街のコンサルタント氏の過去配信ライブラリから、コラムを再編集して掲載いたします。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
(億の近道・2009/1/22配信号)
※注 2009年1月現在の内容ですので留意下さい。
景気悪化を受けて各家庭でも生活コストの見直しに関する話題に接する機会が増えてきました。よく題材になるFP(フィナンシャル・プランナー)の提案に は自家用車の保有や保険等諸経費の見直しを勧めるものが多いようですが、昨年来の沈滞ムードの中で、特に安さを売り物にしたカタカナ生保では法人関連の保 険契約は落ち込んでいる反面、個人保険の契約は対前年比で増加しているケースが多いと聞きました。面白いですね。
事業承継や節税手段の一つとしての保険があることはご存知の通りですが、それだけでは余り役に立たないので、これらに効果的な方法を資本(財務)の観点からアドバイスして欲しい、といった類の相談がくる中で聞いた話しです。
この不景気の中で概ね保険契約は不調なのではと思っていたのですが、最近は情報量の増加も手伝って、個人がしっかりと契約内容や費用を精査するようになってきたために、ローコスト生保の人気が上昇してきているようです。
昨年は某オンライン生保が保険のコスト構造をバラしてしまったことで業界では大騒ぎになったそうですが、想像はしていたものの既存の大手生保さんの販売コストの大きさにはあらためて驚かれた方も多かったのではないかと思います。
【中略】
その中で、万が一の備えとして保険を掛ける訳ですが、大半の保険会社では、30代前半の夫婦に2人の子供がいる標準(?)世帯での死亡保険金は約 5,000万円のプランになります。つまり、ご主人に万が一のことがあった場合には、子供が成人し奥様が年金を得られるまでの間(約30年間)の必要額が 約9,000万円として、これから遺族年金等を差し引くと約5,000万円が必要だから・・・との理由です。
でも不思議なのが、大黒柱がいなくなるほどの一大事になったにもかかわらず奥様は働かないのでしょうか?もしローンで住宅を購入していればローン残債務 はゼロになりますので、これだけの保険金が入れば、一大事にもかかわらず生活には余り影響しない・・・ってことになります。もちろんお金では解決しない大 変なことであり悲しいことではありますが・・・そこは申し訳ありませんが割愛させてください。
これに関連するか分りませんが、同様に”リストラに遭った”場合も、これも大変なことなのですが、奥様からは「あなた頑張って次を探してね」、子供から は「お父さん頑張って!」と言われるようです。某大手商社の方に聴いた話ですが、本来なら思いっきり生活コストを下げたいところですが、「私はこの家を手 放すのは嫌よ。世間体があるじゃない!」「僕も、私も、今の学校が好きだし旅行も行きたい!」って・・・まるで他人事のような話しもあるそうです。何でお 父さんだけが頑張らねばいけないのか?
本来なら「家や車はさっさと売り飛ばして安い賃貸住宅にでも引越しましょう」、「僕らは高校を卒業したらすぐに働くので、それまでお願いします」なんてことを言われたら、それこそ「頑張るぞ!」って気にもなりますが・・・うちは無理だろうなぁ~。
これは本当に大変なことで、国で言えば産業が崩壊して税収がストップ、家計貯蓄も少なく対外債務はたっぷりで、国民みんなで外国に出稼ぎに行かなくてはならい一大事な訳ですが、それでも国民は「生活保障しろ」「私は働きたくない」って言ってるのと同じですよね。
愚痴になってしまって済みません。
随分と横道にそれてしまいましたが(笑)、言いたかったのは、生命保険はそれ程高額にする必要を感じないと言うことです。
万が一の場合には、可能なら奥様はご実家に戻り、生活を切り詰めつつ仕事を探すべきだし、当面(5年分くらい?)の生活費があれば何とかなるのではと感 じます。以前の職場にいたフランス人曰くは日本円で800万円もあれば保険は十分、日本人は異常に心配性と言ってました。国のセーフティーネットの違いも あるのでしょうが。
保険の見直しだけで毎月2万円程度が節約できて、それを株式で積み立てていった場合には、概算ですが20年間で積み立て元本約500万円が値上がり益も 含めて約1,000万円、場合によっては2,000万円くらいにはなっているかもしれません。ここまで無事に働けるなら保険に加入していたのと結果は一緒 で、しかも万が一にならなくても手元にお金が残るのですから素晴らしいことです。
ここ数年で感じることは、毎年の株式配当が届く時期になると郵便局の窓口に払い出しを待つ人が増えていることです。
億近読者ほどではなくとも、今まで余り株式投資に興味の無かった人達もが、「このままではいけない」と投資に前向きになってきたことの査証ではと思いま す。もちろんオンライン証券などの利便性や税制優遇もあるのでしょうが、誰でも少しでも生活の足しにしたいと願っているはずです。
税制も含めてちゃんと考えねばならない大事なことで、「金持ち優遇だ」などと馬鹿げたことを言っている政党がありますが、年金等も踏まえればもう国民は 既にドップリと証券投資に浸かっている訳です。200兆円が国富から吹っ飛んだことをもう一度真摯に捉え今後の日本を考えて行きたいですね。
また、金融機関は「お得ですよ」「大事なことですよ」と言って我々を勧誘してきますが、金融機関で働く方達の高額な人件費を賄う訳ですから、どう考えて もコストは高いはずで、やはり自分で勉強して出来るだけ低いコストで投資なり貯蓄をすべきです。億近がそのような人達の一助になることを願って止みませ ん。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
