日本株は昨年末の高値から5月間の調整を経て、ようやく上向きの兆しが見えつつあります。その背景は、NYダウやNASDAQ指数及び欧州株の堅調な上昇と日本株自体の指標面での割安感の台頭です。
4月の消費税増税の影響はまだ今後の景気に影響をもたらす可能性があるほか企業業績も二極化の様相が見られます。期初慎重な見通しを出す企業が多く、日 本株を強気で見るのはまだ時期尚早なのかも知れませんが、このまま日本株が日経平均14000円水準に留まることはないと思われます。
グローバル運用をしている世界の投資家は日本株をどのように見ているのでしょうか?少なくとも外国人が不在となった日本株の上昇は見込めませんが、指標面では欧米市場に比べて割安感が出てきたことも事実です。
2013年の株価上昇が5割を超えた後の相場が停滞するのはやむを得ないところですが、復活を期待する多くの投資家がいることも事実です。
アジアの中では上海市場や韓国市場の株価が低迷し、指標面では割安な水準となっている点が下記のデータ(インターネットで見出したデータ)では目につき ます。欧米株に比べ、やや割安感が感じられる日本株ももしかしたら、混迷する東アジア情勢を背景にしているのかも知れません。
日本株は結果としてPER、PBRなどの指標面、特にPBR面での割安感が顕著です(ロシア、中国、韓国も割安感はありますが、信頼性に欠ける面から低評価となっています)。
日本には約3600社の上場企業がありますが、そのうちの600社余り(6社に1社)はPBR0.5倍以下となっています。PBR1.0倍以下は1966社で、上場企業の半分以上は解散価値以下の状態となっています。
日本株の復活には、こうした状態を是正しないとなりません。
1989年のバブル経済のピークから15年が経過しようとする中で、デフレ経済が進行。国内中心に設備投資が委縮し、人件費や原材料費などのコスト削減 が続く中、内部留保が厚くなる一方で株価の上昇は限定的となり、PBRの低下が進みました。PBRが極端に低くなっている企業の特徴は国内産業が中心でブ ランド力がない。資産内容が信頼されていないことのほか、利益の成長性が低い、投資家への認知度が低いことなどがあるかと思います。
中には保有する実質現預金(有利子負債を差し引いた有価証券を含む現預金)が自己株を除いた実質時価総額を大きく上回っているケースもあります。
つまり、所有する現預金で自社株買いができる余地のある企業が見い出せます。
また、有価証券にはいつでも現金化できる流動性の高いものと、流動化できにくいものとがあり、その中には十分な価値を備えている資産もあります。
細かく分析すればデフレ下の上場企業には、本来株主に還元すべき資産がたくさんあると言って良いでしょう。
最近はアマダや夢真HDのように稼いだ利益をすべて株主に還元しようとする動きも見られます。内部蓄積を続けてきた上場企業はそろそろ何らかの投資をし てキャッシュを有効活用すべき時期にありますが、経営者は相変わらず慎重でなかなか重い腰を上げませんが、アベノミクスの具体的な施策が打ち出されると少 しはポジティブなアクションを起こす動きが見られるようになるものと期待されます。
投資家はこうした流れを冷静に捉えて投資行動を示す必要があります。
株式投資の魅力が調整相場の中で着実に高まりつつあることを念頭に今週も多少はポジティブな取り組みをされてみてはいかがでしょうか?
