こんにちは。
株式会社ZUUの冨田和成です。
前回、前々回と 2012年に崩壊したアメリカのソーシャルバブルを例に、バブル崩壊の仕組みと今後の注意点をお伝えさせて頂く記事をお届けしました。ここまでで1999 年~2012年の間に起きた3つのバブルが発生し崩壊した経緯や、そもそもなぜバブルが発生するのかという根本要因についてお伝えしてきました。本日はそ の続編として今後の発生が予想されるバブルを上手く収益機会とするために、以下のような切り口でお届けします。
【バブル崩壊後もマクロ環境に関係なく生き残る企業は生き残る】
【次のバブルへ向けての収益機会1)生き残り成長する起業家の特徴】
【次のバブルへ向けての収益機会2)次々と生まれる次期Facebook予備軍】
【バブル崩壊後もマクロ環境に関係なく生き残る企業は生き残る】
バブルの崩壊というと悲惨なイメージをお持ちになる方も多いかもしれません。
ただ肝心なことは、バブルが崩壊しても業界全体の資金供給量や商売機会が減るだけで、優良企業は生き残り続けるということです。何度もネットの潮流を経験しながら、マイクロソフトもアップルもイーベイもグーグルもアマゾンも長年生き残っています。
日本でも、ソフトバンクはネットバブル時と比較して株価が何十分の一になろうが、過去最高益を更新し続けているわけです。また、2005年頃には注目の 的だったサイバーエージェントや楽天だって、当時と比べて数倍の規模のビジネスにまで拡大し、世界展開も本格化しています。
このように、バブルが崩壊したからといって全ての企業が潰れるわけではありません。優良企業は生き残ります。加えて、上述したように6年前後で次のブー ムが訪れます。そこまでに、また新たな潮流に乗る企業群が出現していますし、当時生き残った企業はまたマクロ環境の恩恵を全面に受け急加速します。
【次のバブルへ向けての収益機会1)生き残り成長する起業家の特徴】
このような話をさせて頂くと、ネット起業家、特にシリコンバレーの人達からは「マクロなんて関係ない、自分達が良いものを創るだけだ」と言われるかもしれません。やはり、インターネット系の起業家の人達にはこの発想の人が多いと感じます。
この様に考える起業家の皆さまは心から尊敬しますし、私自身もその考え方が大好きです。また、その気持ちがイノベーションに繋がるのだと思います。
確かに、マクロ経済が良好だから参入するみたいな発想は、タイムマシン経営と同等の発想です。良いものはどんな環境でも売れるし、そもそも新たな市場を創出しようとするのがイノベーションだとも言えるでしょう。
しかし、資金の流れだけは起業家の側からは変えられないという現実もあります。そして、資金が枯渇すればビジネスが回らないという現実もあります。よくビジネスはヒト・モノ・カネだという話がありますが、当然ヒトもモノもカネという対価と交換で手に入れるものです。
そういった意味で、このようなカネの使い方、考え方が真っ当なネット企業は上手く荒波を乗り越えてきました。日本でも、ソフトバンクの孫社長はM&Aと 資金調達をうまく活用しながら急速の成長を遂げてきました。また楽天の三木谷社長も、元々銀行出身ということもあり、カネの使い方に長けています。
次回のネットバブル(上述したように今から5年程度で訪れる可能性がある)までの長期的な銘柄選択を考える上で、その企業の経営者の“カネの生かし方”は非常に重要な視点だと考えられます。
【次のバブルへ向けての収益機会2)次々と生まれる次期Facebook予備軍】
また、次のバブルで収益機会を掴むために、もう一つヒントになるかもしれないのがGoogleやFacebookの創業年です。Googleは1998年創業、Facebookは2004年の創業といずれもバブルが盛り上がる1年程前に創業しています。
1年という数字はおそらく偶然なのでしょうが、2017年~2018年頃に訪れるかもしれないバブルの時に大きく注目されるテーマや会社は、既に登場している可能性が充分にあると思います。
そこで、今回のネットバブルに関する一連の記事の締めとして、今後大きく伸びるかもしれない注目のビジネステーマや技術テーマについてまとめてみました。未上場企業が多く、すぐに投資テーマとなるわけでは無いのですが、何かしらの参考にして頂ければと思います。
◯ウェアラブルコンピュータ
ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)は、身につけて持ち歩くことが出来るコンピュータという意味です。小さくて軽いデバイ スで構成され、腕時計のように身につけるものから、衣服にコンピュータが組込まれるものまで多様な研究や実用化が進んでいます。