(億の近道・2009/1/22配信号)
※注 2009年1月現在の内容ですので留意下さい。
景気悪化を受けて各家庭でも生活コストの見直しに関する話題に接する機会が増えてきました。よく題材になるFP(フィナンシャル・プランナー)の提案に は自家用車の保有や保険等諸経費の見直しを勧めるものが多いようですが、昨年来の沈滞ムードの中で、特に安さを売り物にしたカタカナ生保では法人関連の保 険契約は落ち込んでいる反面、個人保険の契約は対前年比で増加しているケースが多いと聞きました。面白いですね。
事業承継や節税手段の一つとしての保険があることはご存知の通りですが、それだけでは余り役に立たないので、これらに効果的な方法を資本(財務)の観点からアドバイスして欲しい、といった類の相談がくる中で聞いた話しです。
この不景気の中で概ね保険契約は不調なのではと思っていたのですが、最近は情報量の増加も手伝って、個人がしっかりと契約内容や費用を精査するようになってきたために、ローコスト生保の人気が上昇してきているようです。
昨年は某オンライン生保が保険のコスト構造をバラしてしまったことで業界では大騒ぎになったそうですが、想像はしていたものの既存の大手生保さんの販売コストの大きさにはあらためて驚かれた方も多かったのではないかと思います。
【中略】
その中で、万が一の備えとして保険を掛ける訳ですが、大半の保険会社では、30代前半の夫婦に2人の子供がいる標準(?)世帯での死亡保険金は約 5,000万円のプランになります。つまり、ご主人に万が一のことがあった場合には、子供が成人し奥様が年金を得られるまでの間(約30年間)の必要額が 約9,000万円として、これから遺族年金等を差し引くと約5,000万円が必要だから・・・との理由です。
でも不思議なのが、大黒柱がいなくなるほどの一大事になったにもかかわらず奥様は働かないのでしょうか?もしローンで住宅を購入していればローン残債務 はゼロになりますので、これだけの保険金が入れば、一大事にもかかわらず生活には余り影響しない・・・ってことになります。もちろんお金では解決しない大 変なことであり悲しいことではありますが・・・そこは申し訳ありませんが割愛させてください。
これに関連するか分りませんが、同様に”リストラに遭った”場合も、これも大変なことなのですが、奥様からは「あなた頑張って次を探してね」、子供から は「お父さん頑張って!」と言われるようです。某大手商社の方に聴いた話ですが、本来なら思いっきり生活コストを下げたいところですが、「私はこの家を手 放すのは嫌よ。世間体があるじゃない!」「僕も、私も、今の学校が好きだし旅行も行きたい!」って・・・まるで他人事のような話しもあるそうです。何でお 父さんだけが頑張らねばいけないのか?
本来なら「家や車はさっさと売り飛ばして安い賃貸住宅にでも引越しましょう」、「僕らは高校を卒業したらすぐに働くので、それまでお願いします」なんてことを言われたら、それこそ「頑張るぞ!」って気にもなりますが・・・うちは無理だろうなぁ~。
これは本当に大変なことで、国で言えば産業が崩壊して税収がストップ、家計貯蓄も少なく対外債務はたっぷりで、国民みんなで外国に出稼ぎに行かなくてはならい一大事な訳ですが、それでも国民は「生活保障しろ」「私は働きたくない」って言ってるのと同じですよね。
愚痴になってしまって済みません。
随分と横道にそれてしまいましたが(笑)、言いたかったのは、生命保険はそれ程高額にする必要を感じないと言うことです。
万が一の場合には、可能なら奥様はご実家に戻り、生活を切り詰めつつ仕事を探すべきだし、当面(5年分くらい?)の生活費があれば何とかなるのではと感 じます。以前の職場にいたフランス人曰くは日本円で800万円もあれば保険は十分、日本人は異常に心配性と言ってました。国のセーフティーネットの違いも あるのでしょうが。
保険の見直しだけで毎月2万円程度が節約できて、それを株式で積み立てていった場合には、概算ですが20年間で積み立て元本約500万円が値上がり益も 含めて約1,000万円、場合によっては2,000万円くらいにはなっているかもしれません。ここまで無事に働けるなら保険に加入していたのと結果は一緒 で、しかも万が一にならなくても手元にお金が残るのですから素晴らしいことです。
ここ数年で感じることは、毎年の株式配当が届く時期になると郵便局の窓口に払い出しを待つ人が増えていることです。
億近読者ほどではなくとも、今まで余り株式投資に興味の無かった人達もが、「このままではいけない」と投資に前向きになってきたことの査証ではと思いま す。もちろんオンライン証券などの利便性や税制優遇もあるのでしょうが、誰でも少しでも生活の足しにしたいと願っているはずです。
税制も含めてちゃんと考えねばならない大事なことで、「金持ち優遇だ」などと馬鹿げたことを言っている政党がありますが、年金等も踏まえればもう国民は 既にドップリと証券投資に浸かっている訳です。200兆円が国富から吹っ飛んだことをもう一度真摯に捉え今後の日本を考えて行きたいですね。
また、金融機関は「お得ですよ」「大事なことですよ」と言って我々を勧誘してきますが、金融機関で働く方達の高額な人件費を賄う訳ですから、どう考えて もコストは高いはずで、やはり自分で勉強して出来るだけ低いコストで投資なり貯蓄をすべきです。億近がそのような人達の一助になることを願って止みませ ん。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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