよう危機がやってくるかを予想することはできないが、いつかやってくるであろう危機(不況)に備えることはできる」といいます。
★続きは産業新潮7月号をご参照ください。
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(大原浩)
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GINZAXグローバル経済・投資研究会・代表大原浩著
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*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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