そして現在、この分野で最も注目を集めているのは「Google Glass」や「telepathy」 などの眼鏡型デバイスです。前者その名の通りGoogle(GOOG:US)が開発中の眼鏡型デバイス、後者は私自身も少しお手伝いさせて頂いているので すが、世界カメラで有名な頓智ドットの創業者、井口尊仁さんが新たに立ち上げたtelepathyが開発中のデバイスです。眼鏡型デバイスはスマートフォ ンやタブレットの次の主流デバイスになる可能性があると言われており、注目が集まっています。
◯ネットTV
AppleTVやGoogleTVなどのキーワードで、一時期大変な注目を集めていました。既にyoutubeのような動画サイトも、テレビ局などによ るオンデマンド放送なども存在していますが、Apple(AAPL:US)やGoogle(GOOG:US)などは動画の配信だけではなく、受信するテレ ビ自体に革命を起こそうと画策していると言われています。情報が限られているので詳細は不明ですが、注目分野の一つです。
なお、動画×ITと切り口を広げますと「動画教育」の分野も今後伸びるのではと言われています。有名なところでアメリカのKhanacademyは、無料で教育動画の配信を行っており、NPOでありながら数十億円単位の資金調達に成
功しています。
◯拡張現実
拡張現実(Augmented Reality 略称はAR)は、スマートフォンなどのデバイスを使って、「人間が普段認識している現実を拡張しよう」という概念です。具体的には、風景 の中に信号を発信するセンサー等が配置されており、スマートフォンのカメラを通してみると、肉眼で見るものとは違う景色や現実には存在しないものが画面に 映るという風に使われます。
ウェアラブルコンピュータで触れたtelepathyの井口尊仁さんが、以前創業された頓智ドットの世界カメラが有名です。
なおこの分野は技術的な積上げが重要なため、AR関連のゲームを開発するソニー(6758)や前述の世界カメラ搭載スマートフォンを提供するKDDI(9433)、AR駐車場案内を行うサービスを行っている三井不動産(8801)などの大企業も力を入れています。
◯政治×IT
政治でのIT(ネット)活用も、現在大変注目されている分野です。
身近な話題で言えば、今年夏に予定されている参院選から日本でもインターネット選挙が解禁されるとあって、IT各社が色めき立っています。
例えばニコニコ動画を使った討論会などが予想されるドワンゴ(3715)、政治家の利用者も多く選挙期間中はより一層の盛り上がりが期待されるアメーバ ブログを運営するサイバーエージェント(4751)などは政治家のPRという面から注目されています。他にもネット上での成り済まし防止に力を入れる GMOインターネット(9449)や、ネットを活用した調査会社として業界トップなどのマクロミル(3730)などもこの分野で注目を集めています。
なお、ネット選挙が進んでいる海外では政治×ITの分野もより進んでいるようです。
昨年の11月、アメリカではオバマ氏が選挙戦を制し、大統領に再選されることが決まりました。アメリカの選挙戦というと、マスメディアを大きく巻き込んでの派手なキャンペーン合戦を思い浮かべがちです。
しかし、ソーシャルメディアの浸透が進んだ現在、アメリカの選挙戦ではマスメディアを用いた大掛かりなキャンペーンではなく、インターネットを通した草の根のキャンペーンによる支持の拡大が重要になったといわれています。
また民主党のオバマ大統領陣営は、後述する米Square(スマートフォンをクレジット決済端末へと変えるガジェットとサービスを提供)を活用して、街 中でクレジットカードによる小口での個人献金を募るという選挙戦術に出ました。(アメリカでは近年、たとえ小額な個人献金の積み重ねが、選挙結果に大きな 影響を与えるようになってきたといわれています。)
そして対立候補であった共和党のロムニー氏もこの動きに追随します。これにより、各陣営の選挙ボランティアは、街角でスマートフォンを片手に各候補の支 持を訴えるとともに、同時に小額の個人献金を募るこということを行うということが2012年の米国大統領選では行われることとなりました。
◯物作り×IT
物作り=製造業の分野にも、インターネットによる革命を起こそうという動きが盛んです。ネットの世界では、Apple(AAPL:US)や Google(GOOG:US)などがOSやアプリ流通プラットフォームを提供し、またサーバーコストも大きく低下したことで、起業のコストとリスクが大 きく低下しました。結果、イノベーションが加速するという変化が生じています。