【株式投資の魅力】
・銀行の金利や国債の利回りより高い株式配当利回りの継続
・配当重視の施策を打ち出す企業が増加⇒配当性向25%から30%を提示
・PBRは欧米株に比べ相変わらず低い。
・PERは期初業績見通しが慎重な分、今後更に低下する余地がある。
・輸出企業の業績は為替の円安があれば更に伸びる余地がある。
参考データ【世界の株式市場と日本市場】
世界の株式市場の時価総額 世界各国のGDP
世界の株式市場のPER、PBR、配当利回り(2014年4月)
1.全世界の時価総額36.9兆ドル
先進国 33.6兆ドル
新興国 3.3兆ドル
欧州9.3兆ドル
(英国3兆ドル、フランス1.4兆ドル、ドイツ1.3兆ドル)
アジアパシフィック5.2兆ドル
BRICs 1.6兆ドル
日本2.8兆ドル
米国17.8兆ドル
中国6,760億ドル
印 3,234億ドル
韓国5979億ドル
台湾4521億ドル
香港4782億ドル
2.主要国2013年のGDP統計
米国16.8兆ドル
中国9.2兆ドル
日本4.9兆ドル
ドイツ2.7兆ドル
フランス2.5兆ドル
インド1.9兆ドル
韓国1.2兆ドル
台湾0.5兆ドル
香港0.3兆ドル
3.世界のPER PBR(4月)
1)実績PER
全世界 16.6倍 先進国17.1倍 新興国12.9倍
BRICs10.2倍 欧州16.9倍 アジアパシフィック17.1倍
2)実績PBR
全世界2.1倍 先進国2.1倍 新興国1.7倍 BRICs1.3倍
欧州1.9倍 アジアパシフィック1.4倍
日本(東証1部・5月28日)
予想PER14.8倍 実績PBR1.21倍 配当利回り1.92%
米国
PER16.7倍 PBR2.6倍 配当利回り1.96%
英国
PER17.2倍 PBR2.0倍 配当利回り3.55%
フランス
PER18.3倍 PBR1.6倍 配当利回り2.98%
ドイツ
PER14.0倍 PBR1.8倍 配当利回り2.79%
香港
PER12.1倍 PBR1.4倍 配当利回り2.46%
中国
PER 9.0倍 PBR1.3倍 配当利回り3.35%
ロシア
PER 4.8倍 PBR0.6倍 配当利回り4.18%
インド
PER17.6倍 PBR2.7倍 配当利回り1.54%
韓国
PER10.8倍 PBR1.1倍 配当利回り1.18%
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
4月の消費税増税の影響はまだ今後の景気に影響をもたらす可能性があるほか企業業績も二極化の様相が見られます。期初慎重な見通しを出す企業が多く、日 本株を強気で見るのはまだ時期尚早なのかも知れませんが、このまま日本株が日経平均14000円水準に留まることはないと思われます。
グローバル運用をしている世界の投資家は日本株をどのように見ているのでしょうか?少なくとも外国人が不在となった日本株の上昇は見込めませんが、指標面では欧米市場に比べて割安感が出てきたことも事実です。
2013年の株価上昇が5割を超えた後の相場が停滞するのはやむを得ないところですが、復活を期待する多くの投資家がいることも事実です。
アジアの中では上海市場や韓国市場の株価が低迷し、指標面では割安な水準となっている点が下記のデータ(インターネットで見出したデータ)では目につき ます。欧米株に比べ、やや割安感が感じられる日本株ももしかしたら、混迷する東アジア情勢を背景にしているのかも知れません。
日本株は結果としてPER、PBRなどの指標面、特にPBR面での割安感が顕著です(ロシア、中国、韓国も割安感はありますが、信頼性に欠ける面から低評価となっています)。
日本には約3600社の上場企業がありますが、そのうちの600社余り(6社に1社)はPBR0.5倍以下となっています。PBR1.0倍以下は1966社で、上場企業の半分以上は解散価値以下の状態となっています。
日本株の復活には、こうした状態を是正しないとなりません。
