株式市場には様々な銘柄が上場しています。数としては約3600の銘柄があり、代表的な投資指標である東証1部(昨年12月13日現在の銘柄数 1775)の実績PBRは1倍割れの水準から現在は1.46倍へと高まっています。ただ、銘柄数560の東証2部の実績PBRはいまだに1倍を割れてお り、0.95倍となっています。

 この背景になっているのは流動性の高い東証1部の方が流動性の低い東証2部よりも実績PBRが高いためだと推察されます。当然ブランド力や人気の高い銘柄に売買の主体がありますので、この差は致し方ないのかと思います。
 ただ、銘柄数878のJASDAQ市場の実績PBRは1.55倍で東証1部よりも高い状況が見られます。バリュー価値よりも成長性への評価が見られるのがJASDAQ市場で、この結果としてPBRが高いという結果になっていると考えられます。

 市場への平均的なPBRの評価はこうなっていますが、個別に見ると更にばらつきがあります。実績PBR1.0倍(解散価値)以下の銘柄がまだまだ多い状況で、今後の修正が期待されます。
 十分に内部留保を行っていない利益成長の高い成長株への評価と既に利益を内部蓄積しているバリュー株への評価とは異なっています。

 リスクを抑えて大きなリターンを得ようとする投資家にとって理想は解散価値以下の銘柄への投資はリスクを抑える良い方法です。ところが低PBR銘柄は保 守的な企業が多く、成長性を見い出せないために評価を高められないのです。ところがアベノミクス効果が低評価の低PBR銘柄にも徐々に押し寄せています。 バリュー価値での下値の底堅さと景気回復を背景にした業績拡大への期待が、低PBR銘柄の修正運動となって市場に好循環をもたらしつつあるのかも知れませ ん。
 過去1年余りの株式相場はアベノミクス効果で活況を呈し指数の上昇が続いてきましたが、株価が上昇した結果、今後は将来の下落リスクを内包しての推移になってきます。

 キャピタルゲイン狙いの短期売買とともにそれには不向きな低PBR成長期待銘柄への着実な投資でリターンを上げて頂きたいと思います。

(炎)

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