昨年の師走相場に続き穏健なスタートとなった今年の株式相場。
振り返ると昨年の日経平均は28791円から26094円へと9%余り、TOPIXは5%程度の下落で、マザーズ指数は26%もの下落となった。
日本株主体の投資家各位の運用成果はやや停滞を余儀なくされ、様々な懸念要因から今年も年初は各投資家とも慎重なスタンスが続く。
一本調子での株価上昇は困難でおよそ3か月の周期的な変動を見せた株式相場。つまりいつも言う山あり谷ありの株式相場を上手に捉えて今年もまた慎重な中で比較的高い運用成果を求める皆さんが多いものと推察される。
コロナ禍の後遺症に苦しむ世界経済。
日本経済もなかなか浮上しない状況だが徐々に回復の兆しは見えつつある。
そうした経済状況を反映して多くの銘柄の株価は上値の重い状況となっている。
為替相場が円安から円高に向かう中での頭重い展開が見られ、更にはウクライナ問題長期化の流れで電気代や食品価格が上昇。物価高の話でスタートした日本経済に今度はユニクロの人件費最大4割のアップとグローバルな事業展開を図る企業の対応策も出始めている状況。
そうした企業の株価は今後の収益ダウンを嫌気して短期的には株下げの動き。インバウンド復活などもあり、コロナ禍から脱却し多少でも浮上を期待したいところではあるが米国の政策金利動向次第で日米欧の株式相場は変動する。
さて、既存銘柄ともに新たに市場に登場した数多くの銘柄群の存在に関心を寄せておられる方々も多いかと思われる。変動の激しいIPO銘柄はビジネスの内容が十分に投資家に伝わらないまま様々な変動を見せている。
年初2週間はやや穏健なムードでのスタートとなり調整ムードが漂ったままだが、1年間の中では様々に変動を見せる筈の株式相場。その中で今年も株式市場には様々な企業が新規上場してくることになり投資家の関心が高まることになる。
既に1月26日には前1月期実績売上高が7.9億円、同経常利益0.6億円、従業員35名(80%が技術者)というパチンコパチスロなどの遊技機向けを中心にした映像ソフトウェア制作、AI等デジタル技術に関連したシステム開発を展開するテクノロジーズ(5248・上限価格1000円)がグロース市場に上場予定。
昨年のIPOは91銘柄(うち25銘柄が12月)で相場環境の悪化から前年に比べ34銘柄も大幅減少。今年は果たしてどうなるか。
マザーズ指数の停滞が続き今年も需給悪でIPO銘柄数は増えないと思われる中でどういう業種、ビジネス内容の企業がIPOを果たすのかに注目。
少子高齢化が進展する日本経済にとっては生産性向上、DX化、AI化などによる恩恵が本格的にもたらされる年となってくれると期待したいが今後の成長が期待される企業のIPOが株式相場を牽引するにはそれぞれの企業内容が理解され、投資家のリスクマネーを呼び込む努力が求められる。
日本経済成長の好循環となるベンチャー企業創出とIPO市場の活発化は車の両輪のようなもの。
今年も様々なIPO企業に対し皆様とともにその動向を注目していくことにしたい。
(炎)
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