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M生命保険会社のとある事業部について

2013/11/15 14:20 投稿

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今日は少し残念なお話。

 日系大手のM生命保険株式会社にはPMM(Personal Money Management)事業部と言う従来の日系生命保険会社の生命保険営業とは一線を画した営業部がありました。

 調べてみると、2000年に保険会社内部の指示で

「日本で初めての本格的なファイナンシャル・アドバイザリー事業を創りたい。キーは、徹底したクライアントファーストの姿勢(お客さまのためにベストを尽くす姿勢)と高品質なアドバイスを理念に捉えることだ。そうすれば、必ずお客さまはついてきてくださる。」

「日本で成功したファイナンシャル・アドバイザーの会社はまだない。君たちが、日本で最大・最優のファイナンシャル・アドバイザー集団を作り上げるんだ」

「そのために、ファイナンシャル・アドバイザリー事業のノウハウを持っている企業と業務提携を結ぼうと考えている。」

(会社HPより引用)

という想いを持って設立された部署であるようです。

 私も仕事柄ここに所属しているアドバイザーの方々とはお話しする機会が多かったのですが、

「生命保険商品がM生命の商品に限られる」
「勧められる投資信託の商品も決して手数料が安いものではない」

という欠点はあったにせよ、アドバイザーの人たちの考え方やクライアントに対する姿勢はまさにホームページにあるような理念に基づくもの。


「クライアントファースト」

これは、「お客さまのためにベストを尽くす」「お客さまのことを第一に考える」ということです。

 たとえば、ほとんどの提案はメリットとデメリットが背中合わせになっています。ですから、アドバイザーには、メリットとデメリットの両方を説明し、お客 さまのご意向を確認することが求められます。メリットだけを説明してデメリットを伏せるようなことは、クライアントファーストではありません。

(再び会社HPより引用)

であったように感じていました。

 しかし、M生命では今年の5月に何の前触れもなく「投資信託総合取引サービス」を終了し、単なる生命保険提案会社へと後戻りしてしまいました。
 残念ながら「クライアントファースト」で説明されていたように契約者に対して今後投資信託を扱わないことに対するデメリットについての説明はありませんでした。

 この原因は、私が以前からいっているように、

「生命保険の販売手数料」の方が「投資信託の販売手数料」と比較して圧倒的に高いために、目先の収益を考えると、クライアントに対して「投資」よりも「保険」を勧める方が自社の収益に寄与することにあります。

 この事業部は2003年から10年間存続したようですが、残念ながら設立当初の崇高な理念は、現実の前に10年間かけて形骸化されてしまいました。

 後は、こちらの事業部出身の人材は現在では多くの企業に分散しておりますので、リクルートのように金融アドバイザーの人材輩出事業部であったと言う歴史に繋がってくれることを祈念しております。

株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
http://www.mlplanning.co.jp/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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