人気のある銘柄(出来高があって右肩トレンドが続く銘柄)に投資家は集まってきて日々の売買を繰り返しています。その間、人気離散した企業としての活動は粛々と続けられていますので実力は蓄積されているものと推察されます。
いつそうした成果が表現されるのかはわからないけど株価水準ではもうそろそろと思われる銘柄も見られます。そうした銘柄でポートフォリオを組んでみるのも面白いのかも知れません。
【実力&人気復活待ちのスマホ関連3銘柄】
1.ミクシィ(2121)時価1451円 時価総額225億円
国内最大級のSNS企業 上場後初めての四半期赤字転落を8月9日に発表。同日に説明会を実施。通期経常利益見通し10億円。構造的赤字を許さないとの 若い朝倉社長の発言は心強い。中国の開発拠点閉鎖で四半期のコストを50百万円削減。新規投資に向ける方針。スマホアプリ開発に注力。そのためのスマホア プリエンジニアを大幅増強。5月からスマホ版ゲームでDeNAと連携。
今回興味深いのはマイマーキュリーキャピタルで50億円の投資を行うと発表したことと9月に(株)ノハナ(フォトブック提供)の設立を行うとしたこと。 プランナオ、デプロイゲートといった新規事業への取り組みを表明したことなど。また個人間売買(マイ取引)事業を7月から開始したことも興味深い。SNS 大手の同社ならではの新規事業で、これからの潮流だと考えられます。
財務的には期末現預金100億円以上でキャッシュは潤沢でブランド力もありますので今後の復活に期待がもたれます。
過去の株価は上場時の公募価格155万円に対して初値295万円、その後の高値325万円、2分割実施後の高値210万円(時価総額2980億円)、 100分割換算株価21000円でピークをつけ、時価は1451円。ピーク時の時価総額は現在225億円で10分の1の水準となっています。上場時の公募 価格の時価総額は1100億円ですから、それに比べても5分の1の水準です。上場時の成長期待は裏切られてしまった格好ですが、これからの復活があるのか 注意深く見守りたいところです。
2.エムティーアイ(9438)時価735円 時価総額98億円
「Music.jp」「ルナルナ」などのモバイルコンテンツの配信会社。スマホ向け有料会員数で国内最大規模。フューチャーホンからスマホへの移行が続 く中でプロモーションコストが増加し、業績が停滞。株価の低迷が続くが、2013.9期第3四半期期間の業績は一転して増収増益となりました。通期の計画 は変えていませんが、進捗状況は順調で9日に開催された説明会での前多社長の表情も明るかったことから低迷状態の株価に多少はインパクトをもたらすと期待 されます。
特にリアルアフィリエイトによる会員の獲得が堅調であった点、iPhone向けの取り組みが10月に向け本格化すること、歩留まり率の向上が見込めると いった社長の発言からどうやら会員数を増加させながら利益も伸ばしていける状況になってきたと見られますので期待したいと思います。7月開始の動画配信も 順調で音楽、健康といったジャンルに更に新たなコンテンツが加わると会員数の増加にも貢献すると期待されます。
同社の株価は1,2年周期で上下しています。下降局面がここ2年近く続いてきましたのでそろそろ買いスタンスに転換してみたいところです。2011年9 月期の経常利益は37億円でピークをつけましたが、第3四半期だけを取ってみると8.3億円の経常利益でしたので実力的には年間33億円の経常利益を上げ られる企業だとの認識をもちたいところです。それ以上にスマホアプリ関連銘柄の中で最も人気のあるアプリ企業である点を改めて評価しておきたいと思いま す。
3.アルチザネットワークス(6778)
時価28900円 時価総額27.6億円
通信計測機器の開発ベンチャー。大規模携帯基地局が主力。キャリアが通信スピードやつながりやすさを競う中でLTEアドバンスという次世代ネットワーク へのニーズが高まっており、そのためのR&Dを継続しながらキャリアのニーズに応えていくことを使命として活動中。つまり収益よりも研究開発を先行してい る状況下で利益が思ったほど出てこない点が投資家の期待に応えられていない背景となっています。
このため株価は長期にわたって下落トレンドを継続。赤字の見通しから継続前提に重要事象がついていると四季報などで伝えられ、株価の低迷に拍車がかかっ ています。赤字見通しながら四半期ごとの業績を見ると2013.7期第3四半期の業績は黒字化しています。累計では赤字ながら浮上の可能性が感じられる決 算ではありました。通期決算は9月5日に発表されますが、結果に注目したいと思います。通期の赤字幅が計画より縮小し、来期の見通しが黒字化できるとの見 通しとなれば株価も改めて見直されると期待されます。第3四半期の現預金は15億円を確保しており、本格的な売上計上が期待される来期には数億円規模の経 常黒字を期待したいと思います。
2001年7月に上場した同社はベンチャー企業と言うにはやや時間が経過し過ぎていますが、スマホのキャリアにとっては欠かせない存在とも言えます。も し売上規模が24億円程度まで拡大したとすればR&D費用の増加をこなして大きく利益を確保することになると考えられますが、果たしてどうなりますでしょ うか。
現状の時価総額は27.6億円にしか過ぎず、PBRは0.7倍、自己資本比率は90.5%で財務内容は比較的良好なため、見直しの余地が常にあります。
要するに投資家は赤字の創薬ベンチャーを高く評価し赤字の通信計測機器開発企業は見向きもしない状態になっているのです。結果としての投資成果は同社の 業績が黒字化しないとなりませんが、多少でも黒字化見通しが出れば改めて評価されると期待されます。更に期中に下方修正がない確信が生まれないと本格的な 株価上昇はないと思われますが、かつての時価総額は2002年の2月ピーク58.6万円をつけた際の556億円です。ここから11年を経て直近安値時の時 価総額20億円から直近の28億円程度で上下している株価の見直しがあるのかどうか注目しておきたいと思います。
(炎)
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