そして、現在製造業の分野でも、簡単に部品などを作成できる3Dプリンターの普及や、東南アジアなどへ製造のみを外部発注するモデルの普及により、起業 や新規開発のコストが低下しました。結果メーカーズ(MAKERS)と呼ばれる物作り系の起業が増え始めています。国内でもアジア向けに電動バイクを輸出 するテラモーターズや、電動車椅子を開発しているWHILL、国内に3社しか無い宇宙を目指す民間ベンチャーの3Dエアロスペースなどが注目を集めていま す。
また、大企業でも高精度のセンサーを詮索するキーエンス(6861)や、3Dプリンター大手の3DSystems(DDD:US)などもこの分野では有名です。
◯金融×IT
国内では楽天証券やライフネット生命(7157)などが既に有名ですが、今後「ネット×金融」の分野が加速度的に盛り上がるのでは言われています。 金 融の中でも例えば決済に特化した場合は、米Squareや日本のコイニーなどが有名です。両社とも今までクレジットカードが使えなかったような小規模なお 店でも安価でクレジット決済を導入するためのデバイスを提供しています。
また金融×ITで有名と言えばクラウドファンディングもこれにあたります。クラウドファンディングはインターネットを通して個人や企業が広く資金を求め るモデルです。今までは、寄付や未完成の商品を将来購入するということでお金を渡す事前購入モデルなど、出資や融資ではない方式が一般的でした。
しかし昨年米国で法改正が進み、今後クラウドファンディングのモデルでも企業に対し出資することが可能となります。また、日本政府もこの動きに追随しており、変化が進むのではと期待が持たれています。
この分野では、米Kickstarterや日本のキャンプファイヤーなどが有名です。
また、私が立ち上げた株式会社ZUUは、決済でもクラウドファンディングでもありませんが、金融×IT(正確には金融×IT×教育)を事業領域としております。この金融×ITの分野で大成出来るよう、日々全力で取り組んでおります。
以上、3回に分けて、米国のソーシャルバブルを題材にしつつバブル崩壊の仕組みと今後の注意点、また次のバブルに備えるにはというテーマで書かせて頂きました。
もし更に深堀して欲しいテーマなどありましたら、お寄せいただけますと幸甚です。
(冨田和成)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
株式会社ZUUの冨田和成です。
前回、前々回と 2012年に崩壊したアメリカのソーシャルバブルを例に、バブル崩壊の仕組みと今後の注意点をお伝えさせて頂く記事をお届けしました。ここまでで1999 年~2012年の間に起きた3つのバブルが発生し崩壊した経緯や、そもそもなぜバブルが発生するのかという根本要因についてお伝えしてきました。本日はそ の続編として今後の発生が予想されるバブルを上手く収益機会とするために、以下のような切り口でお届けします。
【バブル崩壊後もマクロ環境に関係なく生き残る企業は生き残る】
【次のバブルへ向けての収益機会1)生き残り成長する起業家の特徴】
【次のバブルへ向けての収益機会2)次々と生まれる次期Facebook予備軍】
【バブル崩壊後もマクロ環境に関係なく生き残る企業は生き残る】
バブルの崩壊というと悲惨なイメージをお持ちになる方も多いかもしれません。
ただ肝心なことは、バブルが崩壊しても業界全体の資金供給量や商売機会が減るだけで、優良企業は生き残り続けるということです。何度もネットの潮流を経験しながら、マイクロソフトもアップルもイーベイもグーグルもアマゾンも長年生き残っています。
日本でも、ソフトバンクはネットバブル時と比較して株価が何十分の一になろうが、過去最高益を更新し続けているわけです。また、2005年頃には注目の 的だったサイバーエージェントや楽天だって、当時と比べて数倍の規模のビジネスにまで拡大し、世界展開も本格化しています。
このように、バブルが崩壊したからといって全ての企業が潰れるわけではありません。優良企業は生き残ります。加えて、上述したように6年前後で次のブー ムが訪れます。そこまでに、また新たな潮流に乗る企業群が出現していますし、当時生き残った企業はまたマクロ環境の恩恵を全面に受け急加速します。
【次のバブルへ向けての収益機会1)生き残り成長する起業家の特徴】
このような話をさせて頂くと、ネット起業家、特にシリコンバレーの人達からは「マクロなんて関係ない、自分達が良いものを創るだけだ」と言われるかもしれません。やはり、インターネット系の起業家の人達にはこの発想の人が多いと感じます。
この様に考える起業家の皆さまは心から尊敬しますし、私自身もその考え方が大好きです。また、その気持ちがイノベーションに繋がるのだと思います。
