こんにちは。株式会社ZUUの冨田和成です。
近頃、富裕層向けのビジネスや、プライベートバンクビジネスについてお届けすることが多かったのですが、本日は話題を変えてタイへの不動産投資について述べてみたいと思います。
東南アジアで金融ビジネスに従事していた時、不動産屋ではないのですが、不動産のことを聞かれることが少なからずありました。
シンガポールでもセントーサ島やマリーナベイ周辺・オーチャード近辺の不動産の話を特によく聞かれましたが、これがタイに移った後に、その何倍のペースで聞かれるようになりました。
億の近道をお読みの皆様にも海外不動産へ関心の深い方は多いと思いますので、今回はタイへの不動産投資について解説致します。
■なぜタイの不動産が人気なのか?
これは、シンガポールや香港、そしてマレーシアと比べると、比較的手頃な値段で購入できる物件が多いというのが大きいのでしょう。これは、バンコク中心 部だとしてもです。また、タイだったら、定期的に行けるし、不動産を保有していても良いかなという人が多いからというのもあると思います。
また、他によく聞く理由は、
「今後の成長予想から、為替利益や不動産の値上がり益を期待できる。」
という投資案件としての不動産、
「日本人が多い、また日本人のための店も多く、住みやすい。そのため、移住を検討している」
という住まいとしての不動産、
「天使の国だから」
という単純というか何というか、
などなど様々です(笑)。
■タイで外国人が所有できる不動産は?
ちなみに、タイで外国人が所有できる物件は、コンドミニアム(=日本のマンションとほぼ同義)のみです。一戸建て住宅や土地については、外国人は原則保有を認められていません。
しかも、コンドミニアムの購入も物件全体に対して過半(50%より多い)の”面積”(※部屋数ではない)を保有することもできません。物件の過半はタイ人が所有しなければならないルールになっています。
(※これらの対策として、タイ人をDirectorとして法人を設立し、その法人経由で購入するという方法が使われることもあるそうです。これはシンガポールなどでも使われるスキームでした。)
■購入資金はどうするのか?
タイでは不動産取得のためのローンは利用が原則できないようになっています。しかし、例外として、労働ビザ&労働許可書がある個人や、1年以上実態のあるB/Sの信頼度の高い法人は可能というルールになっています。
■日本の不動産との違いと投資以外のビジネス環境
ここが興味深い所であり、ビジネスチャンスが大きいと感じるところです。最も大きいのは「日本にように情報が整理されていない」ことです。
散乱され過ぎていて、各不動産会社が情報を握っている状態(牛耳っている?独占している?)です。
それが故に、同じ物件でも、会社によって全く違う価格が提示されるといったことが起こりやすく、舐められたら彼らの鴨になります。
これは日本でリクルートが住宅情報誌を出版し始めた前と似たような状態です。日本の不動産はリクルートが情報を整理して、消費者にとっては利便性が高まりました。
このような状況なため、タイにおける不動産イベントは大変に盛況です。なぜなら情報を制する者が不動産市場を制するといった状態だからです。多くの人が、新鮮な情報に飢えています。
また、これはタイだけの話ではありません。情報の非対称性は、新興国であればどこでも起こっています。それが、経済成長する過程で、インターネットやその他のメディアによって、一覧機能や比較機能が追加され、情報が整理されていくのだと思います。
その、バラバラな情報を整理するだけのことが、大きなビジネス機会になっていきます。これは、新興国ならどこでも一緒です。逆に、各先進国は既にまとめる過程を経験し終えたわけです。
■不動産価格の動向について
そもそものタイの不動産価格ですが、地価もコンドミニアムも、値段がリーマンショック後に急上昇しました。しかし、この数年は、上昇は継続しているものの、比較的安定してきたようです。
ただし、直近でも値上がりが止まらない地域が、特にバンコク中心部です。
■賃貸による利回り益を狙うか?転売による値上がり益を狙うか?
タイの不動産は管理が難しいといわれています。これは、管理会社の問題もあるようですが、そもそもの気候や環境の問題もあると考えられます。
熱帯性の気候で、雨期のような湿度の高い季節が存在することが大きいのでしょう。
管理が難しいが故に、不動産で儲ける外国人は転売を繰り返すやり方が多いようです。また、逆にタイ人は管理できる為、利回り目的の人が多いと見られています。
ちなみに、外国人が管理会社に管理を委託する場合、家賃の5%~10%を管理費として持ってかれるのが相場だそうです。
ただ、日本ほどの管理体制が望めない為、信用できる現地の会社を持たない場合、痛い目に合う可能性が高いそうで、プラス2~3%でもう一社間に入れることになります。
結果として、5%~10%+2~3%を払うことになるので利回りがよいとは考えられません。そのため、転売又は実際に住むという用途でなければ難しいのでしょう。
以前、現地の不動産会社の方に依頼を受け、日本からのVIP客のために、不動産ツアーに同伴しました。5スターホテルSt.Regisのコンドミニアム です。購入すると日本円で約5億円、借りると月130万円で、ホテル宿泊者とは別のプライベートラウンジ、プライベートプールなどがあります。タイの勢い を肌で感じさせられました。
東京オリンピックが決まり、日本の不動産にも注目が集まり出していますが、日本も負けじと良い流れに乗れると良いですね。
冨田和成
株式会社ZUU 代表取締役社長兼CEO
冨田和成プロフィール
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
近頃、富裕層向けのビジネスや、プライベートバンクビジネスについてお届けすることが多かったのですが、本日は話題を変えてタイへの不動産投資について述べてみたいと思います。
東南アジアで金融ビジネスに従事していた時、不動産屋ではないのですが、不動産のことを聞かれることが少なからずありました。
シンガポールでもセントーサ島やマリーナベイ周辺・オーチャード近辺の不動産の話を特によく聞かれましたが、これがタイに移った後に、その何倍のペースで聞かれるようになりました。
億の近道をお読みの皆様にも海外不動産へ関心の深い方は多いと思いますので、今回はタイへの不動産投資について解説致します。
■なぜタイの不動産が人気なのか?
