全体相場は日経平均15000円を前にジワジワと値を上げ、9月配当落ちもあっさり埋めて強い展開が継続しています。
そうした2013年の秋相場到来の中、多くの読者の皆様におかれましては投資先企業の将来性を吟味しながら、運用に努めておられるものと思われます。
全体相場は上昇していても個別株はまた千差万別。投資したけどなかなか上がらないとぼやく多くの投資家の悩みが株式市場にはうごめいたりもします。バイ アンドホールド型のオーソドックスな運用では我慢も必要ですが、限られた資金を効率的に売り買いして儲けようという投資家(投機家)にとっては日中や日々 の値動きこそチャンスと捉えて市場に向き合っておられるものと拝察致します。
ただ、究極の目標は投資資産(アセット)の増殖にあるのであって、個別株の株価に過度に一喜一憂しても仕方がないと思います。
買った株がいつ上がるのかわからないというのはリスクに挑戦するタイプよりも割安感のある銘柄ながら流動性に欠けている銘柄への投資にあります。
誰でも知っている有名ブランド銘柄には多くのファンがついていて全体相場が上昇相場する局面では多少でも連動して動きますが、余り知られていない銘柄に ついては余程IRへの注力がないと変動が見られません。力のある投資家に先導役となってもらうしかないのが現状で、そうした意識のある投資家がたまにまと めて買い出すと変動をするというのが常なのかと思います。
時価総額は企業が稼ぐ利益(特に経常利益)の倍率で表すことができます。当期利益をベースとしたPERと似た尺度ですが、特損の計上でイレギュラーにな りがちな当期利益よりも企業の実力を表す経常利益をベースにその5倍とか10倍といった時価総額データを企業評価の根底として考えていくことになります。 およそ3600社近い上場企業の時価総額合計が日本の国力の象徴となります。
時価総額を増加させる企業に投資家は関心を持つ必要がありますが、市場人気はそうした冷静さを時に失うこともあります。
需給に影響されて形成された株価に個人投資家はついつい、つられることになります。気がつくとそこには誰もいなかったなんてこともあり、大きな評価損を抱えてしまうという事例が過去たくさんありましたし、これからもたくさん出てくることでしょう。
資産の増殖を安定的に図るには割安かどうかを判断しながらリスクを分散しないとなりません。株は生き物のようで、変動が激しく明日一度にどうなるかわからないようなリスクを冒してまで取り組む必要はないと思われます。
着実な運用を心掛けておられる方にとってはバリュー価値のある銘柄、成長の芽がある銘柄、材料を内包している銘柄などに分散投資されて投資した銘柄がスポットライトを浴びる日を待ちわびる姿勢が必要です。
短期に動きそうな銘柄に目がいきがちなことから、PBRが0.5倍前後でPERも8倍以下といった割安感のある銘柄がなかなか動かない状況の中で我慢の 局面が続きます。市場平均並みにそれらが評価されるようになれば比率にもよりますが運用資産は増殖します。市場平均並みの評価を意識していくには発行体企 業も相応の努力が必要であり投資家とのコラボが求められますが、市場参加者にとっては自然体で新たなリスクマネーを投じる投資家を待つ姿勢が必要となりま す。
需給を考えるとそうしたニューリスクマネーは年が明けてから動きが出てくると考えられます。それまでは一般個人投資家として割安銘柄の下値をコツコツと投資していくことにしてはどうでしょうか。
こうした言わば定期預金型の割安株投資がある一方で、やや投資というより投機的な材料株による株式運用も時折々の局面で華やかになります。東京でオリン ピック開催が決まった瞬間からその関連企業に投資しようとする流れが活発になったのもその材料株物色の流れと言うことができます。創薬ベンチャーへの物色 も材料株による運用の典型例です。足下では新たなノーベル賞受賞者の発表が10月7日に迫っていることからその関連銘柄(コスモバイオ、医学生物学研究所 など)への物色が見られますが、目まぐるしく動く材料株投資についていくのはなかなか大変だと思いますがそこにはスピード感とタイミングが問われます。
多くの投資家は新たな材料やテーマを求めています。ここでは秋相場の2面性を理解しながら運用に努めていきたいところです。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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