先月のメルマガに引き続き、私の参加している投資クラブで新しく検討している銘柄について。
「トリドール」です。皆さんも一度は食べたことがあるのではないかと思う「丸亀製麺」といううどん屋のチェーン店です。
正直、外食産業を投資対象として検討することは少ないのですが、この企業には今後面白い展開があるのではないかと注目しています。
それでは、いつもの通りこれまで投資クラブで重視している企業選択の4つのポイントを確認してみましょう。
・売上に対する粗利益率、当期利益率が高い会社
・財務的に安定している会社
・ROEが高い会社
・多額の設備投資が必要でない会社
の4点を投資クラブでは重視しています。
1.売上に対する粗利益率、当期利益率が高い会社
売上は、平成25年3月期で709億円、売上総利益は533億円(75.2%)、当期純利益は32.4億円(4.6%)です。
丸亀製麺を中心とするうどん屋では、商品に対する原価割合が安く、粗利益率は極めて高い水準を維持しています。
一方で販管費が売上の65.1%を占めており、販管費のコントロールが今後の当期利益率のカギを握りそうです。
ここ最近の利益率の低下は、人件費や水道光熱費の増加が原因であり現在の状況ではこの販管費をこれ以上抑制するのは難しいような気がします。
2.財務的に安定している企業
自己資本比率は33.0%でここ5年程度は大きく変化していません。決して財務内容が良い会社とは言えませんが現在のところはかなり速いペースで出店を 重ねている状況であり、新規に借入を重ねて行かないと成長が止まってしまう構造は外食産業には共通する点だともいえます。
3.ROEが高い会社
平成25年3月期のROEは25.8%です。財務的にはレバレッジがかかっていますので、過大な評価はできませんが、ここ5期の実績を見てみると、
平成21年3月 29.0%
平成22年3月 33.4%
平成23年3月 23.7%
平成24年3月 29.1%
平成25年3月 25.8%
と極めて高い水準を維持しています。
これは高ROE企業として十分に評価できる水準であると考えます。
4.多額の設備投資が必要でない会社
この外食業界では成長するためには、新規の出店と言う作業が欠かせません。現状では営業キャッシュフロー70億円に対して新規の出店に関わるコストが94億円かかっており、20億円の資金不足です。
この不足資金は主に銀行借り入れによって補っており、外食産業で成長性を求めるかぎり、この構造が大きく変化すると言うことは無いのではないかと思います。
5.株価
現在の株価は898円(11月27日)、予想PER236倍、実績PBR2.4倍という水準です。PBR、PERともに極めて高い水準になっています。
しかしPERの計算に置いては今期特別損失を20億円引き当てているイメージであり、もし23億円が利益だとすればPERは15倍程度だということになります。
6.その他評価
見てきた結果、2.4.5の評価として、通常であれば投資クラブとして購入を検討したりすることのない銘柄です。
しかし、今回この銘柄を挙げた大きな理由は、海外展開にあります。
実はトリドールは今期海外出店を47店舗予定しており、それも一挙に10か国での展開をほぼ同時に行っています。
個人的には10か国同時に展開してすべての国で上手くいくことはあり得ないと思いますが、1~2か国で成功すれば成長性と言う意味では十分希望が持てる展開になると思います。
決算資料などのイメージでは、近いうちに国内売上と海外売上がほぼ匹敵するイメージで描かれています。もしも本当にそのようなイメージが描けるようであれば、今後の株価は十分に成長性があるのではないかと思います。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
http://www.mlplanning.co.jp/
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
「トリドール」です。皆さんも一度は食べたことがあるのではないかと思う「丸亀製麺」といううどん屋のチェーン店です。
正直、外食産業を投資対象として検討することは少ないのですが、この企業には今後面白い展開があるのではないかと注目しています。
それでは、いつもの通りこれまで投資クラブで重視している企業選択の4つのポイントを確認してみましょう。
・売上に対する粗利益率、当期利益率が高い会社
・財務的に安定している会社
・ROEが高い会社
・多額の設備投資が必要でない会社
の4点を投資クラブでは重視しています。
1.売上に対する粗利益率、当期利益率が高い会社
売上は、平成25年3月期で709億円、売上総利益は533億円(75.2%)、当期純利益は32.4億円(4.6%)です。
丸亀製麺を中心とするうどん屋では、商品に対する原価割合が安く、粗利益率は極めて高い水準を維持しています。
一方で販管費が売上の65.1%を占めており、販管費のコントロールが今後の当期利益率のカギを握りそうです。
ここ最近の利益率の低下は、人件費や水道光熱費の増加が原因であり現在の状況ではこの販管費をこれ以上抑制するのは難しいような気がします。
2.財務的に安定している企業
自己資本比率は33.0%でここ5年程度は大きく変化していません。決して財務内容が良い会社とは言えませんが現在のところはかなり速いペースで出店を 重ねている状況であり、新規に借入を重ねて行かないと成長が止まってしまう構造は外食産業には共通する点だともいえます。
3.ROEが高い会社
平成25年3月期のROEは25.8%です。財務的にはレバレッジがかかっていますので、過大な評価はできませんが、ここ5期の実績を見てみると、
平成21年3月 29.0%
平成22年3月 33.4%
平成23年3月 23.7%
平成24年3月 29.1%
平成25年3月 25.8%
と極めて高い水準を維持しています。
これは高ROE企業として十分に評価できる水準であると考えます。
4.多額の設備投資が必要でない会社
この外食業界では成長するためには、新規の出店と言う作業が欠かせません。現状では営業キャッシュフロー70億円に対して新規の出店に関わるコストが94億円かかっており、20億円の資金不足です。
この不足資金は主に銀行借り入れによって補っており、外食産業で成長性を求めるかぎり、この構造が大きく変化すると言うことは無いのではないかと思います。
5.株価
現在の株価は898円(11月27日)、予想PER236倍、実績PBR2.4倍という水準です。PBR、PERともに極めて高い水準になっています。
しかしPERの計算に置いては今期特別損失を20億円引き当てているイメージであり、もし23億円が利益だとすればPERは15倍程度だということになります。
6.その他評価
見てきた結果、2.4.5の評価として、通常であれば投資クラブとして購入を検討したりすることのない銘柄です。
しかし、今回この銘柄を挙げた大きな理由は、海外展開にあります。
実はトリドールは今期海外出店を47店舗予定しており、それも一挙に10か国での展開をほぼ同時に行っています。
個人的には10か国同時に展開してすべての国で上手くいくことはあり得ないと思いますが、1~2か国で成功すれば成長性と言う意味では十分希望が持てる展開になると思います。
決算資料などのイメージでは、近いうちに国内売上と海外売上がほぼ匹敵するイメージで描かれています。もしも本当にそのようなイメージが描けるようであれば、今後の株価は十分に成長性があるのではないかと思います。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
http://www.mlplanning.co.jp/
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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