これから数か月間が山場と思われるTPP交渉。オリンピック招致や消費税議論の陰に隠れてニュースが少なくなっていると感じますが、日本が重点品目に挙げているもので主だったものは下記の通りです。
牛肉 4,400億円
麦 109億円
コメ 18,000億円
砂糖 839億円
乳製品 6,620億円
昨年の生産額データですが合計で約3兆円になります。TPP交渉ではこれらを中心に主要農水産物を死守すると言っている訳ですが…。
農水省によると、TPPで関税が撤廃されると上記の生産の大半が失われ、国内の農水産業全体では約7兆円ある生産額のうち3兆円が減少してしまうと主張 しています。そしてこれに関係する流通や加工業なども含めると関連産業も含めて壊滅的な打撃があるという説明です。その中でもコメについては2010年度 の試算で19,000億円が無くなってしまうと試算しています。
…とは言うものの、昨年度の生産額を上回る額が消滅するとは不可解過ぎますよね。
ご存じの通り農水省の試算は、比較対象として国内産米60kg辺り当時で約18,000円に対して、過去に世界でも最も安かった3,000円ほどの中国産米を品質や流通コストも全く無視して単純比較し、国内産米が売れなくなるからと言う前提だからです。
色々と内なる事情もあるのでしょうが何と身勝手な理屈でしょうか。国の将来を左右する重要な議論をしていると言うのに、全くもって無責任な役所と言わざ るを得ません。民間企業の経営会議でこんな無茶苦茶な資料を出そうものなら責任者の首が飛ぶくらいでは済まないはずですが、農水ゴキブリ達からはそのよう な緊張感や倫理観の欠片すら感じられません。こんな役所は一旦解体して作り直さねば国が滅びます。
調べてみたところ、国内産の主力米と比較できる海外産米の販売価格を想定すると、流通や保管コストも含めてザックリ10,000円くらいになりそうで す。昨年2012年度米が「高い、高い」と言われながら全農が決めた平均価格が16,500円で、需要がダブついてきた今年の春頃からは13,000円台 の取引(全農を通さない)もあったようですから、実体は生産者努力で何とかなりそうなレベルであると考えるのが普通ではないでしょうか?しかも国内産米に 対抗できる海外産米には生産量に限度があり、簡単に輸入が増えることも非現実的ですから、時間をかけて真面目に産業育成すれば(得票のための農家・農業の 隷属化行政を止めることなど)幾らでも対応策は出て来そうです。
要はTPPに反対している理由とは、自身の存在意義を失いたくない全農を始めとした関連天下り組織の利権維持・確保のために価格を管理したい、補助金を 失いたくない…等々の様々な既得権が絡んでいるだけです。これら一握りの既得権者の利益を守るために、圧倒的多数の消費者がわざわざ諸外国に比べて高い米 を買わされ続けている構図です。
地方での票格差のメリットを受けて当選しているハナクソ議員が、既得権者である支援団体からの圧力を受けて農水省にねじ込み、一方の役所側は便宜を図る 見返りとしてそれを逆手にとって自分達の利権をせっせと膨らませてきた歴史です。こんな嘘だらけの議論が何十年も繰り返されてきました。
その根本原因は、心の弱い人間(この場合ハナクソ)が票格差という制度疲労(ぬるま湯)から抜け出せないからです。そしてこの構図は農水省に限らず、疫病のように全省庁に蔓延しています。
7月の参院選についても年内に違憲判決が出そうな雲行きです。○増△減などと言う小手先の議論ではなく、しっかりとした票格差議論の出来る心の強い政治家の登場を国民は待っています。
何をすれば日本の景気が回復し、金融市場も力強く成長し、そして正常に機能するのか?債券市場が安定し、株式市場は拡大するのか?…世界の投資家は日本 が変われるのか否かを見ています。オリンピックでどこが儲かる、増税でどこの売り上げが落ちる、公共工事が増える、または減る、中国の首脳がこう言った、 ああ言った…などで株価が大きく振れるのは、投機ファンドがそれらを材料にして相場を動かしたいからです。これに振り回されるような投資をしてはいけませ ん。
もっと長い目で日本への投資を考えねばいけないのですが、消費税や社会保障費の見直しなどは大事であるものの、まずは票格差を維持したままでは難しいと 考えています。それ故に転ばぬ先の杖ではないですが、万が一の為に、可能な範囲で海外投資の枠を広げておくべきと考えています。
10数年前は豪ドルが人気でした。当時の円/豪ドルは60円くらいで利回りも4~5%ありました。ここ10年間の豪ドルの動きは60円弱~100円強の 幅での値動きであり平均すると80~90円辺りですので、単純計算でも当時100の資産を投資していれば複利で200辺りまで増加している計算です。
一方で安全かもしれませんが国内銀行に預けるか国債に投資していたとしたら、せいぜい110程度にしか増えていません。そんな訳で自分でも利回りの高い 外国債券を探して、少しずつですがタイミングを計りつつ投資をしています。豪ドルにつきましては随分以前から外貨建てMMFに入れたままにしています。 MMFはランニングコストが低いですから放っておいても余り気にならない金融商品で気に入っています。コストの面などを重視すればFX取引をすれば良いの でしょうし、アイ・シェアーズで特定の商品に投資するなど工夫すれば良さそうなものですが、値動きの大きい商品だと頻繁に入れ替えをしたくなる性格ですの で避けています。下手に動かすと損が出易いですから…私の場合は特に(笑)。
日本は既に成熟国の仲間入りをしていますから、その流れに従うなら投資・運用も大事な事業と位置付け出来ます。しっかりと勉強して(もちろん無理をせ ず)お金にも稼いでもらうことも大事な時代になってきました。これからも使う予定の無いお金(余裕資産)であれば、私なら出来るだけ海外に投資します。同 時に投資の勉強をするだけで経済や政治、世界情勢の勉強にもなりますから一石二鳥です。
国内株式であれば石川臨太郎さん銘柄で、 例えば、エイチワン(5989)や萩原工業(7856)なども割安かなぁ?などと感じています。業績もいいし財務面や各指標面も割安で年間配当も2%台で すから。メジャーな銘柄では無い故?に放置されていますが、市場ムードが悪くなったり、いつまでも株価低迷が続くなどがなければ、あとは株主対策をしっか り考えている会社か否かが判断材料になるかと思います。
あと、商社株は(好きなんですかねぇ~、笑)ずっと持ち続けています。今より安いところで買いましたし毎年3%以上の配当がありますから、買った価格より安く売ることさえしなければ銀行預金より30倍も良い手取りになります。
申し上げたいのは、くれぐれも大手金融機関の美味しい話に乗ってはいけないと言うことです。下手に手の込んだ投資信託など買ってしまうと典型的な塩漬け (損失)資産になります。手間がかかればかかる商品ほど保有コスト(金融機関側の儲け)が高く、マイナス圏から二度と復帰することのない金融商品を山ほど 見てきましたから。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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