これは、シンガポールや香港、そしてマレーシアと比べると、比較的手頃な値段で購入できる物件が多いというのが大きいのでしょう。これは、バンコク中心 部だとしてもです。また、タイだったら、定期的に行けるし、不動産を保有していても良いかなという人が多いからというのもあると思います。
また、他によく聞く理由は、
「今後の成長予想から、為替利益や不動産の値上がり益を期待できる。」
という投資案件としての不動産、
「日本人が多い、また日本人のための店も多く、住みやすい。そのため、移住を検討している」
という住まいとしての不動産、
「天使の国だから」
という単純というか何というか、
などなど様々です(笑)。
■タイで外国人が所有できる不動産は?
ちなみに、タイで外国人が所有できる物件は、コンドミニアム(=日本のマンションとほぼ同義)のみです。一戸建て住宅や土地については、外国人は原則保有を認められていません。
しかも、コンドミニアムの購入も物件全体に対して過半(50%より多い)の”面積”(※部屋数ではない)を保有することもできません。物件の過半はタイ人が所有しなければならないルールになっています。
(※これらの対策として、タイ人をDirectorとして法人を設立し、その法人経由で購入するという方法が使われることもあるそうです。これはシンガポールなどでも使われるスキームでした。)
■購入資金はどうするのか?
タイでは不動産取得のためのローンは利用が原則できないようになっています。しかし、例外として、労働ビザ&労働許可書がある個人や、1年以上実態のあるB/Sの信頼度の高い法人は可能というルールになっています。
■日本の不動産との違いと投資以外のビジネス環境
ここが興味深い所であり、ビジネスチャンスが大きいと感じるところです。最も大きいのは「日本にように情報が整理されていない」ことです。
散乱され過ぎていて、各不動産会社が情報を握っている状態(牛耳っている?独占している?)です。
それが故に、同じ物件でも、会社によって全く違う価格が提示されるといったことが起こりやすく、舐められたら彼らの鴨になります。
これは日本でリクルートが住宅情報誌を出版し始めた前と似たような状態です。日本の不動産はリクルートが情報を整理して、消費者にとっては利便性が高まりました。
このような状況なため、タイにおける不動産イベントは大変に盛況です。なぜなら情報を制する者が不動産市場を制するといった状態だからです。多くの人が、新鮮な情報に飢えています。
また、これはタイだけの話ではありません。情報の非対称性は、新興国であればどこでも起こっています。それが、経済成長する過程で、インターネットやその他のメディアによって、一覧機能や比較機能が追加され、情報が整理されていくのだと思います。
その、バラバラな情報を整理するだけのことが、大きなビジネス機会になっていきます。これは、新興国ならどこでも一緒です。逆に、各先進国は既にまとめる過程を経験し終えたわけです。
■不動産価格の動向について
そもそものタイの不動産価格ですが、地価もコンドミニアムも、値段がリーマンショック後に急上昇しました。しかし、この数年は、上昇は継続しているものの、比較的安定してきたようです。
ただし、直近でも値上がりが止まらない地域が、特にバンコク中心部です。
■賃貸による利回り益を狙うか?転売による値上がり益を狙うか?
タイの不動産は管理が難しいといわれています。これは、管理会社の問題もあるようですが、そもそもの気候や環境の問題もあると考えられます。
熱帯性の気候で、雨期のような湿度の高い季節が存在することが大きいのでしょう。
管理が難しいが故に、不動産で儲ける外国人は転売を繰り返すやり方が多いようです。また、逆にタイ人は管理できる為、利回り目的の人が多いと見られています。
ちなみに、外国人が管理会社に管理を委託する場合、家賃の5%~10%を管理費として持ってかれるのが相場だそうです。
ただ、日本ほどの管理体制が望めない為、信用できる現地の会社を持たない場合、痛い目に合う可能性が高いそうで、プラス2~3%でもう一社間に入れることになります。
結果として、5%~10%+2~3%を払うことになるので利回りがよいとは考えられません。そのため、転売又は実際に住むという用途でなければ難しいのでしょう。
以前、現地の不動産会社の方に依頼を受け、日本からのVIP客のために、不動産ツアーに同伴しました。5スターホテルSt.Regisのコンドミニアム です。購入すると日本円で約5億円、借りると月130万円で、ホテル宿泊者とは別のプライベートラウンジ、プライベートプールなどがあります。タイの勢い を肌で感じさせられました。
東京オリンピックが決まり、日本の不動産にも注目が集まり出していますが、日本も負けじと良い流れに乗れると良いですね。
冨田和成
株式会社ZUU 代表取締役社長兼CEO
冨田和成プロフィール
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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