なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
==「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか」==
(有料メルマガ第38回・2009/9/15配信号)
(前略)
相場環境が劣悪で、多くの投資家が株を投売りしてくることが、誰の目にも明らかになっているようなときは、どんなに割安な株でも、更に売り飛ばされて安 くなる可能性も出てきます。株を持っているだけで精神的な負担が高まって、株価のことが気になって、仕事でケアレスミスを連発したり、夜眠れなくなって事 故を起こす可能性が心配されるような時は、ポートフォリオの額を圧縮して、投資額を縮小することも、必要なことだと思います。
(中略)
株式市場というバトルフィールドで、敵が戦略核兵器を使うということが目に見えているならば、勇気ある撤退も戦術の想定の範囲内です。つまり「撤退する(ポートフォリオを縮小する)勇気をもつ」ことも兵士には必要な能力です。
(中略)
2006年1月末で会社を辞めた後、不動産流動化銘柄をはじめとして急速に株価が調整される場面が発生しました。かなりのキャッシュ・ポジションを確保 し、信用取引もまったく利用していないので、市場から強制退場させられる危険はありませんでした。しかし、2006年の投資の柱にしようと決めて投資をス タートしていたポートフォリオの主軸の2銘柄がともに下落し、私はメインの銘柄ではなかった不動産流動化銘柄などを売却して、ポートフォリオ全体を縮小し ました。
(中略)
長期のスタンスで買ったぶんは、損切りするつもりはまったくないのでしっかり握りこみましたが、さらに買い増すかどうかで、欲と恐怖に振り回されて、精神的ストレスは高まりました。
どんなに業績が良くても、割安でも、株価は需給でいくらでも下がることがあります。自分の性格から考えて、かなり熱くなってしまいそうな恐れがありまし た。投資は環境が悪いときほど、自分が不利なときほど冷静に対応することが必要になります。そこで、頭を冷やす意味で--冷静に対応できない可能性が高 まったので、ポジションを縮小しました。「相場では儲けそこなうのは罪ではない。追い込まれて再起不能な損をしてしまうことが罪なのだ」という言葉を唱え 続けた1ヶ月でした。
結果論で言えば、熱くなって資金投入を増やしたほうが、ポートフォリオの回復力は高まったのですが、撤退する勇気を持ち実行できたことを、むしろ喜んでいました。
この経験や、その時行なった投資資金の修正がサブプライム問題で世界中の株価が暴落した2008年に、どれほど損失を減らすことに貢献したか。資産の減少額の縮小がいかに精神的な緩衝材になってくれたかを、今後のコラムで書いていきたいと思います。
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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