週間の出来高は96万9600株。発行済み株式数の8%が取引されたことになります。
本メルマガでも上場後取り上げたことのあるアサンテは私の故郷出身の経営者、宗政誠氏が創業したシロアリ駆除サービスの最大手企業です。
過去1年間の株価変動レンジは公募価格930円に対して上場初値が1034円、高値1195円、安値766円。概ね800円から1000円が基本的な変動レンジ。
昨年12月に創業者及び一部役員の持ち株の放出で800円割れまでありましたが、その後は上昇トレンド入り。ここに来て騰勢を速め、1000円台乗せ目前にまで上昇。上場後の変動レンジの高値水準に接近してきました。
今期の予想EPSは110.5円で現状のPERは8.7倍。低PER銘柄なのはビジネスがシロアリ駆除サービスという業界へのネガティブな評価がありま すが、業界最大手企業である同社はそうした評価を率先して高めていこうとしており、既に東証1部上場を12月に申請しています。3月15日現在ではまだ承 認されていませんが、もう間もなく承認されると見られます。
ここに来ての株価上昇は公表している月次売上情報が1月、2月と堅調に推移している点と東証1部上場の承認接近が根底にあると見られます。
同社は中期計画に沿った事業展開を行っており、2016年3月期には年商157億円、経常利益30億円を目標に置いています。
JAとのコラボレーションで収益が安定しており、着実に成長していける企業です。上場後は安定はしていても成長性に欠けるとのネガティブ評価からなかなか株価は上昇に至っておらず、現状も上場後の高値水準以下に留まっています。
今3月期決算では設立40周年記念配当を含めて年25円(年1回)配当を実施。同時に100株以上の所有株主にニコスギフトカード1000円分を贈呈するという株主優待制度を導入することを先般発表しました。
上場後は投資家の反応が薄かったものの、ここに来て株高に向けた本格的な取り組みが進み始めているという印象です。
もちろん人件費の上昇や人材難といったネガティブな要因もありますが、住宅に悪影響をもたらすシロアリに限らず、家ダニやスズメバチといった害虫駆除へのニーズも高まるなど同社のビジネス領域は拡大しつつあります。
資本関係はありませんが兄弟会社のサニックス(旧三洋消毒)もシロアリ駆除サービスの大手で、現在は環境・エネルギー事業にメインビジネスを転換し関心 を集めています。サニックスのサービスは西日本中心であるのに対して同社は東日本が中心で現在西日本にもサービスエリアを広げている状況です。
安定かつ隠れた成長株という認識が高まっていけば低PERで放置されてきた株価水準も市場平均並みに上昇する可能性があるのかも知れません。
(炎)
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