今週29日のNTT(9432)株式25分割権利落ち後の株価への関心が高まりを見せています。
同社株は2020年10月の安値2127円から本年5月の高値4334円まで2倍余りの上昇を見せており、利益確定売りを消化しながらなおも上向いている状況で、その中で5月12日に発表されたのが6月末の25分割。通常なら決算期に合わせて3月末に行われる株式分割ですが、今回は6月末。2024年から新しいNISA制度が導入されることを踏まえての施策ですが、大株主である政府財務省の施策にも沿った形で打ち出された格好です。
今回の大幅分割で同社株の発行済み株式数は36億2201万株から905億5031万株に拡大します。株式分割自体で企業価値が高まることはないのですが、1単元100株の売買から投資可能なので先週末の株価4120円であれば164.8円となり、1万6000円余りで投資できることになり、まだ株式投資をしたことのないような若年層を含め売買高の増加が見込まれています。
前期末現在の同社の株主数は71.2万人で98万人のトヨタや91.6万人の三菱UFJ株に次ぐ株主数の多さですが、今回の25分割によって一挙に株主数が100万人(かつてのピークは190万人だったとの話もある)を突破するものと想定されます。
同社では今後の成長を想定した新中期計画(成長分野に5年間で約8兆円を投資、既存分野4兆円と合わせ12兆円を投資。2027年度のEBITDA4兆円を目指す)を株式分割の発表と同時発表しています。幅広い投資家を集めながら中長期成長を一緒に楽しむというスタンスです。
もちろんソフトバンクグループと同様にAIに取り組む計画であるほか光半導体、6Gへの挑戦も示しています。
この施策が投資家にどのようなリターンをもたらすのか大いに分割後の動向にも注目したいと思います。
(炎)
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