確かに、マクロ経済が良好だから参入するみたいな発想は、タイムマシン経営と同等の発想です。良いものはどんな環境でも売れるし、そもそも新たな市場を創出しようとするのがイノベーションだとも言えるでしょう。
しかし、資金の流れだけは起業家の側からは変えられないという現実もあります。そして、資金が枯渇すればビジネスが回らないという現実もあります。よくビジネスはヒト・モノ・カネだという話がありますが、当然ヒトもモノもカネという対価と交換で手に入れるものです。
そういった意味で、このようなカネの使い方、考え方が真っ当なネット企業は上手く荒波を乗り越えてきました。日本でも、ソフトバンクの孫社長はM&Aと 資金調達をうまく活用しながら急速の成長を遂げてきました。また楽天の三木谷社長も、元々銀行出身ということもあり、カネの使い方に長けています。
次回のネットバブル(上述したように今から5年程度で訪れる可能性がある)までの長期的な銘柄選択を考える上で、その企業の経営者の“カネの生かし方”は非常に重要な視点だと考えられます。
【次のバブルへ向けての収益機会2)次々と生まれる次期Facebook予備軍】
また、次のバブルで収益機会を掴むために、もう一つヒントになるかもしれないのがGoogleやFacebookの創業年です。Googleは1998年創業、Facebookは2004年の創業といずれもバブルが盛り上がる1年程前に創業しています。
1年という数字はおそらく偶然なのでしょうが、2017年~2018年頃に訪れるかもしれないバブルの時に大きく注目されるテーマや会社は、既に登場している可能性が充分にあると思います。
そこで、今回のネットバブルに関する一連の記事の締めとして、今後大きく伸びるかもしれない注目のビジネステーマや技術テーマについてまとめてみました。未上場企業が多く、すぐに投資テーマとなるわけでは無いのですが、何かしらの参考にして頂ければと思います。
◯ウェアラブルコンピュータ
ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)は、身につけて持ち歩くことが出来るコンピュータという意味です。小さくて軽いデバイ スで構成され、腕時計のように身につけるものから、衣服にコンピュータが組込まれるものまで多様な研究や実用化が進んでいます。
そして現在、この分野で最も注目を集めているのは「Google Glass」や「telepathy」 などの眼鏡型デバイスです。前者その名の通りGoogle(GOOG:US)が開発中の眼鏡型デバイス、後者は私自身も少しお手伝いさせて頂いているので すが、世界カメラで有名な頓智ドットの創業者、井口尊仁さんが新たに立ち上げたtelepathyが開発中のデバイスです。眼鏡型デバイスはスマートフォ ンやタブレットの次の主流デバイスになる可能性があると言われており、注目が集まっています。
◯ネットTV
AppleTVやGoogleTVなどのキーワードで、一時期大変な注目を集めていました。既にyoutubeのような動画サイトも、テレビ局などによ るオンデマンド放送なども存在していますが、Apple(AAPL:US)やGoogle(GOOG:US)などは動画の配信だけではなく、受信するテレ ビ自体に革命を起こそうと画策していると言われています。情報が限られているので詳細は不明ですが、注目分野の一つです。
なお、動画×ITと切り口を広げますと「動画教育」の分野も今後伸びるのではと言われています。有名なところでアメリカのKhanacademyは、無料で教育動画の配信を行っており、NPOでありながら数十億円単位の資金調達に成
功しています。
◯拡張現実
拡張現実(Augmented Reality 略称はAR)は、スマートフォンなどのデバイスを使って、「人間が普段認識している現実を拡張しよう」という概念です。具体的には、風景 の中に信号を発信するセンサー等が配置されており、スマートフォンのカメラを通してみると、肉眼で見るものとは違う景色や現実には存在しないものが画面に 映るという風に使われます。
ウェアラブルコンピュータで触れたtelepathyの井口尊仁さんが、以前創業された頓智ドットの世界カメラが有名です。
なおこの分野は技術的な積上げが重要なため、AR関連のゲームを開発するソニー(6758)や前述の世界カメラ搭載スマートフォンを提供するKDDI(9433)、AR駐車場案内を行うサービスを行っている三井不動産(8801)などの大企業も力を入れています。
◯政治×IT
政治でのIT(ネット)活用も、現在大変注目されている分野です。
身近な話題で言えば、今年夏に予定されている参院選から日本でもインターネット選挙が解禁されるとあって、IT各社が色めき立っています。
