なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
==「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか」==
(有料メルマガ第70回・2010/4/27配信号)
【前略】
株式投資を戦争に例えるならば、自分が行なう戦争の目的を明確にしておかなければなりません。つまり戦争を行なう以上、戦争の目的が必要であり、その目的を達成するために「戦略」が大事で、次に「戦術」が必要だと考えています。
多くの読者の皆さんが株式投資を行なう目的は、資金を増やすことだと思います。個人投資家が資産を増やしたいと考える原因、最大の理由は、その資金を利 用して豊かな一生を送ること、資金的な不安を持たずに安心して一生豊かな生活をエンジョイすることを可能にすること、ではないかと考えています。
もちろん株式投資をすることで、射幸心を満たす。自分が予想したような株価の上昇があり資産を増やせれば精神的な満足を得られる。株式投資をすることで、考える力を強める。考えたことを実際に実行に移す能力を高める。資金を増やす以外にも色々な目的が考えられます。
しかし、最大の目的は株式投資を行なうことで、金銭的な不安を持たないで安心して一生を過せる資金を得ることが目的だと私は考えています。この想定が正 しいとするならば、株式投資のように場合によっては資産を大きく減らしかねないリスクのある投資を行なわないで、一生安心して過せる資金をすでに持ってい たり、その資金を得るための株式投資以外の手段を既に持っていたりする人は、株式投資をする必要はないと考えています。
もう少し付け加えると、株式投資を行なうことで、一生安泰に暮らせる資金を作れたときは、株式投資(=戦争)を中止する事も大事なことだと思います。一 気に全面戦争を止めるということではなく、資金が増加するにしたがって、戦争を縮小して行くという方法を検討しておくことも大事なことだと考えています。
本当の武力を使った国家間の戦争(=国家の目的を達成するための手段としての戦争)でも、国際関係における世界の戦略の大家たちは、まずは外交力を駆使 して、戦争をしないで自国の目的を達成することを考えます。そして戦争が必要になったときに、やむを得ず戦争という手段を使いました。
戦争は勝つこともあれば、負けることもあり、負けたら目的を達成できない危険な行為です。勝算がないままで戦争を仕掛けるのは愚の骨頂ですし、必要もないのに戦争を仕掛けるのも愚かなことだと考えます。
このコラムでは、便宜的に議論を進めていくために、一時的に株式投資を戦争として考えたいと思います。再確認すると、豊かな生活をするために、株式投資 をする必要がないならば、いいかえると、株式投資をしなくても豊かな生活を送るための資金が充分にあるならば、あえて株式投資という戦争を選ぶことはない と考えます。
しかしインフレ・リスクや年金がどうなるか分からない。株式投資を行なわないと一生安心して生活する手段が持てないので、リスクはあるけれど株式投資という戦争を活用したい。株式投資という戦争を必要としている、そのことを前提に話を進めていきたいと思います。
株式投資を行なって2億も3億も資金を作ることが出来たなら、その時点で株式投資という全面戦争を中止しなくてはいけないと考えています。もちろんまた 戦争が必要な事態が発生するかもしれないので、戦争遂行能力を維持するために2000万円とか3000万円とかの資金を使って株式投資を続ける必要性はあ ると思います。しかし自分の資産のほとんどを株式に投資したままにしておくという、全面戦争状態は問題が多いと考えています。
そのことを忘れて、株式投資をすることで資産を多きく増やせたことで、当初の戦争目的(=株式投資をする目的)を忘れ、戦線を拡大し続けて、最後にせっ かく作った資金(=一生お金の心配をしないで豊かな生活を送れるほどの資金)を失ってしまっては、まったく意味がないと考えています。
戦争を行なっている最中でも、戦況が厳しくなることが明白なのに戦闘行為を続けるのは愚かな行為だと思います。戦略的撤退とか、一時休戦は株式投資でも必要なことだと考えています。
そして戦争は勝てる可能性が高いときに仕掛ける。負けることが分かっているのに、無謀な戦争は行なわない。このことも大事だと思います。また、すでに戦 争を始めており、勝てる確率が高いチャンスの時に戦闘行為を躊躇する。そのために勝機を失う。これも不味いことだと思います。
勝てるチャンスが高いときというのは、投資環境や経済環境が良くなっていくと予想できるときに、これから着実に数年にわたり売上と利益を増やしていく と、多くの投資家が考えると思える業種の、強い企業の株価が、所有している資産価値に比べて安いときに投資を実行しておくということです。
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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