1989年のバブル経済のピークから15年が経過しようとする中で、デフレ経済が進行。国内中心に設備投資が委縮し、人件費や原材料費などのコスト削減 が続く中、内部留保が厚くなる一方で株価の上昇は限定的となり、PBRの低下が進みました。PBRが極端に低くなっている企業の特徴は国内産業が中心でブ ランド力がない。資産内容が信頼されていないことのほか、利益の成長性が低い、投資家への認知度が低いことなどがあるかと思います。
中には保有する実質現預金(有利子負債を差し引いた有価証券を含む現預金)が自己株を除いた実質時価総額を大きく上回っているケースもあります。
つまり、所有する現預金で自社株買いができる余地のある企業が見い出せます。
また、有価証券にはいつでも現金化できる流動性の高いものと、流動化できにくいものとがあり、その中には十分な価値を備えている資産もあります。
細かく分析すればデフレ下の上場企業には、本来株主に還元すべき資産がたくさんあると言って良いでしょう。
最近はアマダや夢真HDのように稼いだ利益をすべて株主に還元しようとする動きも見られます。内部蓄積を続けてきた上場企業はそろそろ何らかの投資をし てキャッシュを有効活用すべき時期にありますが、経営者は相変わらず慎重でなかなか重い腰を上げませんが、アベノミクスの具体的な施策が打ち出されると少 しはポジティブなアクションを起こす動きが見られるようになるものと期待されます。
投資家はこうした流れを冷静に捉えて投資行動を示す必要があります。
株式投資の魅力が調整相場の中で着実に高まりつつあることを念頭に今週も多少はポジティブな取り組みをされてみてはいかがでしょうか?
【株式投資の魅力】
・銀行の金利や国債の利回りより高い株式配当利回りの継続
・配当重視の施策を打ち出す企業が増加⇒配当性向25%から30%を提示
・PBRは欧米株に比べ相変わらず低い。
・PERは期初業績見通しが慎重な分、今後更に低下する余地がある。
・輸出企業の業績は為替の円安があれば更に伸びる余地がある。
参考データ【世界の株式市場と日本市場】
世界の株式市場の時価総額 世界各国のGDP
世界の株式市場のPER、PBR、配当利回り(2014年4月)
1.全世界の時価総額36.9兆ドル
先進国 33.6兆ドル
新興国 3.3兆ドル
欧州9.3兆ドル
(英国3兆ドル、フランス1.4兆ドル、ドイツ1.3兆ドル)
アジアパシフィック5.2兆ドル
BRICs 1.6兆ドル
日本2.8兆ドル
米国17.8兆ドル
中国6,760億ドル
印 3,234億ドル
韓国5979億ドル
台湾4521億ドル
香港4782億ドル
2.主要国2013年のGDP統計
米国16.8兆ドル
中国9.2兆ドル
日本4.9兆ドル
ドイツ2.7兆ドル
フランス2.5兆ドル
インド1.9兆ドル
韓国1.2兆ドル
台湾0.5兆ドル
香港0.3兆ドル
3.世界のPER PBR(4月)
1)実績PER
全世界 16.6倍 先進国17.1倍 新興国12.9倍
BRICs10.2倍 欧州16.9倍 アジアパシフィック17.1倍
2)実績PBR
全世界2.1倍 先進国2.1倍 新興国1.7倍 BRICs1.3倍
欧州1.9倍 アジアパシフィック1.4倍
日本(東証1部・5月28日)
予想PER14.8倍 実績PBR1.21倍 配当利回り1.92%
米国
PER16.7倍 PBR2.6倍 配当利回り1.96%
英国
PER17.2倍 PBR2.0倍 配当利回り3.55%
フランス
PER18.3倍 PBR1.6倍 配当利回り2.98%
ドイツ
PER14.0倍 PBR1.8倍 配当利回り2.79%
香港
PER12.1倍 PBR1.4倍 配当利回り2.46%
中国
PER 9.0倍 PBR1.3倍 配当利回り3.35%
ロシア
PER 4.8倍 PBR0.6倍 配当利回り4.18%
インド
PER17.6倍 PBR2.7倍 配当利回り1.54%
韓国
PER10.8倍 PBR1.1倍 配当利回り1.18%
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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