例えばニコニコ動画を使った討論会などが予想されるドワンゴ(3715)、政治家の利用者も多く選挙期間中はより一層の盛り上がりが期待されるアメーバ ブログを運営するサイバーエージェント(4751)などは政治家のPRという面から注目されています。他にもネット上での成り済まし防止に力を入れる GMOインターネット(9449)や、ネットを活用した調査会社として業界トップなどのマクロミル(3730)などもこの分野で注目を集めています。
なお、ネット選挙が進んでいる海外では政治×ITの分野もより進んでいるようです。
昨年の11月、アメリカではオバマ氏が選挙戦を制し、大統領に再選されることが決まりました。アメリカの選挙戦というと、マスメディアを大きく巻き込んでの派手なキャンペーン合戦を思い浮かべがちです。
しかし、ソーシャルメディアの浸透が進んだ現在、アメリカの選挙戦ではマスメディアを用いた大掛かりなキャンペーンではなく、インターネットを通した草の根のキャンペーンによる支持の拡大が重要になったといわれています。
また民主党のオバマ大統領陣営は、後述する米Square(スマートフォンをクレジット決済端末へと変えるガジェットとサービスを提供)を活用して、街 中でクレジットカードによる小口での個人献金を募るという選挙戦術に出ました。(アメリカでは近年、たとえ小額な個人献金の積み重ねが、選挙結果に大きな 影響を与えるようになってきたといわれています。)
そして対立候補であった共和党のロムニー氏もこの動きに追随します。これにより、各陣営の選挙ボランティアは、街角でスマートフォンを片手に各候補の支 持を訴えるとともに、同時に小額の個人献金を募るこということを行うということが2012年の米国大統領選では行われることとなりました。
◯物作り×IT
物作り=製造業の分野にも、インターネットによる革命を起こそうという動きが盛んです。ネットの世界では、Apple(AAPL:US)や Google(GOOG:US)などがOSやアプリ流通プラットフォームを提供し、またサーバーコストも大きく低下したことで、起業のコストとリスクが大 きく低下しました。結果、イノベーションが加速するという変化が生じています。
そして、現在製造業の分野でも、簡単に部品などを作成できる3Dプリンターの普及や、東南アジアなどへ製造のみを外部発注するモデルの普及により、起業 や新規開発のコストが低下しました。結果メーカーズ(MAKERS)と呼ばれる物作り系の起業が増え始めています。国内でもアジア向けに電動バイクを輸出 するテラモーターズや、電動車椅子を開発しているWHILL、国内に3社しか無い宇宙を目指す民間ベンチャーの3Dエアロスペースなどが注目を集めていま す。
また、大企業でも高精度のセンサーを詮索するキーエンス(6861)や、3Dプリンター大手の3DSystems(DDD:US)などもこの分野では有名です。
◯金融×IT
国内では楽天証券やライフネット生命(7157)などが既に有名ですが、今後「ネット×金融」の分野が加速度的に盛り上がるのでは言われています。 金 融の中でも例えば決済に特化した場合は、米Squareや日本のコイニーなどが有名です。両社とも今までクレジットカードが使えなかったような小規模なお 店でも安価でクレジット決済を導入するためのデバイスを提供しています。
また金融×ITで有名と言えばクラウドファンディングもこれにあたります。クラウドファンディングはインターネットを通して個人や企業が広く資金を求め るモデルです。今までは、寄付や未完成の商品を将来購入するということでお金を渡す事前購入モデルなど、出資や融資ではない方式が一般的でした。
しかし昨年米国で法改正が進み、今後クラウドファンディングのモデルでも企業に対し出資することが可能となります。また、日本政府もこの動きに追随しており、変化が進むのではと期待が持たれています。
この分野では、米Kickstarterや日本のキャンプファイヤーなどが有名です。
また、私が立ち上げた株式会社ZUUは、決済でもクラウドファンディングでもありませんが、金融×IT(正確には金融×IT×教育)を事業領域としております。この金融×ITの分野で大成出来るよう、日々全力で取り組んでおります。
以上、3回に分けて、米国のソーシャルバブルを題材にしつつバブル崩壊の仕組みと今後の注意点、また次のバブルに備えるにはというテーマで書かせて頂きました。
もし更に深堀して欲しいテーマなどありましたら、お寄せいただけますと幸甚です。
(冨田和成)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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