株式市場に参加されている個人投資家に求められているものは株価変動のみにフォーカスした投資(投機という)ではなく、企業の保有する資産価値を踏まえた投資と考える。
別の言い方すれば切った張ったの世界ではなく、地に足のついた文字通りの中長期の企業成長や資産価値をベースとした投資を心掛けて頂きたいと思う。
そんなのは当たり前と言われそうですが、これが案外できそうでできていない。短期のリターンを求めた投資についついのめり込む投資家、投機家が多く、成果向上に至らない場合はそれを企業のせいに転嫁して時にはモノ言う株主となることもある。
株式の発行体、つまり上場企業もバランスシート上に存在する資産を有効活用せず、投資家が求める収益を生まずにきたこともあるが、日本の株式市場にはPBR1倍割れ銘柄が山のようにあり、東証の是正指導の下、ようやく企業側も対応を始めたようだが、いまだに放置したまま上場を維持している企業が数多く存在する。
めざとい投資家の皆さんはこの流れに乗ろうと考えているようだが、運用側もこの潮流を捉え、PBR1倍割れ是正ETFを上場させるなど話題を集めている。
それにしても中には光村印刷のようなPBR0.2倍台という銘柄もあるが、なぜここまで低いのかは明確で保有資産が投資家が期待する利益を生んでいないから。過去20年と同様にこれからの10年も利益が生まれずにいるだろう企業の株を高く買えない訳だ。
凸版、大日本という世界的な企業を生んだセクターの中で創業120年という老舗印刷企業が向かう先は上場を止めるのか新たな成長にチャレンジするのか、保有する技術、埋もれた資源を改めて有効活用していく企業があちこちで出てくると日本の株式市場も大いに活気づくに違いない。
投資家の皆さんもそうした企業群の資産価値にフォーカスして頂きたいと考える
(炎)
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